原題:Samantha's child

『ローズマリーの赤ちゃん』『エクソシスト』『オーメン』——恐怖のDNAはこの作品に受け継がれた! 芽生えた命が悪魔の鼓動を打ち始めた…

2003年/イギリス/ビスタ/ドルビーSRD/95分/ 配給:ハピネット・ピクチャーズ+メディアボックス

2005年05月27日よりDVDリリース 2005年05月27日よりビデオリリース 2004年12月25日より、銀座シネパトスほか全国順次ロードショー

公開初日 2004/12/25

配給会社名 0187/0099

解説


決して解いてはならない封印が解かれた時、
サマンサの胎児は悪魔の鼓動を打ち始めた……
NYに住むサマンサとクレイグは仲睦まじい夫婦で、何一つ不自由のない幸せな結婚生活を送っていたが、ただ一つ残念な事に二人の間には子供がなかった一。
不妊症に悩むサマンサに産婦人科医は強く体外受精を勧めた。僅かなチャンスにでもすがりたい二人は、医師の紹介でレイクビューという町のクリニックヘと向う。
女医のリーズは、サマンサに体外受精を施す為、諸々の検査を始めた…が、しかし、リーズ医師は、怪しげな形をした円筒形の血液サンプルを取り出し、秘密裡に二人の精子と卵子、そしてその血液とのDNA適合操作を行っていた。
そして二つの最良の受精卵をサマンサの子宮に戻した……。
DNA操作を行ったその血液は、数世紀に渡り封印されてきた、忌まわしい堕天使で悪魔“ルシフェル”の血液だった!
果たしてサマンサと、お腹に宿った赤ちゃんの運命は…。
世昇のトッブクラスにランクされる四大ブロデューサーが、この『エヴァンジェリスタ』に集結!
製作は『ドリヴン』の成功で一躍脚光を浴ぴ、今や八リウッド屈指の名プロデューサーとして知られるアンドリュー・スティーヴンス。ちなみに『エヴァンジェリスタ』で謎の不動産屋ベティ役で出演しているステラ・スティーヴンスは実母である。
その他の製作には、『ガールズ・ガールズ』『モンスター』のブラッド・ワイマン。『ベオウルフ』『Go!Go!チアーズ』のドナルド・カシュナー。そして『三銃士』シリーズや世界的な大ヒットを記録した『スーパーマン』シリーズなどを世に送り出した伝説のプロデューサー、ピエール・スペングラーも製作に名を連ねている。ハリウッドのみならず全世界の映画界を席巻するプロデューサー達の大集結だけでも『エヴァンジェリスタ』に懸ける製作者達の並々ならぬ意欲が伺われよう。
悪魔の癒ちゃんを宿したヘザー・グラハム
ピュアな心を持つ妊婦サマンサを『キリング・ミー・ソフトリー』のヘザー・グラハムが好演。そのキュートな表情とは裏腹に、妊娠期の不安定な感情と、目の前に迫る恐怖を巧みな演技力で表現し、見る者を否応なしにスクリーンへと引きずり込む。特に妊娠してからの彼女の演技は、VFXの効果も手伝ってまるで本当の妊娠?と思わせる程のシーンに仕上がっている。これまでの作品で見せた、コメディ、セクシー路線から一転。本作では今までにない程、意欲的なヘザーの一面を垣間見る事が出来る。
豪輩なキャスティング
他の出演者には、サマンサの夫クレイグを次期ボンド候補として有力視されいる「パイオ八ザード』のジェームズ・ピュアフォイ。レイクビューの陽気だが、怪しげな不動産屋、ベティを『ポセイドン・アドベンチャー』のステラ・スィーブンスが好演。また、クレイグの出版工一ジェント、サミュエルをポストジュディ・デンチの呼ぴ声も高い『アザーズ』のフィオヌラ・フラナガンがトレードマークのシルバーヘアで貫禄たっぷりに演じている。そして『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのメインキャラクター“ゴラム”を演じ世界的に有名になったアンディ・サーキスが、本作でも最も重要なキャラクターである謎の“神父カ一ロ”を怪演。素顔の“ゴラム”ファンにとってはたまらない“いいシト”ぶり?も十分に堪能できる。そして特筆すべきは謎の大富豪で、悪魔教崇拝者、ア一ル・シドニーを『グラディエーター』や『スパイ・ゲーム』等で知られるイギリスの名優デヴィッド・ヘミングスが演じ圧倒的な存在感を醸し出している。
本作では、物語の核となる人物を演じたヘミングスだが、残念な事にこの『エヴァンジェリスタ』撮影中に心臓発作で倒れ、そのまま帰らぬ人となり、本作品が遺作となってしまった。この個性的な俳優のその鬼気迫る演技や、クローズアップは、作品の内容以上に我々に迫るものがある。
新鋭監督と才気溢れるスタッフ違との
コラボレーションが実現
監督はこの『エヴァンジェリスタ』が映画デビュー作となるイギリスの新鋭サイモン・フェローズ。これまでに数多くのTVコマーシャルを手掛けてきた映像派フェローズならではのシャープで、スタイリッシュな演出が、観客を恐怖の指定席に誘う。
悪魔のDNAから、悪魔のクローンを創造する……大胆で独創的なシナリオは、イギリスの俊英ライター、ジェイソン・ロスウェルによるもので、悪魔に魅入られた人々と、天使のように平和に暮らす罪のない人々とを対比させながらこれまでにない全く新しい恐怖を創り出している。特にラストの五分問、あまりにも衝撃的なラストに貴方の全身が凍り付く事は間違いない!
音楽はステファン・ジョーンズが担当。エクソシストのチュープラベルズを彷彿とさせるスコアを提供し、サマンサの不安定な精神状態を表現しながら『エヴァンジェリスタ』の恐怖を奏でる事に成功している。
撮影は『ゾンビ2001リボーン・トゥ・キル』や多くの恐怖映画をフィルムに収めたベテラン、ガブリエル・コススが担当。キュートなヘザー・グラハムの表情や、美しい湖畔の風景と、数々のショッキングシーンを対比させながら、戦標のラストヘと畳み掛ける恐怖をいかんなくカメラに収め、『エヴァンジェリスタ』の恐怖を一層際立たせている。編集には『クライング・ゲーム』のベテラン、カント・パン。プロダクションデザインには『コールドマウンテン』のクリスティ・ニクレスク。『ダイ・八一ド』『ディック・トレーシー』のキャスティングに携わってきたフェルネ・カッセルと、デニス・ホッパー主演『Out of Season』のキャスティングを担当した夕ニア・ポレンタルッティの二人が、キャスティングを担当。役者達の見事なアンサンブルを実現させた。
なお、NY郊外に見えるシーンの殆どはルーマニアで撮影が行われた。

