原題:The Big Swindle/犯罪の再構成

2004年/韓国/116分/カラー 配給:シネカノン

2006年05月26日よりDVDリリース 12月3日(土)より、正月第一弾ロードショー! 渋谷シネ・アミューズ、新宿武蔵野館ほか全国順次公開

(C)2004 IM Pictures/Sidus-dist.by CineQuaNon

公開初日 2005/12/03

配給会社名 0034

解説


出所したてのチャンヒョクはビッグプロジェクトを伝説の詐欺師キム先生に持ちかけた。狙いは史上最大規模の韓国銀行横領詐欺。そして揃ったのはひと癖もふた癖もある辣腕の詐欺師が5人。緻密な筋書きの天才で二枚舌のチャンヒョク。
裏社会のゴットファーザーキム先生、博識で口先から生まれたようなオルメ。狙った女は百発百中の女キラーツバメ。そして職人技というべき偽造技術をもつガソリン。
役者は揃った!
目的は一つ!
だが彼らはそれぞれ別の下心を抱いていた。
そして作戦は実行され成功したかのように見えたが、みんなはバラバラになり、カネも消えてしまった。カネは何処へ?!
全くスキのない完壁な計画に一体何が起こったのか?

交錯する現在と過去。捕まったオルメやインギョン等の供述がまるでパズルの1ピース、1ピースとなり、やがて事件の全貌が明かされていく—-。

本作は1996年に実際に起きた<韓国銀行事件>に着想を得て作られた。<韓国銀行事件>とは何者かによって当座手形が偽造され、8億ウォンが引き出された、いまだに未解決の事件である。

これでデビュー作となった監督で脚本も手がけたチェ・ドンフンはその事件をべースに2年の歳月を費やした。実際に詐欺師や犯罪者に会ってリサーチにリサーチを重ねたのだ。それによって、それぞれのキャラクターが個性的で生き生きとリアリティのあるものになった。

はじめにその脚本の面白さが韓国内の映画業界で評判になり、“今年一番期待する脚本”といわれ、ハリウッドからの注目もあつめた。そして仕上がった作品に見事、大鐘賞新人監督賞他、なんと9冠映画賞に輝き“天才ストーリー・テラー”と絶賛された。

主演は日本でも爆発的人気を誇る「パリの恋人」で女心を鷲掴みにしたパク・シニャン。あの「冬のソナタ」のペ・ヨンジュンの役はもともと彼にオファーされていたという、人気実力ともに押しも押されぬ大スターである。そんな彼が今までの王子様的役柄から一転、心の奥底では何を考えているか分からない二枚舌のチンピラと古本屋も営むまじめな小説家の兄弟という難しい二役にチャレンジした。ほかにもクライムムービーに無くてにならないファム・ファタールとしてミスコリア出身、『箪笥』のヨム・ジョンア、今やキング・オブ・コメディとしてキャスティングするのが難しい程人気のイ・ムンシク『地球を守れ』で映画賞を総なめしたぺク・ユンシクなど最高にゴージャスな人気と実力を兼ね備えたメンバーが揃った。
[注:スウィンドルとは騙し、詐欺の意]

