原題:The Manchurian Candidate

真実か?フィクションか? アメリカを揺るがす、恐るべき陰謀が動き始めていた…

2004/USA/130min/カラー 配給:UIP映画

2005年12月16日よりDVDリリース 2005年07月22日よりDVDリリース 2005年07月22日よりビデオリリース 2005年3月26日、ユナイテッド・シネマとしまえんにてロードショー

公開初日 2005/03/26

配給会社名 0081

解説



『羊たちの沈黙』でアカデミー賞を総なめにした鬼才、ジョナサン・デミが、自ら“もう一つの『羊たちの沈黙』を作るために製作に着手した”と語る衝撃のサイコロジカル・スリラー、それが『クライシス・オブ・アメリカ』である。
ハンニバル・レクターよりも危険な存在が、すでにアメリカを犯し始めている……
静かに、時間をかけ、巧妙に。
1991年、湾岸戦争の戦場でその計画は始まった。
標的はホワイトハウス。大統領選の熱狂を背景に、マインド・コントロールの恐怖が浸透していく。
そして、目的が達せられた時、世界はかつてない衝撃に震憾する!!
マルコ少佐(デンゼル・ワシントン)は毎夜、湾岸戦争の悪夢にうなされていた。
軍の記録ではクウェートの砂漠地帯で襲撃された部隊をひとりの男が救ったと記されている。
だが、あの〈英雄〉(リーヴ・シュレイバー)の活躍は本当の出来事だったのだろうか?マルコの〈記憶>と、心の片隅から呼びかけてくる〈悪夢のような記憶〉は、いったい何を意味しているのだろうか……?
湾岸戦争の〈英雄>。メディアはその活躍をたたえ、市民も熱狂する。やがて〈英雄〉は副大統領候補として脚光を浴び始める。後押しをするのは上院議員をつとめる母親エレノア(メリル・ストリープ)。彼女は政界で絶大な影響力を持ち、息子を溺愛していた。
一方、周囲からは誇大妄想という烙印を押されたまま、マルコはたった一人、謎を解き明かそうと立ち向かう。そして彼は、ついにある巨大企業の存在に気付くのだった。だが…。
脚本を読んで出演を即決したのはアカデミー賞俳優、デンゼル・ワシントン(『ジョンQ』『トレーニング・デイ』)、とメリル・ストリープ(『ミュージック・オブ・ハート』『めぐりあう時間たち』)。圧倒的な演技力、存在感を持つふたりに加え、母親に服従し、副大統領候補への道を歩む〈英雄〉レイモンド・ショー役にリーヴ・シュレイバー(『ニューヨークの恋人』『トータル・フィアーズ』)。メリル母子の前にたちふさがる上院議員役にジョン・ヴォイト(『アリ』『パール・ハーバー』)。マルコ同様、湾岸戦争の悪夢におびえる兵士役に『バスキア』以降、カルト的な注目を集めているジェフリー・ライト。マルコに手を差し伸べる正体不明の女性にキンバリー・エリス(『ジョンQ』)、ほかテッド・レヴィン(『羊たちの沈黙』の犯人役!)、『ベルリン・天使の詩』のブルーノ・ガンツ、『ロボコップ』のミゲル・フェラーなどクセ者、注目株が揃っている。
撮影は『羊たちの沈黙』『フィラデルフィア』とデミ作品には欠かせない名匠、タク・フジモト。全編を覆う不気味なメロディを奏でる音楽は、アカデミー受賞作品『Emmaエマ』ほか『サイダーハウス・ルール』『ショコラ』のレイチェル・ポートマン。脚本は『トータル・フィアーズ』のダニエル・パインと、『M:I-3』のディーン・ジョーガリスの二人。プロデューサーには、『スクール・オブ・ロック』他、話題作を次々と放つスコット・ルーディンと、1962年版“The Manchurian Candidate”(『影なき狙撃者』)の主演であり、後にこの映画の権利を取得した故・フランク・シナトラの娘、ティナ・シナトラが名を連ねている。

