原題:Bad Education

究極の愛か、欲望か。 なぞの美青年の秘密をめぐり、永遠の愛が今、明かされる。アルモトバルが仕掛ける 最高に美しく、強く、切ない愛の罠。

第57回カンヌ国際映画祭オープニング作品 ニューヨーク映画批評家協会賞外国語映画賞受賞

2004年3月19日スペイン公開

2004年/スペイン/カラー/105分/ 配給:ギャガ・コミュニケーションズ

2005年11月25日よりビデオリリース 2005年11月25日よりDVDリリース 2005年4月9日、テアトルタイムズスクエア、銀座テアトルシネマ他ロードショー

公開初日 2005/04/09

配給会社名 0025

解説


『この愛の物語をすべての人々に捧げる』 ペドロ・アルモドバル

アルモドバルが10数年の時をかけ、満を持して放つ圧倒的傑作。
2004年5月カンヌ国際映画祭オープニングの夜、驚きで起こった沈黙はやがて歓喜と拍手、熱狂の渦へと変った。
『オール・アバウト・マイ・マザー』でアカデミー賞外国語映画賞、『トーク・トゥ・ハー』でアカデミー賞最優秀脚本賞と
名だたる映画賞を席巻し、近年は大ヒット作品『死ぬまでにしたい10のこと』の製作総指揮と、その類まれな才能を世界へ
知らしめてきたアルモドバル監督の最新作がついにヴェールを脱いだ。10年以上も温め続け、満を持して放った新作は、
アルモドバル本人の半自伝的物語。愛情、裏切り、悪意、底知れぬ欲望、併せ持つ純粋さ、崇高さー。愚かしくも人間らしい
それらの感情と切ない物語を斬新な映像美と深い愛で描きあげた圧倒的傑作である。
かつての親友を名乗って現れた謎の美青年と、彼の訪れで蘇る寄宿舎で起こった悲しい事件の記憶。少年時代の一途で純粋な愛を
引き裂かれ、人生が砕け散ってしまった一人の青年の怒りと悲しみ、渦巻く欲望、死、そしてそれらを超えて生きる永遠の愛…。
二人の美しき青年の封印された過去とやがて明かされる、もう一つの究極の愛とは。
本作は全米で『トーク・トゥ・ハー』『オール・アバウト・マイ・マザー』を越す大ヒット、早くもアカデミー賞の呼び声が高まっている。
本国スペインでは興行成績初登場1位、6週連続トップ10入りの大ヒット。英国、フランス、イタリアなど欧州各国でも複数週に渡って
トップ10入りを記録した他、スペイン人監督作品として初めてオープニング作品に選ばれたカンヌを始め、各国映画祭でも批評家たちから
惜しみない賛辞を浴びている。

ストーリー


謎の美青年の秘密とは?友の死をめぐる欲望と裏切りの果てに、青年は永遠の愛を知る。

1980年マドリード。新進気鋭の青年映画監督エンリケ(フェレ・マルチネス)の元に、イグナシオと名乗る美青年(ガエル・ガルシア・ベルナル)が訪ねてくる。その名は16年前にエンリケが少年時代を過ごした神学校寄宿舎での親友の名前。
だが、エンリケはその青年にかつてのイグナシオの面影が見出せない。イグナシオはアンヘルという芸名の舞台俳優で映画の仕事を望んでいた。疑心暗鬼のエンリケにイグナシオは自作の脚本を渡し、もし映画化されたら出演したいと言い残して去る。
そのタイトルは「訪れ」。脚本を読むにつれ、エンリケに少年時代の哀しみの記憶が蘇(よみがえとルビ)る。
そこには彼らの少年時代の引き裂かれた悲劇が描かれていたのだ。

天使のような声、真紅の唇、澄んだ瞳。少年時代のイグナシオ少年は聖歌隊に属し、寄宿学校の教師であるマノロ神父の一番のお気に入りの生徒だった。イグナシオは自由な思想を持つエンリケ少年にひかれ、二人は一途に恋心を抱くようになる。
しかしマノロ神父はイグナシオを愛するあまり、二人の関係を邪推しエンリケを退学処分にしようとする。エンリケを救うためにイグナシオはマノロ神父に誓う「エンリケのためなら僕を…」。しかしエンリケの退学が決定。イグナシオの心は神も愛も失った…。

 脚本を読み終えたエンリケは、台本に込められた想いに呼応するかのごとくすぐにイグナシオに映画化を約束。急速に接近する二人。
しかし共通の思い出が符号しないなど、どうしても少年時代のイグナシオと目の前にいるイグナシオが同一人物だとは思えず、二人は決別する。事実を確かめようとイグナシオの故郷を訪ねたエンリケは、そこでイグナシオの死の事実を知る。ではいったいあのイグナシオを名乗る青年は誰なのか。イグナシオがエンリケに宛てたが届かなかった手紙に涙するエンリケ。「彼らに復讐するときが来た。これは僕たちの物語だ」。

数日後、再びエンリケの前に姿を現した“イグナシオ”は、主役のサハラ役のオーディションを受けさせてほしいと懇願する。
女装のサハラの役作りのためウエイトを減らし、妖しいまでの美貌にさらに磨きがかかったイグナシオ。エンリケは彼がイグナシオでないことを知りながら彼の申し出を受け入れ、同時に、彼を愛人にする。イグナシオの名を語るアンヘルの真の狙いは何なのか、16年前に別れ別れになった後、イグナシオに何が起きたのか、彼は最後に何を伝えたかったのか。映画化を心から望んで死んだイグナシオの真実を探るため、エンリケは自らの身を危険なゲームの中に投じていく。

 映画『訪れ』の撮影が始まる。希望通りサハラ役を得た“イグナシオ”は熱演を見せるが、彼の真意は謎のままだった。
クランクアップの日、撮影現場でエンリケはベレングエルと名乗る男(ルイス・オマル)の訪問を受ける。彼こそはかつてエンリケとイグナシオの仲を引き裂いたマノロ神父の現在の姿だった。そして彼は、“イグナシオ”が隠していた驚くべき真実を語り始める…。
果たしてエンリケはイグナシオの真実を知ることができるのか。そしてイグナシオを語る青年は?イグナシオの最後の願いとは?

スタッフ

監督・脚本・製作:ペドロ・アルモドバル
製作:アグスティン・アルモドバル
製作総指揮:エステル・ガルシア
音楽:アルベルト・イグレシアス
撮影:ホセ・ルイス・アルカイネ
編集:ホセ・サルセド
美術:アントソン・ゴメス
衣装:パコ・デルガド、ジャン・ポール・ゴルチエ

キャスト

イグナシオ/アンヘル/サハラ:ガエル・ガルシア・ベルナル
エンリケ・ゴデ:フェレ・マルチネス
パキート:ハビエル・カマラ
モニカ:レオノール・ワトリング
マノロ神父:ダニエル・ヒメネス・カチョ
ベレングエル氏:ルイス・ホーマー
母:ぺトラ・マルチネス
イグナシオ(少年時代):ナチョ・ペレス
エンリケ(少年時代):ラウル・ガルシア・フォルネイロ

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