2005年/日本/83分/DV作品/カラー 配給:スローラーナー

2007年08月24日よりDVDリリース 2005年10月8日より渋谷シネ・ラ・セットにてロードショー

公開初日 2005/10/08

配給会社名 0048

解説


ココロの扉を開く鍵、見つかった?

美沙子は雨の日、鍵をなくしてしまいます。
携帯の電源も切れ、街をブラブラ歩いたり、カフェで時間をつぶしたり…。ふと周りを見渡すと、うだつのあがらない男に別れを切り出すOLやちっとも売れないミュージシャンなど、様々な悩みを持った人たちに出会います。
そんな美沙子にも悩みがありました。別れた彼、良介が忘れられないのです。
良介に鍵を預けたままになっていたことを思い出した美沙子は、思いきって彼に電話をし、家の前まで行くのですが、どうしてもインターホンが押せません。なぜなら中には良介と新しい彼女がいるから…。この恋を引きずっているのは私だけ?
美沙子は家の鍵だけでなく、押さえていた“気持ち”を探しながら、夜の街を彷徨うのです。
はたして美沙子は、自分の心を開く“鍵”を見つけることができるでしょうか?

“ケンタッキーフライドチキン”シリーズのCMなどを手がける山田英治監督、劇場デビュー作!
つぐみ、大森南朋など実力派が一同に揃い、
下北沢を舞台に繰り広げられる恋愛群像ストーリー

鍵をなくしてから見つかるまでの一夜を描いた『鍵がない』。
監督は、CMプランナーとして“ケンタッキーフライドチキンシリーズ”や“スズキ アルト”などを手掛けている山田英治監督。
映画も精力的に制作し、すべての作品が国内の映画祭で受賞している実力派が、満を持しての劇場公開デビューである。監督独自の世界観は、見る人を安らかな気持ちへと誘ってくれる。
その世界観をよりいっそう高めているのは、主役美沙子を演じるつぐみ。確かな演技力で、別れた彼が忘れられない、微妙な心情を見事に演じ切っている。また、山田組常連の大森南朋が、一度結婚に失敗している子持ちの父親、良介役を熱演。脇を固めるのは、良介の新しい彼女典子役に、最近は女優としても活躍めざましい目黒真希。美沙子が出会う悩み多き人々に、『仮面ライダー-THE FIRST-』で主役を演じる高野八誠や、映画出演作めじろおしの藤真美穂。最近は俳優としても活躍中のyes,mama,ok?のボーカル、金剛地武志や、日本映画にはかかせない俳優、光石研など、若手からベテランまでバラエティに富んだ個性的な面々が勢ぞろいしている。
主題歌はこの秋活動を再開する空気公団が担当。独特の世界観が作品と相まって、本作をより幻想的な世界へと誘ってくれる。劇中歌の「やさしい朝」は監督が作詞したものをヴォーカルの山崎ゆかりが作曲したオリジナルソングになる。

ストーリー

ある雨の日、美沙子(つぐみ)は電車を降りると雨が降っていました。駅の階段で雨宿りしていると、一年前に別れた彼の事を思い出します。

「傘、ないんですか?」
彼、良介(大森南朋)の為に傘を持ってきた娘、日菜(小栗万優子)が声をかけてきました。美沙子は日菜の傘を借り、3人で一緒に帰ったのでした。

それが出会い。

今の美沙子には、差し伸べられる傘はありません。雨に打たれながら、あの日、一緒に帰った道を走りながら帰る美沙子。

家の前に着き、鍵を開けようとすると、家の鍵がありません。
開けてもらおうと修理屋さんに電話をするのですが、夜は作業ができないからと断られるし、友達にも連絡がつかない…。

しょうがなくカフェに入ってご飯を食べていると、隣のテーブルに別れ話を切り出すOL、まゆ(藤真美穂)とかっこいいけどうだつのあがらなそうな淳(高野八誠)がいます。思わず聞き耳をたてる美沙子。そのとき、良介に家の鍵を預けていたことを思い出すのです。

美沙子はまだ、良介の事が忘れられません。

携帯の電源も切れてしまい、鍵をきっかけに思いきって公衆電話から良介に電話する美沙子。でも、その場には良介の新しい彼女、典子(目黒真希)がいるのでした。
とっさに「彼氏のところに泊めてもらうから大丈夫」と嘘をついてしまう美沙子。電話を切った後、あてもない美沙子はまたとぼとぼと歩き始めます。

人気のなくなった商店街には売れないミュージシャン、斉藤(金剛地武志)がいます。座り込んで動かない美沙子に曲をプレゼントするのですが、美沙子は上の空でその場を立ち去ってしまいます。その横にはまゆがいました。斉藤の曲を聴いて勇気づけられるまゆ。

良介の家に向かうバス停に、カフェにいた淳が座っています。美沙子も座り、落とした100円玉をきっかけに話をしようとしたのですが、彼の目の前にはまゆが。美沙子の100円玉を持ったまま二人は夜の闇に消えていきます。

またひとりぼっちになってしまった美沙子の目の前をバスが通り過ぎます。そのバスに思わず乗り込んでしまう美沙子。お客さんは美沙子だけ。バスの運転手、河島(光石研)はなぜか美沙子の心情を理解していて、良介の家まで連れて行ってくれました。

