原題:The Interpreter

イギリスにて2005/2/18公開

2005年/イギリス/カラー/118分/ 配給:UIP映画

2005年09月23日よりDVDリリース 2005年5月21日より新〈有楽座〉他、全国ロードショー公開

公開初日 2005/05/21

配給会社名 0081

解説



一昨年『めぐりあう時間たち』でアカデミー主演女優賞に輝いたニコール・キッドマンと、昨年『ミスティック・リバー』でアカデミー主演男優賞を獲得したショーン・ペン。圧倒的な演披力と、スターらしい”華”を併せ持った当代最高の俳優二人が、初めて顔を合わせることになった。
 
キッドマンが演じるシルヴィア・ブルームは、過去を失った国連通訳。ペンが演じるトビン・ケラーは、妻を失ったシークレット・サーピス。かたや言葉による外交を信じる国際派の女性、かたや暴力の渦巻く世界で直感を信じて生きる男。正反対の価値観を持ち”川の対岸”で生きてきた二人が、ある国際的な暗殺計画のせいで出会い、激しく対立し、やがて喪失の痛みを共有し、愛にも似た深い絆で結ばれていく…。

この濃密なサスベンス・ドラマを監督したのは、『愛と哀しみの果て』でオスカーを手にし、『コンドル』『スクープ・悪意の不在』『ザ・ファーム/法律事務所』など刺激的なスリラーを送り出してきたシドニー・ポラツク。『記憶』に代表されるように、ラブ・ストーリーと社会的な間題をみごとに融合させることで定評のある彼が、今回選んだのは〈国連〉と〈テロの脅威〉と〈アフリカの紛争〉だった.ふくらむ妄想、個人が抱える過去の秘密、世界を震撼させる事件……。21世紀の現実社会と、国際政治の中枢を担う国連を舞台に、鋭く研ぎ漫まされたドラマが展開していく。タイムリーでショッキングな題材とリアルな描写、ひねりのきいたストーリーが、まさに”今”を感じさせる。ちなみにこれは、史上初めてニューヨークの国連本部内で撮影を許された映画となった。

その事件は、アフリカのマトボ共和図で生塞れた国連通訳シルヴィアが、国連の大統領ズワーニの暗殺計画を聞いたと逓報したことから始まった。それ以来、彼女の生浩は一変した。殺し屋たちのターゲットになり、同時にシークレット・サービスの疑惑の対象になった。シルヴィアを”保獲”する捜査官ケラーは、彼女の過去を探るうちに彼女自身が陰謀に関わっているのではないかとの疑いを深めていく。
シルヴィアの抱える”秘密”は、ケラーにとっては”嘘”でしかない。彼女は犠牲者か?容疑者か?それとも……?数週間前に妻を亡くしたばかりのケラーは、かつてマトボでシルヴィアが体験した悲痛なできごとを知るにつれ、彼女を守り通すことで自分のアイデンティティと愛を取り戻そうとするが……。
迫りくる暗殺の危機。シルヴィアの周囲で次々と起こる不穏な事件ら映画は国連総会の議場でのズワーニ大統領の演説というクライマツクスヘ向かってスリリングに疾走していく。

キツドマンとペンの競演を支える共演者にも実力派が顔をそろえた。ケラーの同僚で、辛らつなユーモアをもったタフな女性捜査官ドット・ウッズには、『マルコヴィツチの穴』でアカデミー賞にノミネートされたキャサリン・キーナー。大量虐殺の罪に問われながら命を狙われる大統領ズワーニには『OO7/サンダーボール作戦』(65)などに出演しているイギリスのベテラン俳優アール・キャメロン。カメラマンのフィリツプには、シャルロツト・ゲンズブールの夫で、彼女を主人公に『フレンチなしあわせのみつけ方』などを監督しているフランス人俳優イヴァン・アタル。また、シドニー・ポラック自身もシークレット・サービスの上司の役で顔を見せている。

