映画化不可能と云われた禁断のサイコ・ホラー巨編!!

2004年/日本/カラー/92分/ビスタ/ドルビーSR 配給:アムモ

2005年04月29日よりビデオリリース 2005年04月29日よりDVDリリース 2005年3月12日、大阪シネ・ヌーヴォにてロードショー 2005年2月12日、渋谷UPLINK Xにてロードショー

公開初日 2005/02/12

配給会社名 0376

解説



 原作は、「呪怨」「呪怨2」のノベライズなどで知られる、ホラー小説界のヒットメーカー・大石圭の書き下ろし最新作「湘南人肉医」(角川ホラー文庫刊)。カニバリズムという題材と刺激的な描写が話題を呼んで、’03年11月の発売以来5万部を超えるベストセラーとなっている。そのあまりのショッキングな内容から映画化は不可能といわれてきたが、世界的なジャパニーズ・ホラーブームを生み出した日本映画界と、“人肉饅頭”シリーズなどで知られる香港映画界がタッグを組み、禁断のプロジェクトを実現させた。
 作者の大石圭は、「履き忘れたもう片方の靴」(河出書房新社)で第30回文藝賞佳作を受賞。「死者の体温」「アンダー・ユア・ベッド」「殺人勤務医」「自由殺人」(以上角川ホラー文庫)などでホラー小説界屈指のヒットメーカーになった著者のオリジナル作品としては初の映画化となる。近年は大ヒット映画「呪怨」「呪怨2」、韓国ホラー映画「4人の食卓」のノベライズでもベストセラーを連発しているだけに、まさにすべてのホラー・ファンにとって待望の映画化と言えよう。
 監督・脚本は、自主制作作品「レイズライン」で’02年みちのく国際ミステリー映画祭オフシアター部門グランプリ&観客賞をW受賞後、’03年にヒット作「自殺マニュアル」で衝撃的なデビューを飾った福谷修。「レイズライン」では中央線の自殺を、「自殺マニュアル」では観る者を自殺へ誘うDVDを、脚本&小説作「渋谷怪談」では増殖する都市伝説を題材に、“新感覚ホラー”の旗手として脚光を浴びてきた彼が、映像化不可能といわれた人気原作と豪華キャストを得て、「自殺マニュアル」を超える戦慄の映像体験へと観客を誘う。ホラー小説ファンの間でもセンセーショナルな話題を呼んだ原作のカニバリズム描写の衝撃のビジュアル化はもちろん、原作とは異なるサプライズ・エンディングをはじめ、映画ならではの多彩なショッキング・シーンを満載して、ホラー映画界に新風を巻き起こす。
 監修と、原作にはない香港パートの演出を手がけるのは、「孔雀王」「RIKI-OH 力王」「帝都大戦」(総監督)などで日本にもファンの多い、香港の鬼才ラン・ナイチョイ(藍乃才)。中国返還後カナダへ移住していた彼が香港映画界に復帰し、初の演出作となった。九龍、光州、新界などで大々的なロケーションを敢行、スリリングなホラー演出で、福谷監督と見事なコラボレーションを見せる。
 撮影監督は、「地雷を踏んだらサヨウナラ」「11’09”01 セプテンバー11」「八月のかりゆし」「またの日の、知華」の岡雅一。「自殺マニュアル」に続いて福谷監督と強力タッグを組む。
 香港パートの撮影は、香港で多数の作品を手がけたほか、サム・レオン監督作品「完全なる飼育 香港情夜」で日本でも知られるフォン・ユン・マン(馮遠文)。

 “神の手”を持つ整形外科医・小鳥田優児役に、「荒ぶる魂たち」「許されざる者」「魔界転生」「荒神」など、現在最も脂が乗っている国際派俳優・加藤雅也。世界的に活躍するトップスターであり、徹底した役作りで知られる彼が、日本ホラー映画史上類を見ないピカレスクヒーロー像に意欲的に取り組んだ。 優児と対峙する立花刑事役に、日本映画を代表する名優・松方弘樹(特別出演)。俳優・プロデューサー・監督として豊富なキャリアを持つ彼が、初のホラー出演で、観客の予想を覆す圧巻の演技を魅せる。 優児の妖しい魅力の虜になっていく美女たちの顔ぶれも豪華である。優児の過去を知る美貌の女医・加奈子役には、’02年に宝塚歌劇団花組トップの座を惜しまれつつ退団した匠ひびき。その後は舞台のみならず「八月のかりゆし」等でスクリーンにも活躍の場を広げているが、映画では初のヒロイン役。狂気の医師に愛される難役に挑み、新たな魅力を見せている。優児と香港で運命的な出会いを果たす謎の美女・クリスティに、映画・TV・CM等で人気のスーキー・リー(李思蓓)。抜群の存在感と妖艶な魅力が、香港パートをミステリアスに彩る。 優児の“作品”である整形美人の受付嬢・ルミ役に、「自殺マニュアル」で陰のある女子高生を好演した前田綾花。映画「BORDER LINE」「夢なら醒めて」「油断大敵」「2番目の彼女」や、ドラマ「愛のソレア」のヒロインなど、話題作に起用される度違った一面を見せてきた若手実力派が、一途に思いを遂げようとする女性像を鮮烈に好演。 優児の生贄となる美貌のOL・亜美役に、「呪怨(ビデオ版)」「死びとの恋わずらい」「発狂する唇」「いきすだま(生霊)」などの代表作で人気の日本のホラークイーン三輪ひとみ。冒頭から繰り広げられるショッキングなシーンと特殊メイクはファンならずとも必見である。 もう一人の整形美女・優児を誘惑するレポーターの沙希役には、TV等で活躍中の原史奈。「GUN CRAZY Episode4 用心棒の鎮魂歌」「渋谷怪談」をはじめ映画女優として急成長を見せる彼女が、二面性を持ったキャラクターを巧みに演じている。 立花とコンビを組む下田刑事役に「かまち」「スクールウォーズ〜HERO・泥だらけの栄光〜」の小林且弥、TVディレクター役にTV「笑っていいとも」でお茶の間の人気者となり、「昭和鉄風伝 日本海」「ハート・オブ・ザ・シー」などに出演の神田利則、優児の同級生にしてライバルの幹也役に「実録・北九州ヤクザ戦争〜侠嵐〜」「AYA」の松田優(友情出演)と、これ以上ない豪華な顔ぶれが実現した。

