原題:Beyond the Sea

2004年12月10日アメリカ公開

2004年/アメリカ/カラー/121分/ 配給:ギャガ・コミュニケーションズ

2005年2月26日、シネスイッチ銀座他にて拡大ロードショー

公開初日 2005/02/26

配給会社名 0025

解説


本年度アカデミー賞最有力!

ショー・ビジネス界を駆け抜け、37歳で夭逝した、天才エンターテイナー、ボビー・ダーリン。
彼のその華麗で激しすぎる生涯を描いた傑作エンターテイメント・ムービー。
いよいよ伝説のショーの幕が上がる。

心臓を病み15歳までしか生きられないと診断された少年ボビーは、貧しいブロンクス生まれの少年は母親によって音楽と出会い、生きる力を得る。温かい家族の保護のもと、めきめきと音楽の才能に目覚めていくボビー。「25歳までに伝説になる」、持ち時間が少ないことを知る少年はそう心に決め、フランク・シナトラを超えるスターを夢み、ショウビジネスの世界へと足を踏み入れた。栄光と挫折を味わいながらも、ショー・ビジネス界の頂点へとかけあがる彼の短い生涯が、「マック・ザ・ナイフ」「ビヨンド・ザ・シー」ほか数々の名曲と華麗なステージと共に今、甦る。

2度のアカデミー賞に輝くケヴィン・スペイシーが制作、監督、主演の3役を努め、10年以上かけ映画化を実現させた念願のプロジェクト。入魂の役作りでボビーの心を写しとってみせたばかりか、20曲のナンバーを自ら歌いこなし、当時の彼を知る人々からも文句なしの演技と驚き、賞賛を浴びた。
「他の仕事をしていても、心はいつもこの映画にあった」そう語るケヴィン・スペイシー。エンターテインメントであることにこだわりぬいて作った本作のもう一つの主役は音楽である。
当時の時代の空気を忠実に伝える迫力のヒットナンバーたちは冒頭のイントロからいきなり観客の心を掴み、まさに全編をスウィングさせる。

当時ボビーと電撃結婚したトップアイドル、サンドラ・ディーに扮するのは今最も旬な女優の一人である、「ブルークラッシュ」のケイト・ボスワース。その他ブレンダ・ブレッシン、ジョン・グッドマン他豪華演技派俳優人たちがこの特別なプロジェクトを成功させるべくオファーを快諾、しっかりと脇を固める。少年時代のボビーを演じるのは11歳にしてブロードウェイで4年のキャリアを誇るウィリアム・ウルリッチ。また、2003年のデビュー・アルバムでいきなりチャート1位を獲得した21歳のシンガー/ピアニスト、ピーター・シンコッティがボビーのアレンジャーとなるディック・バークを演じている。

今も語り草となっているボビーの華麗なステージはもちろん、50年代〜70年代へと移り変わっていくカルチャーの見事な再現も本作の大きな魅力である。ドイツの由緒あるバベルスベルグ撮影所でのセット撮影と、ベルリンでのロケ撮影では、超一流スタッフがスペイシー監督を強力にバックアップした。撮影監督は『鳩の翼』『真珠の耳飾りの少女』でアカデミー賞に2度ノミネートされているエドゥアルド・セラ。プロダクション・デザイナーは『フォン・ブース』のアンドリュー・ローズ。編集は『ウェルカム・トゥ・サラエボ』などのマイケル・ウィンターボトム作品で知られるトレヴァー・ウェイト。『アダムス・ファミリー』『Emma エマ』で二度アカデミー衣装デザイン賞にノミネートされているルース・マイヤーズは、40年代のクラシックな衣装から、60年代ハリウッドのエレガントな世界、70年代のヒッピー・ファッションまでをデザインしてみせた。ダンスシーンの振付を担当したのは「モダン・ミリー」のリバイバル公演で2002年トニー賞を受賞したロブ・アシュフォード。またグラミー賞をのべ9回受賞している音楽業界で最も尊敬を集めているプロデューサー、フィル・ラモーンが、ボビー・ダーリン音楽を忠実に再現するという困難な仕事を引き受け、素晴らしい成果をあげている。製作はアカデミー賞3部門にノミネートされた『真珠の耳飾りの少女』を手がけたアンディ・パターソンがあたっている。

