原題:SHIBUYA STORY

2004年/日本/35mm/カラー/ビスタサイズ/ドルビーSR/122分/ 配給:東映ビデオ

2005年06月21日よりDVDリリース 2005年06月10日よりDVDリリース 2004年3月5日より渋谷TOEI 1、新宿オスカー、銀座シネパトス、             池袋シネマサンシャインほか全国ロードショー

公開初日 2005/03/05

配給会社名 0144

解説


 ここに一人の男がいる。かつて命を燃やして生きた場所───
渋谷にたたずむ男。その男の名は<安藤 昇>。
特攻隊の生き残りとして敗戦直後の東京に復員し、その混沌混乱の渋谷を自らの生きる場として選び、そこに君臨し稀有の生き様を刻印した男。その軌跡を語る本人の作品は、映画、Vシネ、実録ドキュメント、自伝小説等をトータルすると実に<89>本の多きに亘る。安藤昇が辿った男の人生。その中で彼が絡んだ、数々の事件の真相が明らかになった時、おのずと戦後日本の変遷があぶり出されてくる。
 安藤昇を描く<90>本目の作品「渋谷物語」は、これまでの作品のような<安藤昇・血と抗争の暴力史>ではない。戦争で一度死んだはずの男が命知らずの特攻精神であらゆる暴力組織をねじ伏せていく過程を観せる一方、ひとりの男を待ち続ける女たちの恋心を、昭和という時代が生んだ切ないラブストーリーとしても描き、時にハードに、時に哀しく、経済復興とひきかえに失われていく“純粋な生き様”を比類なきリアリティで魅せている。
「私のこれまでの全ての作品は、この映画の序曲に過ぎなかった」と本人に言わしめた集大成的自伝作であり、同時に戦後60年目を迎えたいまだからこそ語られる、誰も知らなかった真実の戦後史でもある。

ストーリー

昭和20年9月、物語は東京新宿の闇市から始まる。特攻隊の生き残りとして復員してきた安藤昇は、かつての仲間たちと再会、そこでピンポン屋を営む女・泰子と出逢い、心を奪われる。さらに特攻隊同期の藤原とも再会した安藤は、新宿で命知らずの抗争を経て渋谷に進出。やがてライバルのヤクザ組織を次々と屈服させて、昭和27年、青山通りに念願の〈渋谷興業>を開設。これで安藤グループは時代の表舞台にたつことになる。昭和31年には渋谷興業主催の大芸能イベント「歌う桜祭り」を華々しく成功させ、全国に安藤グループの名を轟かせてゆく。そこで後に彼の逃亡を助ける女・奈々子に出逢うことになる…。こうして暴れ者の集団から統制の取れた組織へと変貌していく途上、安藤は卑劣極まりない財界人・中井秀麿の存在を知って激怒する。中井は巨額の資産を持ちながら、かつての債務をそのままにして困窮に苦しむ債権者を見殺しにしていたのだ。
「こんな奴らのために、みんな戦争で死んだんじゃねえ!」
安藤の怒りは中井だけではなく、彼のバックにいるさらなる巨大権力に向けられていった…。

スタッフ

監督:梶間俊一
製作:黒澤満
企画:安藤昇
原作:安藤昇  『激動』(双葉社刊)
プロデューサー:石井徹
       小島吉弘
       榊田茂樹
脚本:石松愛弘
   田部俊行
   梶間俊一 
撮影:池田健策
美術:福澤勝広
編集:大畑英亮
照明:目時威邦
装飾:田畑照政
録音:湯脇房雄
助監督:金祐彦

キャスト

村上弘明
南野陽子
渡辺裕之
松方弘樹
津川雅彦
風間トオル
永島敏行
榎木孝明

安藤 昇(特別出演)

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