ストーリー



1991年クウェート。合衆国陸軍大尉ベネット・マルコ(デンゼル・ワシントン)率いる歩兵部隊は夜間、敵の奇襲を受ける。英国人ガイドのトーカー(ロビン・ヒッチコック)が安全を請け負ったルートだったのだが、襲撃を受けた部隊は大混乱におちいり、マルコは後頭部に一撃を受け気絶してしまう。
「怖かったですか?」少年の質問に我に返るマルコ。マルコの部隊は、たったひとり敵に立ち向かったレイモンド・ショー軍曹(リーヴ・シュレイバー)の英雄的な働きで無事に生還した。湾岸戦争後、いまや少佐に昇進したマルコは戦闘の様子をボーイ・スカウトの少年たちに講演しているのだった。講演を終えたマルコに、当時の部下だったアル・メルヴィン(ジェフリー・ライト)が話しかけてくる。憔惇しきったメルヴィンは“戦闘の悪夢を見る、湾岸戦争で起きたことはどこかおかしい”と相談しに来たのだがマルコは「医者に行け」と冷たく突き放す。
一方、〈英雄〉として帰還し栄誉ある〈銀星勲章>を受章したレイモンドも欝屈した人生を送っていた。
帰還後下院議員として政界入りを果たしたレイモンドだが、ネクタイの柄から演説の仕方まで、すべて母親のエレノア・プレンティス・ショー(メリル・ストリープ)の言いなりだった。大物上院議員であるエレノアはあまり乗り気ではない息子レイモンドを副大統領候補にするよう、党の要人を説得してしまうのだった。
党大会を目前に控え、若手ながら一躍副大統領候補に躍り出たレイモンドの演説がTVで報道されている。マルコは愚りつかれたかのようにレイモンドを見つめていた。誰かに聞かれれば「彼は勇気と思いやりがある素晴らしい男だ」とスラスラと口をついて出る。だが、それは彼だけでなく、戦友全員に共通していた。それ以前の心象は必ずしも一致していなかったのに、一体何故?あの夜、本当は何が起きたのか?軍の〈記録〉とは違う個人的な〈記憶>が不可解な悪夢となってマルコの脳裏によみがえるのだ。悪夢に悩む部下を追い返したマルコだが、彼が描きなぐったスケッチとまったく同じ光景にマルコも悩まされていたのだった。手術室のような光景や、不気味な刺青をした女の顔。そして穏やかな笑顔を浮かべ、何者かの指示に従って仲間に銃口をむけるレイモンドの姿…。だが、どんなにリアルな夢の中の出来事を主張しても、軍の上層部からは湾岸戦争の後遺症だ、薬物療法を続けるようにと指示されるだけであった。
そんな折、マルコは自分の身体にまったく覚えのない金属片のようなものが埋まっていることに気づく。
動揺したマルコは取り出した小さな金属片を流しに落としてしまうのだが、自分の〈記憶〉が何者かに操作されているのではないか、という疑いはもうとめられなかった。
意を決したマルコは真相を確かめるべくレイモンドに直接会おうと決意する。セキュリティ・スタッフに固くガードされたレイモンドに必死に訴えかけるマルコだったが、そのマルコを執拗に追うカメラのレンズがあった…。
そして、核心に近づいたマルコを待ち受けていたのは、彼の想像を遥かに超えた、恐ろしい〈真実〉だった!!

スタッフ

監督:ジョナサン・デミ
製作:ティナ・シナトラ
   スコット・ルーディン
   ジョナサン・デミ
   イロナ・ハーツバーグ
脚本:ダニエル・パイン
   ディーン・ジョーガリス
原作:リチャード・コンドン「影なき狙撃者」ハヤカワ文庫刊
オリジナル脚本:ジョージ・アクセルロッド「影なき狙撃者」1962年
撮影:タク・フジモト 製作総指揮:スコット・アベルサノ
衣装:アルバート・ウォルスキー
編集:キャロル・リトルトン 
   クレイグ・マッケイ
美術:クリスティ・ズィー
音楽:レイチェル・ポートマン  
   フューチャーリング ワイクリフ・ジョン 

キャスト

デンゼル・ワシントン
メリル・ストリープ
リーヴ・シュレイバー
ジョン・ボイド

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