ストーリー



ニューヨークに住むサマンサ(ヘザー・グラハム)と、小説家を目指すクレイグ(ジェームズ・ピュアフォイ)は仲睦まじい夫婦で、何一つ不自由のない幸せな結婚生活を送っていたが、残念な事に奏のサマンサは不妊症の為、二人の問には子供がなかった。
不妊症に悩むサマンサに産婦人科医(マイケル・J・レイノルズ)は強く体外受精を勧めた。若く、健康な身体を持つサマンサには、体外受精の可能性が十分にあると医師は説得した。僅かなチャンスにでもすがりたい今の二人にとって選択肢は他になかった。ニ人は産婦人科医の薦めにより、NYから車で二時闇程の小さな湖畔の町レイクビューへ向った。
クリニックのあるビルは小さな田舎町には全く不釣り合いな威容を誇っていた。
NYの医師の話通り、そのクリニックには、不妊治療の為の最良の環境と、最新鋭の設備が用意されていた。女医のリーズ(デボラ・ウェストン)は、サマンサは健康体で、ホルモン状態も良好。妊娠の可能性が極めて高いことを彼女に告げると、早速体外受精を施す為、諸々の検査を始めた…が、しかしリーズ医師は、怪しげな形をした円筒形の血液サンプルを取り出し、秘密裡に二人の精子と卵子、そしてその血液とのDNA適合操作を行い受精させると、二つの最良の受精卵をサマンサの子宮に戻した。
やがて、リーズ医師から懐妊の知らせを受けたニ人は喜びを隠しきれないまま、町のパーティに出席した。クレイグは不動産屋のベティ(ステラ・スティーヴンス)から一人の紳士を紹介された。アール・シドニー(デヴィッド・ヘミングス)と名乗るその男は大企業家で、しかも出版業をも手掛ける有力者だった。
クレイグは千載一遇のチャンスとばかりに、自分の小説に対する思いを伝えると、シドニーは一度オフィスを訪ねるよう彼に告げた。
妊娠を喜びながらひとまずNYへ戻った2人は愕然とした。なんと二人の部屋は何者かに荒らされ全ての物が家中に散乱していた。途方に暮れ、落ち込む二人は、たまたま留守電に入っていた不動産屋のベティからのメッセージを聞いた。偶然にも湖畔に面した物件が、好条件で空いたという知らせだった。
荒らされた部屋で日々の生活を送る事は不可能と悟った二人は直ぐにベティヘ連絡をとり、家を借りる意志があることを告げる。
クレイグは出版工一ジェントのサミュエル(フィオヌラ・フラナガン)と供に、シドニーのオフィスを訪ねた。シドニーはクレイグの才能に惚れ込み次回作に10万ドルの前金を渡す用意がある事を告げた。
そしてサマンサとクレイグはNYの荒れ果てた部屋を離れ、レイクビューでの新生活を始めた。クリニックで、検査を受けたサマンサはリーズ医師からお腹の赤ちゃんが「双子」である事を告げられる。
サミュエルは、シドニーに漠然とした疑念を抱いていた。何かが怪しいと感じた彼女は、シドニーの所有する研究所が、クローンや、DNAに関する研究所であり、しかもサマンサが通うクリニックと同じ場所にある事を突きとめる。果たしてそこで何が行われているのか?サミュエルは直ぐにシドニーに事の真相を問いつめたが、紅茶に毒を盛られ、彼女はあえなく絶命してしまう。
サマンサはコーヒーショップで、イタリア訛の英語を話す男(アンディ・サーキス)と偶然出会った。全身黒づくめのその男は優しく彼女に語りかけ・サマンサの身体を気遣いながら束の間サマンサの心を癒した。しかし、その男は初対面でありながら席を立つ時「また出産前に会いましょう。サマンサ」と言い残した。初めて出会った男が、何故、自分の名前を知っているのか?サマンサは戸惑いを隠せなかった。
