原題:Pride and Prejudice

イギリスにて2005/予定

2005/イギリス/カラー/127分/ 配給:UIP映画

2010年10月22日よりDVDリリース 2006年11月30日よりDVDリリース 2006年06月23日よりDVDリリース 2006年1月14日(土)より、有楽座ほか全国一斉ロードショー!

公開初日 2006/01/14

配給会社名 0081

解説



「愛してる」と認めるには、男のプライドは高すぎた。「愛してる」と応えるには、女の偏見が邪魔をする。プライドと偏見。その厚い壁の前に、男も女もそう簡単には人を愛せない。18世紀末、イギリスの上流社会。女性に財産相続権がなかったこの時代、“結婚”は女性にとって人生のすべてだった。そんな時代に、格式の中に自由を求め、噂の中に真実を見出そうとする2人の心の道のりを追った愛の秀作。
原作はイギリス女流文学の最高峰ジェーン・オースティン。“結婚”という時を超え憧れをモチーフに、5人姉妹と男たちの恋物語が、格調高く、いきいきと現代のスクリーンに映し出される。オール・ロケによる絵画のような田園風景、貴族社会の華麗なる日常、ペーソスのきいた男女の会話、好奇心あふれる娘たちの笑い声、そして主人公たちの思いがけない恋の行方……。華やいだ空気の中から、やがて、“結婚”とは、自分の本当の心を見つけることだという原作者オースティンのメッセージが聞こえてくる。
フランス革命の余波がイギリスにも押し寄せている18世紀末。イギリスの田舎町が舞台。娘ばかり5人のべネット家の隣りに、大金持ちの貴公子ビングリーが引っ越してくる
ところから物語は始まる。美しく慎み深い長女ジェーンと読書が好きで才気溢れる次女のエリザベス。そして、快活なビングリーとその親友で気位の高いダーシー。ジェーンとビングリーがたちまち恋の芽生えを感じる一方、エリザベスはダーシーのプライドの高さに強い反発を抱く。そこに現れた青年将校ウィッカムの話から、エリザベスはますますダーシーに嫌悪感を募らせる。しかし、嫌っていても、なぜかダーシーの存在が気になってしかたがない。その理由が自分の偏見にあったとエリザベス自身が悟る頃、ベネット家の一番下の娘の身に、とんでもないことが起こっていた……。

物語を彩る主な役者たちには、新しいイギリスの顔が揃っている。主人公エリザベスをはつらつと演じたのは、『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』で一躍、人気を集めたキーラ・ナイトレイ。強い自我を感じさせる演技は、彼女自身の光る個性でもある。そのプライドの高さゆえ、エリザベスへの愛に苦しむダーシー役は、イギリス演劇界からマシュー・マクファディン。日本では馴染みのない役者だが、ダーシーの気難しさと誠実さの両面を一瞬にして演じ分けた実力はさすが舞台仕込みだ。エリザベスと対照的な女性として描かれる長女ジェーンには、『007/ダイ・アナザー一デイ』でMI-6の工作員に扮していたロザムンド・パイク。その恋の相手ビングリーは新星サイモン・ウッズ。ドラマはこの2組の恋を中心に展開するが、脇役で大物俳優が活躍する。娘たちの結婚に躍起になるベネット家の母親役には、『秘密と嘘』でカンヌ映画祭の主演女優賞を受賞したブレンダ・ブレッシンが扮する。また、娘たちの真の幸せを願う父親には、一流の性格俳優として国際的に活躍するドナルド・サザーランド。彼の『コールドマウンテン』での演技を見た監督からのラブコールで今回の出演が実現した。そして、『恋におちたシェイクスピア』でアカデミー賞助演女優賞を受賞したジュディ・デンチが、キャサリン夫人役で18世紀末のイギリス上流階級の女性像をみごとに描き出し、作品全体を引き締めている。

今回、ジェーン・オースティンの名作に挑んだ監督は、これが長編デビューとなる33歳のジョー・ライトだ。これまで、短編映画やテレビ映画で活躍し、TV版「チャールズ2世」ではBAFTA(英国映画テレビ芸術協会)賞を受賞した。脚本は、同じく英国テレビ界からデボラ・モガー。小説家でもある彼女は鋭い人間観察力を発揮し、複雑に揺れ動く主人公たちの心理描写に筆をふるった。製作のティム・ビーヴァンとエリック・フェルナーは、ジェーン・オースティンの「高慢と偏見」を現代版に仕立てた『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズのヒットを放ったコンビだ。もう1人、『彼女がステキな理由』のポール・ウェブスターが製作に加わっている。製作総指揮は、『ブリジット・ジョーンズの日記/きれそうなわたしの12か月』のデブラ・ヘイワードとライザ・チェイシン。また、時代物では重要な衣装は、『人生は、時々晴れ』のジャクリーヌ・デュランが担当した。
この作品ではイギリスでのオール・ロケによる美しい背景もひとつの見どころだ。プロダクション・デザインは、ジョー・ライト監督とテレビ時代に組んだサラ・グリーンウッド。撮影は『ビタースウィート』のロマン・オーシンが務めた。ロケ地は、ベネット家としてイギリス南部グルームブリッジの水路で囲まれた17世紀の邸が使われほか、ダーシー家の別荘などの豪邸もそれぞれ17〜18世紀に建てられた建物ばかり。音楽は、ベルリン映画祭で金熊賞に輝いた『In This World』のダリオ・マリアネッリが担当。娘たちの快活さ、華やかな舞踏会、恋の波乱など各場面をクラシック調の局で盛り上げている。

