原題:Innocence

純粋無垢な美しさ。イノセントな恐怖。 少女たちはどこから来て、どこへ行くのか?

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭コンペ部門正式出品作品:審査員特別賞受賞

2005年1月12日フランス公開

2004年/ベルギー・フランス合作/1時間55分/ Dolby SRD / シネマスコープ/ 配給:キネティック

2007年04月04日よりDVDリリース 2006年11月4日、シネマライズほか全国順次ロードショー公開

公開初日 2006/11/04

配給会社名 0026

解説


現代版赤ずきんちゃん物語を、現実と幻想を織り交ぜて描いた前作の中編『ミミ』で監督デビューしたルシール・アザリロヴィックの長編デビュー作。サンセバスチャン映画祭やストックホルム国際映画祭で作品賞、監督賞など受賞。
深い深い森の中に建つ、お城のように大きなお屋敷。そこは6歳から12歳までの少女たちが暮らしている、外界から遮断された謎めいたスクール。彼女たちはみな棺に入れられ、そこに運び込まれる。年齢ごとに7色のリボンでグループに分けられ、自然の生態を学び、ダンスの稽古をして6年の時を過ごすのだ。最年少のイリスが入学すると、年長のビアンカたちは森の赤の劇場で紳士淑女にダンスを披露し、外界へ送り返される。しかし、彼女たちが次にどこへ向かうのか、誰も知らない。6歳から12歳までの少女たちの秘められた世界を描く本作は、前世紀の作家フランク・ヴェデキンドの短編作品が原作となっている。
公私にわたるパートナーであるギャスパー・ノエの才能を影で支えるルシールは、この作品で、秘密めいていてどこか恐ろしい影のある、美しい楽園を描いてみせた。『ヴァージン・スーサイズ』がアメリカのガーリー・カルチャーの成功作だとすれば、これはヨーロッパ的なアンニュイさの漂う、少女の美学で人々を魅了するであろう。

ストーリー



奥深い森の中。小鳥がさえずり、森のさらに奥へ続く道を進んでいくと、とても美しいまるで眠れる森の美女のお城のような大きな屋敷が現れる。そこから地下へと続く道がある。長い地下道を進むと、やがて屋敷の廊下へと続く。屋敷は美しい公園に囲まれている。物語は、この外界からは完全に隔離された、公園の中の屋敷に、6歳の少女イリスが棺の中に入れられ運ばれて来たところから始まる。

イリスは、7歳から12歳までの6人の少女達に見守られ、棺の中から現れる。少女たちは一人一人が年の色に合わせたリボンをしている。イリスはこれからこの豪華な公園の中に建つ家でこの少女たちと暮らすことになる。公園の中には中心から星型に7軒の家が点在しており、各家に7人ずつの少女達が住んでいる。
少女達以外は、大きな家に住んでいる年をとった召使と、エディスとエヴァという若い女性教師二人だけ。男性はいない。少女達は年齢ごとのグループにわかれて毎日大きな家に通い、ダンスと生物を勉強している。

訪問客はいっさい禁止されており、その公園には外界と遮断された巨大な壁に覆われ、よじ登ることも禁止されている。少女達曰く、壁をよじ上って外に出ようとするものは、召使と化し、永遠にここからでられないと宣言されるのである。毎晩、7つの家から一番年上の少女たちが集まり、公園のどこかで怪しげな集会を開いている。ただしこのことを口外することは禁じられている。

夏がきて、やがて秋になる。ほとんどの少女同様、イリスも以前の生活のことを完全に忘れてしまった。しかし、新入生のローラは環境になじめず、必至にここを出ようとする。彼女はボートで脱出を試みるが、川で溺れ死んでしまう。

ある朝、公園は完全に雪で覆われる。数日後、校長先生が毎年この時期にきまって10歳の少女達に会いにやってくる。校長先生は、7年生に進級する前にここを去ることを許される少女一人を選ぶのだ。イリスの家に住むアリスは、選ばれて外の世界をみることを夢見ている。残念ながら他の少女が選ばれ、アリスにとってここでの生活が耐えられないものとなっていく。アリスは壁をよじ登り、壁の向こう側へと消えていく・・・。

スタッフ

監督:ルシール・アザリロヴィック
製作:パトリック・ソベルマン
脚本:ルシール・アザリロヴィック
撮影:ベノワ・デビエ
美術:アルノー・デ・モレロン
編集:アダム・フィンチ

キャスト

ゾエ・オークレール
ベランジェール・オーブルージュ
リア・ブライダロリ
マリオン・コティヤール
エレーヌ・ドゥ・フジュロール

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