ストーリー



音楽との出会いが病弱な少年の人生を変えた。
生涯をスイングし続けることでショービズ界の頂点にのぼりつめたある天才の真実の物語。

リウマチ熱のために心臓を傷め、15歳まで生きられないと診断された7歳の少年、ボビー。
ブロンクスの貧しい家庭でボビーは、母ポリー(ブレンダ・ブレッシン)、年の離れた姉ニーナ(キャロライン・アーロン)、その夫チャーリー(ボブ・ホスキンス)に囲まれた暖かい愛情のもと育つ。 そんなある日、彼は若い頃に歌手だったポリーの薦めで、音楽との運命的な出会いをとげる。彼は様々なジャンルの音楽をまたたくまに吸収、その驚くべき才能を開花させていく。

成長し青年になったボビーは、生涯の親友となるマネージャーのスティーヴ・ブラウナー(ジョン・グッドマン)、高校時代からのバンド仲間ディック・バーク(ピーター・シンコッティ)、そして付き人を買って出たチャーリーとともに、ニューヨークで本格的にプロの道を目指すようになる。1958年。ボビー・ダーリンという芸名を名乗るようになってから間もなく、自作の“スプリッシュ・スプラッシュ”が大ヒットを記録し、彼は最初の成功を手に入れる。だが、ティーン・アイドル歌手というだけでは、ボビーは満足しなかった。彼とポリーの目標はフランク・シナトラを超えることだったのだ。“マック・ザ・ナイフ”でグラミー賞を受賞したことで、ボビーはその目標に大きく近づくが、ポリーは彼の晴れ姿を見ることなく、この世を後にする。

1960年、ロック・ハドソン主演の映画『九月になれば』に出演するため、ロケ地イタリアへ向かったボビーは、撮影現場で出会った16歳の映画スター、サンドラ・ディー(ケイト・ボスワース)にたちまち夢中になる。ふたりはサンドラの母親メアリー(グレタ・スカッキ)の強い反対を押し切って、その年の12月に結婚。ボビーとサンドラはハリウッドの夢のカップルとして世間の注目を大いに集めた。結婚後も二人のキャリアは順調に推移、特にボビーは念願であった最高級クラブ、コパカバーナのステージも遂に踏み、ショービジネス界の頂点へとかけのぼっていった。

しかし、1960年代後半、時代は劇的に変化した。米国がヴェトナム戦争に突入したのだ。時代の機運は一気に政治一色となっていく。
ボビー自身もいつしか、音楽との距離が空き政治運動に傾倒していく。そんなある日、ボビーはニーナから自分のルーツにまつわる衝撃的な事実を告げられ深く傷つく。今まで生きてきた自分の根本を否定されたショックに打ちのめされたボビーは、家も仕事も捨て、ひとり世捨て人のようにトレーラー暮らしを始める。そんな彼に助け舟を出したのはチャーリーだった。彼を再びステージにあげるべく動いたのだ。
ところがボビーはひとりよがりな反戦フォークソングとともにコパカバーナに復帰。当然、客はそんなボビー・ダーリンを求めてはいなない。親友のスティーヴさえもが、変わり果てた彼のもとを去ってゆく。

人生の時間切れが迫り自分をみつめなおしたボビーはようやく、彼にとってかけがえのないものの存在に気づく。ニーナ、チャーリー、スティーヴ、サンドラ、息子のドッド・・・。そしてなによりも人々をスイングさせる最高のエンターテイメントミュージック! ボビーは再びステージを目指し新たな挑戦に向かう。そして喝采が聞こえ始める・・・。

スタッフ

監督/制作 : ケヴィン・スペイシー
脚本 : ルイス・コリック & ケヴィン・スペイシー
制作 : アンディ・パターソン 
撮影監督 : エドゥアルド・セラ
美術 : アンドリュー・ローズ
編集 : トレヴァー・ウェイト
衣装 : ルース・マイヤーズ
振り付け : ロブ・アシュフォード
音楽プロデュース : フィル・ラモーン
音楽監督 : ジョン・ウィルソン
演奏 : ケヴィン・スペイシー&ジョン・ウィルソン・オーケストラ

キャスト

ボビー・ダーリン : ケヴィン・スペイシー
サンドラ・ディー : ケイト・ボスワース
スティーブ・ブラウナー : ジョン・グッドマン
チャーリー・カソット・マフィア : ボブ・ホスキンズ 
ポリー・カソット : ブレンダ・ブレッシン
メアリー・ドゥバン : グレタ・スカッチ
ニーナ・カソット・マフィア : キャロライン・アーロン
ディック・バーク : ピーター・シンコッティ
リトル・ボビー : ウィリアム・ウルリッチ

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