ストーリー



18世紀もまもなく終わる頃。イギリスの田舎町に住むベネット家には5人の娘がいた。女には相続権がないため、もしこの家の父親(ドナルド・サザーランド)が死んだら、家も土地も遠縁の男子が継ぐことになり、娘たちは路頭に迷う。母親(ブレンダ・ブレッシン)は娘たちを資産家と結婚させようと躍起になっていた。
そんなある日、この辺りでも評判の豪邸ネザーフィールドの館に、大金持ちの独身男性ビングリー(サイモン・ウッズ)が引っ越してきたという。このニュースに、ベネット家の娘たちは浮き足立った。舞踏会の夜、ビングリーは美人の長女ジェーン(ロザムンド・パイク)にさっそくダンスを申し込む。しかし、ビングリーの親友ダーシー(マシュー・マクファディン)は気難しげに女たちを見下し、誰にも関心を示さない。読書好きで知的な次女のエリザベス(キーラ・ナイトレイ)は、ダーシーが自分を侮辱する言葉を耳にしてしまい、強い反感を抱く。エリザベスにはダーシーのプライドの高さが許せなかった。
後日、長女ジェーンはビングリーの妹から招待を受けた。馬で向かったジェーンは、急に降りだした雨でびしょ濡れになり、熱が下がるまでビングリー家の世話になることになった。姉の様子を見に行ったエリザベスは、そこであのダーシーと出くわす。交わす会話もぎくしゃくしがちな2人。しかし、別れ際、馬車に乗るエリザベスにそっと手を貸したダーシーの内心を、エリザベスは見抜くことができなかった。
町に連隊がやってきた。ベネット家の幼い娘たちは、町を闊歩する青年将校たちに夢中になった。中でもハンサムなウィッカム(ルパート・フレンド)には、才女のエリザベスさえ心を奪われた。意外なことにウィッカムとダーシーは子供の頃からの知り合いだという。ある日、エリザベスはウィッカムの口から、ダーシーからひどい仕打ちを受けてきたことを聞かされる。そのことで、舞踏会で会った時、エリザベスはダーシーを激しくなじった。
その頃、ベネット家には歓迎されない訪問者があった。遠縁のコリンズ(トム・ホランダー)だ。やがて、この家を相続することになる男だった。コリンズは、5人娘の1人と自分が結婚して、相続後も娘たちの面倒を見ようと申し出る。白羽の矢はエリザベスに当たった。しかし、ウィッカムに思いを寄せるエリザベスは、コリンズのプロポーズを即座に断ってしまう。失意のコリンズは、エリザベスの幼なじみシャーロットと結婚する。一方、ジェーンとの仲が確かなものになる前に、ビングリーはなぜか急に館を引き上げ、ロンドンに帰ってしまう。ジェーンは哀しみに暮れた。
しばらくして、エリザベスはコリンズ夫人となったシャーロットの新婚家庭を訪問した。コリンズに伴われて行った後見人キャサリン夫人(ジュディ・デンチ)の豪邸で、間の悪いことにだーシーと再会する。キャサリン夫人に無理強いされ、ヘタなピアノを披露することになったエリザベス。だが、少しもひるまず自分の考えを述べる彼女に、ダーシーの視線が注がれていた。また、エリザベスは、姉ジェーンとビングリーの仲を裂いたのも、身分違いの恋に反対したダーシーの差し金だったことを知る。
ショックと怒りで狂いそうになっていたとき、エリザベスの前にダーシーが現れた。そのとき、ダーシーが口にしたのは、「あなたを愛しています」という言葉だった。あまりにも突然の予想もしない告白に、エリザベスは混乱し、「あなたは私が絶対に結婚したくない男です」と激しい言葉を返す。ダーシーは肩を落とし、エリザベスの前から去っていった。
次の日、ぼんやりと過ごすエリザベスに、ダーシーが1通の手紙を渡しに来た。そこには、かつてウィッカムがダーシーの家の財産を狙い、15歳の妹をだまして駆け落ちしようとしたことが書かれていた。そして、ジェーンにその気がないと勘違いして、ビングリーにジェーンをあきらめさせようとしたことも。エリザベスは自分にもダーシーに対する誤解と偏見があったことを知り、複雑な思いでその手紙を読んだ。
そんなとき、大変な事件が起こった。

スタッフ

監督:ジョー・ライト
製作:ティム・ビーバン、エリック・フェルナー、ポール・ウェブスター

キャスト

キーラ・ナイトレイ
マシュー・マクファディン
ドナルド・サザーランド
ジュディ・デンチ
ロザムンド・パイク

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