原題:King Kong

2005年12月、映画の新世紀はここから始まる。 究極のアドベンチャー巨篇『キング・コング』の襲撃に、世界はひれ伏す! 『ロード・オブ・ザ・リング』3部作の監督が贈る感動の超大作!

本国アメリカにて2005年12月14日公開

2005年/アメリカ/3時間6分 配給:UIP

2010年11月26日よりDVDリリース 2006年11月30日よりDVDリリース 2006年05月25日よりDVDリリース 2005年12月17日、日劇1&日劇3ほか全国超拡大ロードショー

(C)2005 Universal Studios

公開初日 2005/12/17

配給会社名 0081

解説



全てはこの映画のために——『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソン監督が贈るスペクタクル・アドベンチャー

史上最高のアカデミー賞11部門ノミネート、11部門完全受賞を果たした『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』。その感動もさめやらぬ中、監督のピーター・ジャクソンは早くも次回作の製作に乗り出した。彼が本当に撮りたかった映画、彼の人生を変え、映画監督を志すきっかけとなった映画——それが本作『キング・コング』だ。
オリジナルの『キング・コング』は1933年に製作され、その後エンターテインメント映画の流れを変えたと言われるアドベンチャー映画の金字塔。地図にも海図にもない伝説でのみ語られる幻の孤島「髑髏島」(スカル アイランド)で捕えられたキング・コングが、文明社会=NYに連れてこられ、悲劇的な運命に翻弄されるという美女と野獣の古典的なストーリーをピーター・ジャクソンが現代に甦らせる。『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズをも越える最新の技術を駆使して語られる未曾有の映像体験に誰もが驚くことだろう。

キャストには今、ハリウッドで最も多才で成功をおさめた俳優が結集!
ヒロインの女優アン・ダロウに扮するのは『21グラム』でアカデミー賞候補となったナオミ・ワッツ。彼女に献身的愛を捧げる気鋭の映画脚本家ジャック・ドリスコルに『戦場のピアニスト』でアカデミー主演男優賞を獲得したエイドリアン・ブロディ。そして自らの野心のために全ての人を破滅に導いてしまう大胆で、カリスマ的な映画作家カール・デナムに『スクール・オブ・ロック』でゴールデングローブ賞ノミネートのジャック・ブラックが扮している。
 注目のキング・コングは『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのゴラム役で映画史に残る演技を披露したアンディ・サーキス。さらに『戦場のピアニスト』のトーマス・クレッチマン、『リトル・ダンサー』のジェイミー・ベル、トム・ハンクスの息子コリン・ハンクスらが脇を固めている。

アカデミー賞を獲得した『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのスタッフが再結集!
 脚本は『ロード・オブ・ザ・リング』3部作を共に手掛け、『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』でアカデミー賞を獲得したピータ・ジャクソン、フラン・ウォルシュ、フィリップ・ボウエンの共同執筆。撮影監督はアンドリュー・レスニー(『ロード・オブ・ザ・リング』3部作のカメラマン、『ロード・オブ・ザ・リング』でアカデミー受賞)、編集はジェイミー・セルカーク(『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』でアカデミー受賞)、プロダクション・デザイナーはグラント・メジャー(『ロード・オブ・ザ・リング』3部作全てでアカデミー賞ノミネート、『王の帰還』で受賞)、衣装はテリー・ライアン(『トエンティマン・ブラザーズ』)、そして、視聴効果は、アカデミー受賞のジョー・レッテリが指揮するWETAデジタルと、同じくアカデミー受賞のリチャード・テイラーが指揮するWETAワークショップが手掛けている。
 総製作費は1億1000万ドル。『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズで一躍ニュージーランドの国民的英雄となったピーター・ジャクソンは政府の協力を得てウェリントン郊外に巨大な屋外セットを建設。大規模なセットと精密なCG映像を違和感無く織り交ぜる手法は『ロード・オブ・ザ・リング』と同じだが、今回は更にスケールアップ。“何故、今『キング・コング』を撮るのか?”と問われ監督のピーター・ジャクソンは「答えはラストの9分間に詰まっている」と語っている。この、心を揺さぶるラスト9分で日本中が涙する事は間違いない。現在、撮影は全て終了し12月14日全国超拡ロードショーへ向け、ポストプロダクション中。