数日後サマンサは、パーティでシドニーからルシフェルと呼ばれた天使の話を聞かされた。ルシフェルは、別名光の天使と呼ばれ、元々最高位の天使として天に仕えていたが、神に反逆して、天から追放されサタンとなった堕天使。
そしてイタリアの修道院の言い伝えに、殺されたルシフェルの血液を人れた容器があり、その容器がもし見つかれば新たな黙示録が始まり、最後の時にルシフェルの光りが甦るのだという。“甦るルシフェルの光り”それはすなわち悪魔が世界中を支配する事を意味していたが、サマンサは深い意味など受け取らぬままシドニーの話を聞き流した。
ある日サマンサは町で再びあの男に出会った。男は、唐突にこの町にある教会が、悪魔の代理人“エヴァンジェリスタ”だと彼女に告げ、しかも彼らの所有する研究所は、サマンサの通うクリニックと同じビルに入っている事を伝えた。このレイクビューの町全体が“エヴァンジェリスタ”なのか?気味の悪くなった彼女はその場を立ち去り、クリニックのサイトで「複合卵クローン法」のページを見つけ愕然とした。あの男が言う事が真実なら、悪魔の“エヴァンジェリスタ”と、クリニックの関係は……そして自分の宿した赤ちゃんに何が起ころうとしているのか?
混乱するサマンサに突如背後から男が迫り、そのまま彼女をモーテルへと連れ去っていった。紛れもなくあの男だった。そして男は神父カーロとして彼女に告げた。全てはルシフェルの血液を使い最先端のクローン技術により悪魔を甦らせる為にエヴァンジェリスタが仕組んだ罠で、お腹の子は科学の落とし子で悪魔の使いであると…そして自分こそが、唯一救済をもたらす事が出来るのだ。男はそう言い放ち彼女に悪魔を追い払う毒を飲むよう迫った。サマンサは男と格闘しながらも浴室へ逃げ込んだが、男は辺りにガソリンを撒き散らしモーテルに火を放つと、狂ったように車を走らせもの凄い勢いでエヴァンジェリスタの研究所へ突っ込んだ。研究所を車で破壊しガソリンを撒き“サタンと歩む者は地獄で焼かれる!”そう叫びながら神父カーロが火を放つと瞬く問に研究所は煉獄の炎と化した。
一方モーテルの浴槽に隠れていたサマンサは一命をとりとめたが、救急車の中で激しい陣痛に見舞われた。難産の末に、子供は産れたが、しかし…。
……4年後NY。

レイクビューでの悪夢のような出来事は嘘のように、夫は小説家として成功、そして二人は天使のような双子の女の子を手に人れた。
多くの友人達と供にハロウィンパーティに興じるサマンサファミリー。
何もかもが絵に描いたような幸せに満ち足りた生活。しかし…その“天使”のような愛くるしい双子の姉妹には誰もが想像を絶する“素顔”があった…。

スタッフ

監督:サイモン・フェローズ
製作:アンドリュー・スティーヴンス
   ピエール・スペングラー
   ドナルド・カシュナー
   ブラッド・ワイマン
脚色:ジェイソン・ロスウェル
撮影:ガブリエル・コスス

キャスト

ヘザー・グラハム
ジェームズ・ピュアフォイ
アンディー・サーキス
デヴィッド・ヘミングス
ステラ・スティーヴンス
フィオヌラ・フラナガン

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