もう咲きほこってもいいですか?満開のサクラみたいに。

2004年/日本/35mm/カラー/ヴィスタサイズ/91分/dtsステレオ 配給:スローラーナー

2005年08月26日よりビデオリリース 2005年2月19日、アミューズCQNにてロードショー

公開初日 2005/02/19

配給会社名 0048

解説


●どこかに、落としてきたものがあるような気がして、何度も振り向いた。
大切なものを見失いそうになりながら、それでも歩いてきた。
いつの日かあの桜のように、青空いっぱい咲きほこることを夢見て。

マンガ家の猫田イチゴは、スランプに陥っていました。12年前に描いた傑作「チェリーロード」を越えることができないのです。止まってしまった輝かしい時間。そして、マンガに描いても忘れることができなかった、大好きな楠瀬センパイ。
「…あなたさえいれば、なにもいらなかった」。
彼の笑顔が、今でも心の中で光っていて、イチゴの胸を甘く締め付けます。そのせいでイチゴは、いまだに新しい作品を描くことができないのです。
センパイがもうこの世にいないことさえ、認めることができないまま─。
イチゴのマネージャーの知子も、そんなイチゴをどうしてあげることもできずに、苛立ち、焦っていました。つらいのは、イチゴだけじゃない、私だって…。
ひとりで歩く夜の道。大量のサプリメント。いつか二人で撮った写真。
小さなプライドのために吐いた強い言葉も、こらえきれずに何度も流した涙も、ただひとつの想いだけ。
─あきらめたくない。
やがて今年も春がきて、満開の桜が淡く花びらを舞わせるころ、彼女たちはもう一度笑いあうことができるのでしょうか?

●不朽の名作、中原俊監督作品『櫻の園』から15年。
まぶしい光を放っていた少女たちは、
あれからたくさんの春を越え、少しずつ大人になりました。
そして今年、その中の二人の少女が、ひとつの映画をつくりました。
大人になった今の自分たちを、そっと励ますように。

幕があくまでの数時間、演劇部の少女たちの心は細やかに揺れ動く。
思春期特有の、淡くはかない、愛すべき時期を瑞々しく描き、絶賛を浴びた名作、中原俊監督作品『櫻の園』。いきいきと輝いていた大勢の少女たち。その中の二人の少女が、ふたたび手をつなぎました。
宮澤美保と梶原阿貴。
戻れないからこそ大切な日々。あきらめそうになった夢。忘れることのできない想い。
愛することと、生きること。
女優としてそれぞれの道を歩んできた彼女たちは、あれからたくさんの春を超えました。
そうして大人の女性になった今、胸の中の甘く切ない想いのカケラを、ひとつひとつ拾い集めるようにして、二人は脚本を書きはじめたのです…。

●二人の想いに共鳴した漫画家の高橋ツトム(プロデューサー/監督)、中原俊監督(共同監督)、その他多くのスタッフ、キャストがこの映画を支えました。元ちとせの歌声が、凛と前を向いて生きてゆく彼女たちの背中を、優しく後押しします。

TVドラマ「スカイハイ」(テレビ朝日)の原作者である高橋ツトムと、出演者である宮澤美保。そこでの出会いがすべてのはじまりでした。
『櫻の園』に多大な影響を受けたと語る漫画家、高橋ツトムがプロデューサーとして手をあげ、宮澤美保と梶原阿貴2人で書いていた脚本『苺の破片』を、中原俊監督と共同監督することになったのです。
そして、押尾学、木村佳乃をはじめ、小市慢太郎、余貴美子、カルーセル麻紀、甲本雅裕、塩見省三、といった実力のある役者たちが、がっちりとまわりを固めました。主題歌を歌うのは「ワダツミの木」等のヒット曲で多くの人に知られる歌姫、元ちとせ。しなやかに美しく、強い芯を持って進んでゆく彼女たちのこれからを、温かく照らし出します。
譲れないものを抱えた不器用な自分を、きちんと愛してあげたい。
迷い、傷付きながらも、まっすぐに生きてゆく彼女たち。それぞれの胸の奥で密やかに息づいていた想いのカケラは、こうして、ついにひとつの映画として結晶したのです。

ストーリー

スタッフ

監督:中原俊・高橋ツトム
製作:宮下昌幸
企画:佐谷秀美、橘田寿宏
プロデュース:高橋ツトム
プロデューサー:高瀬巖
撮影:柳田裕男
照明:金沢正夫
録音:内田誠
美術:和田洋
編集:掛須秀一
助監督:榎本高一

キャスト

宮澤美保
梶原阿貴
小市漫太郎
余貴美子
カルーセル麻紀
甲本雅裕
石橋蓮司
押尾 学
木村佳乃

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