「これは愛についての物語なんだ。
敢えてラブ・ストーリーとは言わないけれどね」——ピーター・ジャクソン
「誰でも人生に於いて絶対的な瞬間ってモノがあると思う。後から思い返すと“まさにこの時”だと思えるような、人生を変えた瞬間だ。私の場合それは9歳の時、テレビで『キング・コング』を見た時なんだ…その時に映画製作者になろう、と決意したんだよ。
 たった9歳の私にとって『キング・コング』はあまりにも深い印象を与えたんだ。単調な日常から解き放ってくれる、めくるめく冒険。もちろん『キング・コング』には秘密の島や失われた文明、恐竜、見た事もないクリーチャーの数々があるけれど、究極的には感動を与える物語だよね。あれから30数年。遂に自分の夢が現実のものになり、その幸運が信じられないくらいだ。
 キング・コングは、地球上で最も住みにくい場所に住んでいる。凶悪な恐竜や、その他、私たちが創りあげた様々な生物が共棲し、彼は恐怖でいっぱいだ。長いこと、むごたらしい扱いを受け続け、皆さんが想像できる中でも最も恐ろしい、いわば“怪物”になってしまっている。
 でも、私たちが作品の終わりに学ぶのは、キング・コングにも明らかに心があると言う事なんだ。彼にも感情があり、人との関係を作ることが出来る、つまりナオミ・ワッツ演じるアン・ダロウと彼との関係をね。もちろん、他の生物と関わり持つのは彼の人生において初めての事で、私たちにはそうした関係が彼に影響を会えているのが分かる。無論、この物語の本当の悲劇は、彼の破滅だ——この関係を作ることで彼は生存本能を失ってしまうのだから…。
『キング・コング』の基本的なストーリーはアドベンチャーだけど『ロード・オブ・ザ・リング』でやったように、勇気あるものにしたいと思っている。キャラクターに深みを持たせ、観客のみんながリアルに感じてくれるようなね。この映画を見てくれた子供の中から、いつか僕のように映画製作者が生まれたら嬉しいね」