良介の部屋の前まで行く美沙子。インターフォンを押そうとすると、中からいいにおいが。
「今頃3人で楽しく食事をしているんだろう…」
そう思うと、恐くて押せません。その場を立ち去ってしまう美沙子。

その頃、日菜は寝かそうとする良介に向かって、「みさちゃん、ひなのママになってくれるっていってたのに」と言います。実は良介は美沙子にプロポーズしたのですが、曖昧にされ、それがきっかけで別れたのです。
日菜が言った言葉が気になってしょうがない良介。典子は良介の動揺に気がついていました。

結局バスに戻ってきた美沙子。河島は優しく迎えてくれます。そして河島の「人生の後悔」を聞くのです。

「みんな、悩みをかかえて生きているんだ」

バスを降りた美沙子はまた、歩き始めます。しかし、さっきまで迷っていた気持ちはいつの間にか消えつつありました。

公園でジュースを買おうと財布を開けると、その中に家の鍵が。朝を迎えた美沙子の気持ちは、まるで晴れた空のように澄み切っていたのです。

それぞれ悩みを抱えていた人たちにも朝はやってきました。いつもの朝。でも、いつもとは確実に違う朝。

「わたし、もうだいじょうぶだから」

良介はもう一度やり直すために美沙子に逢いに行きます。
長い長い夜が空け、新しい朝が美沙子と良介の間にもやってきました。

スタッフ

脚本・監督:山田英治

エグゼクティブ・プロデューサー:
狩野善則 松本正太郎 篠田学 篠原直
プロデューサー:福田昌史 久保田恭之
宣伝プロデューサー:越川道夫
ライン・プロデューサー:Sebastian
製作コーディネート:川口幸男
音楽プロデューサー:野口時男
音楽:川嶋可能
プロダクション・マネージャー:有川潤
撮影監督:柳橋伸幸
照明:米井章文
照明チーフ:菊地芳彦
録音/ミキシング:小牧修二
サウンド・エフェクト:林穀史 鈴木慎介
美術監督:福澤裕二
特機・大道具:荒川寅雄 佐々木健一 佐藤浩行
装飾:中野美緒
衣装:渡辺貴子
ヘアメイク:高橋良子
編集:飯嶋宏樹
助監督:西安健
監督助手:田嶌直子 山崎匡紀
特殊効果:林剛志
カラーリスト:沖野好常
カラーリスト助手/英語字幕:笈川麦
オンライン:大豆生田祐治
「なめくじキャサリン」CG:広塚江里
スチール:柳橋伸幸 田嶌直子 小松正幸
タイトル:伊勢山暁子
WEB作成;長塚佐和子
セキュリティー:大堀勉 西村直高
車両:有限会社タイレル 坂倉靖 松本慎太郎
   倉田伊豊 杉浦友彦 山下健太郎

主題歌:「やさしい朝」
作詞:山田英治 作曲:山崎ゆかり
演奏:空気公団+山本隆太(ピアノ)
recorded and mixed by 沖山俊

「暮らし」
作詞/作曲:山崎ゆかり 編曲:空気公団
プロデュース:空気公団
演奏:空気公団+太田宏司(ドラム)
recorded and mixed by 戸川由幸

挿入歌:「ミッシング・ハピネス」
作詞:山田英治 作曲:川嶋可能
演奏:金剛寺武志 

「行かねば娘」
作詞:山田英治 作曲:川嶋可能
Vo:MAGUMI
Unscandal:スズーキタカユキ(Trp)
      鳥井”Funk” Jr. (Sax)
      佐藤ガジロー (Trb.)
      ジャッキー天野(Dr.)
      Kozzz (G.)
      ハカマカンペー (B)

製作:Breath 博報堂フォトクリエイティブ NMLエンタテインメント 三ノ橋映像 井の頭映画社
配給・宣伝:スローラーナー

キャスト

村上美沙子:つぐみ

沢木良介:大森南朋


沢木日菜:小栗万優子

磯部典子:目黒真希

北村淳:高野八誠
前島まゆ:藤真美穂

斉藤直之:金剛地武志
スカウトマン:加藤淳
中年の通行人:川屋せっちん
川村亜紀
太田千晶

川端麻祐子
斎藤亜希子
紀伊修平
村上賢誠
村上千歳

マラソンマン:松田賢二

フクダマ・シッダルーダ
原繭子
MAGUMI(Vo)
Unscandal:スズーキタカユキ(Trp)
鳥井”Funk” Jr. (Sax)
佐藤ガジロー(Trb.)
ジャッキー天野(Dr.)
Kozzz (G.)
ハカマカンペー (B)


河島省吾:光石研

◆声の出演

斎藤の母 山田美智江
鍵業者 篠田学
サッチ 田嶌直子
バス・アナウンス他 吉澤智子
◆エキストラ
〈下北沢駅前〉
金子巨樹 小松正幸 田口幹也 郡司掛雅之 武重裕子
藤村ちか 松山友紀子 米山実穂子 カマチ チョップ
細谷潤 Kayo 鎌形裕子 那須宏美
〈アッドカフェ〉
永口紗也香 渡辺貴子 高橋良子 三宅篤志

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