製作総指揮はポラックと、『イングリッシュ・ベイシエント』『コールド・マウンテン』の監督でもあるアンソニー・ミンゲラ。ヒッチコック・タッチのスリラーのプロットをコンテンポラリーな社会状況の中で展開させた秀逸な脚本は、『シンドラーのリスト』のスティーヴン・ザイリアン、『マイノリティ・リポート』のスコット・フランク、『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』のチャールズ・ランドルフが共同で執筆した。荒々しいアフリカのシーンからニューヨークでの抑制されたシルヴィアの生活まで、リアリティを追求した撮影は『セブン』『パニツク・ルーム』のダリウス・コンジ。『恋慶適齢期』『モンタナの風に抱かれて』を手がけたプロダクション・デザイナー、ジョン・ハットマンが作り出した”アフリカ色”のシルヴィアのアパートや、『アップタウン・ガールズ』『17歳の処方箋』の衣装デザイナー、サラ・エドワーズが191力国の国連代表の写真を撮って研究したエキストラの装いなど、隅々にまで物語の背景を支えるリアリズムがいきわたっている。また、編集を担当したのは『トッツィー』『愛と哀しみの果て』でポラックと組んでいるウィリアム・スタインカンプ。膏楽を『オーシャン・オブ・ファイヤー』『コラテラル』などの売れっ子ジェームズ・ニュートン・ハワードが担当している。

ストーリー



アフリカ、マトボ共和国。いたる所に独載的な大統領ズワー二の名が見える。やがて、黄色い砂煙をあげて疾走してきた1台の車が朽ち果てたサッカー場に入り、反政府指導者ゾーラと支援者らしき白人男性が降り立った。しかし、彼らがそこで見たのは虐殺された死体の山。突然現れた少年が「先生からの伝言だ。”よい1日を”」と言いながら二人を平然と銃で撃ち殺す。車に残って生き延びたカメラマン、フィリツプにできるのは、この惨劇をフィルムに収めることだけだった。

ニューヨーク、国連本部。各国の言葉が入り乱れる会議場。シルヴィア・ブルーム(ニコール・キッドマン)は通訳ブースの中で聞きなれぬ言葉を訳していた。マトボで生まれ、同地のクー語を話す彼女は国連の理念に共鳴し、5年前から通訳として働いていた。その日、会識の終了後に忘れ物を取りに戻った彼女は、何者かが「先生は生きてここを出られない」とクー語で話しているのを聞く。
その後、”先生”がズワー二大統領を指し、彼が数日後に〈マトボ問題〉を否定する演説を行うことを知ったシルヴィアは、例の会話の件を通報する。やがて不審なアフリカ人が彼女の周りでうごめき始めた。しかし、彼女は自分の身より何者かの安否を気遣っていた。

元首の暗殺計画と聞いて乗り込んできたのは、トビン・ケラー(ショーン・ペン)や女性捜査官ウッズ(キャサリン・キーナー)を中心とするシークレット・サービス(SS)の面々。ケラーは妻を亡くしたばかりだったが、心配する上司(シドニー・ポラック)を制して現場に復帰した。シルヴィアの身辺を調査して面談したケラーは、彼女が”嘘をついている”と直感する。言葉による外交を信じるシルヴィアとすべてを行動で判断する捜査官ケラーは、岸の反対側にいるようなものだった。ズワーニ暗殺の動機を持つのは、平和主義奢ゾーラと、ブルックリンで亡命生活を送るクマン・クマンの二人。FBlやCIAにズワー二の警護主任ラッドも加えた合同捜査態勢が敷かれた。一方、調査が進むにつれてシルヴィアの過去があぶりだされるのだった…

スタッフ

監督:シドニー・ポラック
製作総指揮:アンソニー・ミンゲラ
脚本:スティーヴン・ザイリアン
撮影監督:ダリウス・コンジ
編集:ウィリアム・スタインカンプ
作曲:ジェームズ・ニュートン・ハワード

キャスト

ニコール・キッドマン
ショーン・ペン
キャサリン・キーナー
アール・キャメロン

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