ストーリー



 湘南で整形外科医として働く小鳥田優児(加藤雅也)は、“神の手”と称されるほどの名医。数々の難手術を成功させ、多くの女性を見違えるほどの美人に変貌させていた。TVレポーターの沙希(原史奈)やクリニックの受付嬢ルミ(前田綾花)も彼の“作品”だった。
彼の高級マンションにTV局の取材が訪れ、その独身貴族ぶりと華麗な朝食風景を紹介する。冷蔵庫から取り出した生肉を手際よく調理する優児。貴重な肉を特別なルートで入手しているという。沙希は未知の味覚に舌鼓を打つが…
その夜。優児は横浜のバーでOLの亜美(三輪ひとみ)をナンパし、自宅に招き入れる。幻想的なムードに酔う彼女に「君が食べたい」と決まり文句を囁き、刃物を振り下ろして首を切断する。浴室の切断具で解体された遺体は食肉の部位と化した…

 かつての優児は、生まれつき左足に障害があったせいもあり、内向的でコンプレックスの塊のような男だった。何事にも満たされないものを感じていた彼は、大学でも劣等生で、憧れの同級生・加奈子(匠ひびき)の父親が経営するクリニックにお情けで就職させてもらう。
ある時、優児は手術で吸引した女性の臀部の脂肪を持ち帰り、衝動的に食べてしまう。麻酔が施されていたため苦く、美味しいものではなかったが、タブーを破ったことに対して彼は強いエクスタシーを感じ、初めて満たされたと感じる。以来、彼は限られた脂肪とサプリメントだけを摂取するようになり、その肉体は絞り込まれ、感覚は研ぎ澄まされていった。
 しかし次第に脂肪だけでは満足できなくなった優児は、本物の人肉を食べてみたいと思うようになる。そんな時、たまたま海辺の森の中で首吊りした女性の死体を発見し、それを自宅に持ち帰って解体する。彼は人肉を食べることで何事にも自信を深め、整形外科医としての才能を発揮し始める。やがて人々は優児をゴッドハンドと呼び、カリスマ視するようになる。
 同時に、優児は人肉を食べる素晴らしさを多くの人と共有するため、匿名でつづった架空の「食人日記」としてネットで公開。リアルな描写がカルト的な人気を呼ぶ。彼に人肉料理を振舞われた加奈子も、肉の正体を知らずにその味の虜になり、二人はセックスを楽しむ関係になる。
もっと女性の肉が食べたい。香港で開かれた学会に出席した優児は、中国のある町を訪れる。そこでは人肉料理が食べられるという噂がネットを駆け巡っていた。
彼は謎の美女クリスティの案内で、秘密クラブの会合に出席する。闇社会の大物や富豪が酒を飲みながら談笑する中、壇上に美女が登場し、男が刀でその首をあっけなく切り落とす。驚く優児に、クリスティは2万ドルを払えば自分を食べてもいいと囁く。“契約”を交わした優児は彼女を殺害し、生首を鑑賞しながら人肉料理のフルコースを味わった。

 一線を越えてしまった優児は、帰国後、肉がなくなるたびに殺人を繰り返し、手口も巧妙になっていく。
ある日、優児は加奈子に妊娠したことを告げられるが、彼の子かどうかはわからず、学生時代の恋人でクリニックの同僚・幹也(松田優)と結婚するという。優児は祝福の言葉を捧げるとともに、“とっておきの肉”を披露宴に提供することを約束する。
 一方、多発する美女失踪事件に対して、遂に警察が動き出す。優児の元患者が失踪したこともあり、警視庁の立花刑事(松方弘樹)は優児に接触し、意見を求める。自分にも捜査が及ぶかもしれないと優児は警戒するが、そんな時、彼が人肉愛好家であることを知っているような匿名の脅迫メールが届く。いったい誰が…? 優児の周辺で大きな何かが動き出そうとしていた…!

スタッフ

監督・脚本:福谷修
原作:大石圭「湘南人肉医」(角川ホラー文庫)
香港パート監修:ラン・ナイチョイ

キャスト

加藤雅也
三輪ひとみ
匠ひびき
前田綾花
原史奈
松方弘樹

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