ストーリー


 1933年、大恐慌時代のアメリカ、ニューヨーク。売れない女優のアン・ダロウ(ナオミ・ワッツ)は、芝居小屋が突然閉鎖になり路頭に迷う。切羽つまった彼女は露天商のリンゴを盗むが店主に見つかってしまう。そんなアンを救ったのは、映画作家を名乗るカール・デナム(ジャック・ブラック)だった。
 自信とエネルギーに溢れた表情で、エンターテインメント産業で活躍する男を装うデナムだが、実は彼も出資者たちから見放され、撮影済みのフィルムを持ち逃げしている身だった。しかし、彼にはある企みがあった。偶然手にした秘密の地図、そこには時の流れから取り残された原始のままの島の位置が記されている。そこで誰も見たことがない冒険映画を撮影する。それが彼にとっての最後の賭けだった。債権者たちの訴えでデナムは警察に追われる身となるが、助手のプレストン(コリン・ハンクス)に命じ、3時間足らずでスタッフと機材を船に乗せる。しかし、映画には主演女優が必要。そんな時、偶然出会ったのがアンだったのだ。最初は抵抗を感じていたアンだが、ずっと憧れていた脚本家ジャック・ドリスコル(エイドリアン・ブロディ)の脚本だと聞き、乗船を決意する。
 そのジャックが出航間際に脚本を持ってやってきた。劇作家として名が売れてはいるが、彼の戯曲は難解で、自然の成り行きで金には縁がなかった。そして、脚本が冒頭だけしかできていないことを聞かされたデナムは、小切手を切るふりをして時間を稼ぎ、ジャックをそのまま船に乗せてしまう。
 こうしてアン、ジャック、主演男優のブルース・バクスター(カイル・チャンドラー)、撮影スタッフと船のクルーを巻き込み、デナムの計略通りに船はニューヨークの岸壁を離れる。その名は”ベンチャー号”。彼らの行く手に待ち受ける運命を暗示するかのような名前の老朽船は、大西洋へと踏み出していったのだった。
 ベンチャー号の船長エングルホーン(トーマス・クレッチマン)だけは、本当の目的地をデナムから聞いていた。もちろん危険も承知していたが、2000ドルの報酬に目がくらんだのだ。古参の船員、ヘイズ(エヴァン・パーク)は身寄りのない若手船員のジミー(ジェイミー・ベル)を可愛がっていた。ジミーに厳しく接するヘイズだが、その裏には立派な男にしたいという深い愛情があった。他にもランピー(アンディ・サーキス)や、中国人船員のチョイら個性的な面々がベンチャー号を動かしていた。
 船上での撮影を行いながら進むうちに、クルーの間に不穏な空気が漂い始める。シンガポールが目的地と聞いているのに、船はスマトラ島のはるか西にある南インド洋の海域へと近づいて行くからだ。深い霧が立ちこめ、急激な海流に舵の自由も奪われてしまうベンチャー号。そして、眼前に巨大な岸壁が現れる。これこそが、デナムが探し求めていた幻の島、「髑髏島(スカルアイランド)」だった。その時、彼らの耳をつんざいて聞いたこともない巨大な咆哮が響き渡った……。
 上陸した彼らは、遺跡や巨大な建造物に身震いしながら撮影を行なっていくが、不気味な原住民たちと遭遇し、数名の船員が命を失う。銃で威嚇することで、なんとか船に逃げ帰ることに成功したが、その夜、原住民たちは船に潜入してアンをさらって行く。身動きのとれない状態で祭壇に上げられるアン。彼女を救出するために、ジャックやデナムが再び原住民の集落へと向かうが、アンは森の中へと連れ去れてしまう。その時デナムは目撃してしまった。アンを奪い去った巨大な生物、”キング・コング”を。
 アンを追ってジャングルの奥地へと果敢に進むクルーだが、はるか昔に絶滅したはずの巨大な恐竜や、未知の生物に次々と襲われ、ひとりまたひとりと命を落としていく。一方、さらわれたアンは最初は恐怖におののき、あの手この手でコングから逃れようとするが、巨大な恐竜に襲われているところを助けられ、コングと心を通わせるようになる。そんな中、ただひとり救出をあきらめなかったジャックが、ついにアンを見つけ出して連れ戻ることに成功する。怒り狂ったコングが追いかけてくるが、この巨大な生物を連れ帰って見せ物にしようと画策するデナムは、激しい攻防の末、クロロホルムを使ってコングを捕獲してしまう。

 数ヶ月後、ブロードウェイの巨大看板にネオンの文字が煌々と輝いている。「コング–世界で8番目の驚異」。目論見通りの大成功を収めつつあるデナム。憂うつな表情で舞台に上がる準備を整えるアン。アンに想いを伝えられなかったことへの後悔の念にさいなまされるジャック。いよいよ舞台の上でキング・コングを覆ったヴェールが取り払われる……。それは悲劇への始まりだった。

スタッフ

監督:ピーター・ジャクソン
脚本:フラン・ウォルシュ、フィリップ・ボウエン、ピーター・ジャクソン
音楽:ハワード・ショア
編集:ジェイミー・セルカーク
プロダクション・デザイナー:グラント・メジャー
撮影監督:アンドリュー・レスニー
製作:ジャン・ブレンキン、キャロリン・カニングハム、フラン・ウォルシュ、ピーター・ジャクソン

キャスト

ナオミ・ワッツ
ジャック・ブラック
トーマス・クレッチマン
コリン・ハンクス
アンディ・サーキス
ジェイミー・ベル
エイドリアン・ブロディ

LINK

□公式サイト
□IMDb
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す