ストーリー

韓国銀行から50億ウォンが盗まれた。容疑者5人のうち1人は遺体で発見され、1人は逃亡中事故に遭い逮捕、残りの3人は指名手配された。
死亡したのはチェ・チャンヒョク。詐欺の常習犯として1年半服役し1ヶ月前に出所したばかりであった。警察は家族である兄を探したがロシアにいって不在のため、1ヶ月後その死を伝え、参考人として出頭させた。
兄の名はチェ・チャンホ。古本屋を営むが実は小説家でロシアを舞台に小説を執筆中だという。
事件を追うチャ刑事はその本が自分の愛読書であったため急に下手に出る。チャンホには弟の死亡保険金5億ウォンが近々支払われるという。
そのときインギョンという女が警察を訪れた。彼女は指名手配中のキムの愛人ということで居場所を聞かれたのだ。取り調べから帰宅途中、インギョンはチャンホに家にチャンヒョクの荷物を取りに来るようにいった。
インギョンほ自宅を訪れたチャンホにチャンヒョクとの出逢いを話し始めた。
チャンヒョクは出所してまもなくキム先生の元へ訪れた。刑務所で知り合い、先に出所したガソリンからの紹介だった。出迎えたの同居人のインギョンだった。彼女はキム先生を「叔父さん」と呼ぶが、そうとは思えない。しばらくすると金融投資コンサルタントを装い、セミナーをしていたキム先生が戻ってきた。
チャンヒョクにはあるアイディアがあった。それはまさに詐欺師ならば一度は夢見る史上最大規模の韓国銀行詐欺であった。成功すれば50億、乗り気になったキム先生にチャンヒョクは仲間を5人そろえて欲しいと頼んだ。
逮捕され、病院で意識不明だったオルメが目を覚ました。オルメの供述ではまずキム先生が声をかけたのはオルメ。銀行の外商のフリをして女性客が引き出した500万ウォンをだまし取ったところだった。次にツバメ。水商売の女をひっかけ、まさにアツアツの新居の準備中。最後にやってきたのはガソリンだった。こうしてひと癖もふた癖もある詐欺師たちが揃った。緻密な筋書きの天才でニ枚舌のチャンヒョク。詐欺業界のゴットファーザーキム先生。博識で口先から生まれたようなオルメ。ねらった女は百発百中の女キラーツバメ。そして職人技というべき偽造技術をもつガソリン。ガソリンのアジトを拠点にみんなが集まり三枚肉(サルギョプサル)を食べ、来るべき勝利の祝杯を挙げた。しかし、内心ではそれぞれが違う下心を持っていた。
チャンホはチャンヒョクの遺体を引き取り火葬、インギョンとともに池に散骨した。その脚でチャンヒョクの死亡保険を受けとるために銀行へ行った。一緒に行ったインギョンはその保険金を狙い、口座の暗証番号を探ろうとする。そこでちらりと見えた暗証番号081に続く数字が何かを調べようとした。
警察ではこの事件の2日前に女性の声のタレコミ電話があったことがわかり、女であるインギョンが疑われでいた。警察はキム先生を4年前も容疑者として挙げながら証拠不十分で取り逃がしていた。
インギョンはキム先生が家を売りに出したのを良い事にチャンホの家へ転がり込んだ。インギョンは何とかチャンヒョクの暗証番号を聞き出そうとチャンヒョクの話題を振った。インギョンはチャンヒョクが好きだったこと、チャンヒョクの夢は故郷に土地を買い、兄とペンションをやることだと聞いたことなど言って、逆に誕生日や記念日を尋ねた。しかし、チャンホはあまり弟のことを話したがらなかった。
警察は犯行の手口をオルメから聞き出した。まず小さな支店に銀行強盗に扮して入り、未遂に終わる。そこに警備会社を装った仲間が確認するかのように当座小切手をコピーし、それをガソリンが偽造する。そして大企業社員を装い換金するのだ。それは順調に進んだ計画であったが、現金を車に積み、取締役に扮したオルメがサインして全てが終わる、まさにその時、謎の女性から電話があった。現金を載せた車はあわてて逃走した。乗り込んだのはガソリンとツバメ。
ここまで語ったがオルメが病院から脱走。しかし乗り込んだのはおとり捜査のタクシー、そのままガソリンの元へ案内させられる羽目になり、ガソリンも逮捕された。ガソリンの供述によれば現金はツバメに持ち逃げされ、あとでキム先生がやってきてカネの在処を聞かれたが自身の潔白を伝えるとキム先生は去っていったという。
ツバメにだまされた被害者の女性ギョンナンの身元が判明。警察で全てを語った。ツバメに1.200万ウォン貸したこと、結婚式に来なかったこと、そして謎の女性からの電話で居場所がわかり、殺してしまうたこと。
警察はギョンナンの供述に従い現場を訪れた。そこにはツバメの無惨な腐乱死体と現金を積んだ車はあったが、肝心の現金はなかった。キム先生がツバメのカネで高飛びしたのか?
キムは国内にいた。未だに50億の行方を血眼で追っていた。パク刑事を呼び出し警察で掴んだ情報を聞いた。パク刑事は弱みを握られ、利用されていたのだ。キムが調べると事故現場のトンネルには足跡が二つ、抜け道もあった。そしてチャンヒョクの兄について調べるとキムの4年前の詐欺の被害者であつた。
全てに合点がいったキムはチャンヒョクへの復讐に燃え始める。

スタッフ

監督:チェ・ドンフン

キャスト

パク・シニャン
ヨム・ジョンア
ペク・ユンシク
イ・ムンシク
パク・ウォンサン
キム・サンホ
チョン・ホジン

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