原題:The Whole 10 Yards

狙ったはずが狙われて、奴らが全員ターゲット!

2004年4月8日全米初公開

2004年/アメリカ/1時間38分/ビスタサイズ/ドルビーSR,SRDD,DTS 配給:ギャガ・ヒューマックス

2005年03月11日よりビデオレンタル開始 2005年03月11日よりDVDリリース 2004年9月25日、ニュー東宝シネマ他全国東宝洋画系ロードショー

公開初日 2004/09/25

配給会社名 0025

解説


隣の家に伝説のヒットマンが引っ越して来た!?ことから“殺人連鎖”が起こり、そこから始まる騒動と、住む世界が違う男同士の奇妙な友情を、シニカルなブラック・ジョークのスパイスを利かせて描いた『隣のヒットマン』。あれから4年、奴らが再び動き始めた!

 “絶対に死なないダイ・ハード・マン”ブルース・ウィリスが貫禄の存在感でクールなヒットマンを演じ、「フレンズ」のイイ男、マシュー・ペリーがとぼけた味わいと軽やかな身のこなしで気のいい歯医者に扮し、クール・ビューティ、ナターシャ・ヘンストリッジが本当は愛を求める可愛い女性で、若くてグラマーな美人、アマンダ・ピートが実はヒットマン志願者だったり——微妙にキャラクターを外した絶妙のキャスティングは今回も健在。前作の原題が“The Whole Nine Yards”=「一切合財すべてOK!」だったのに対し、本作は“The Whole Ten Yards”だから、「OK!」がさらにスケール・アップ。「登場人物すべてが命を狙われている」範囲も1ヤード分、広がっているというわけだ。ところが今回のオープニングはなぜか前作と雰囲気が違う…。

 伝説のヒットマン、ジミー“チューリップ”チュデスキは、今は引退して愛しのジルとともにメキシコでの生活を満喫。すっかり丸くなった彼は料理と掃除の日々を送っているが、ジルは初心を忘れず、相変わらずプロのヒットマンを目指して修行中。一方、オズとシンシアも幸せな結婚生活を送っていた。オズはシンシアの妊娠の報に有頂天。そんな彼らは、ジミーの密告により終身刑となったマフィアのボス、ラズロが出所することなど知る由もなかった。ラズロは、前作でジミーが葬った、ヤンニの父親でもあるのだ…。そしてストーリーが転がり始める。こともあろうにシンシアがラズロに誘拐されてしまったのだ。命からがら脱出したオズは、彼にとって愛妻、ジミーにとって前妻の救出を頼むため、メキシコへと車を走らせるのだった!

 駆け引きと勘違いとミスが複合的に重なって、二転三転そして四転——当人たちの思惑とは別の場所を目指しているかのように、物語は予測不能の展開を始める。前作のコミカルなハードボイルドというテイストを踏襲しつつ、シニカルよりも賑やかに愛を語り、ブラックよりもストレートな演出を手がけたのは『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』、『恋しくて』のハワード・ドゥイッチ監督。青春映画の巨匠らしい瑞々しい語り口は彼ならではのものだ。スマッシュ・ヒットを記録した作品のパート2というプレッシャーを軽々とクリアしている感がある。主要なキャストは前回のままではあるが、4年の歳月で彼らはさらに円熟味を増し、呼吸も間合いも絶品の演技合戦を見せてくれる。中でも前作で殺されたヤンニ役のケヴィン・ポラックが、今度はその父親役で出演し、エキセントリックな演技で大いに笑わせてくれる。

 オリジナル・キャラクターをクリエイトし、『ロミオ・マスト・ダイ』の脚本も手がけたミッチェル・カプナーが今回もストーリーを担当。また作品の持つ世界感をさらに広げ、一級品のエンターテインメントに仕上げた脚本は、『ミッドナイト・ラン』、『バッドボーイズ2バッド』のジョージ・ギャロ。目まぐるしく転がる物語を緩急自在のカメラワークで見事に切り取った撮影監督は、70年代からTVを中心に活躍しているニール・ローチ。アクション、コメディ、ラブストーリーといった全ての映画的要素が織り込まれた本作で、各シーンを盛り上げ、様々な表情を聞かせてくれる音楽は、最近では『パッション』のスコアが記憶に新しいジョン・デブニーが担当している。

 また製作陣では、前作に引き続きアンドリュー・スティーブンス、トレイシー・スタンリー、エリー・サマハ、アラン・カウフマンがクレジットされ、ブルース・ウィリスの弟、デイビッド・ウィリスも名を連ねている。その他にも『キッド』、『ティアーズ・オブ・ザ・サン』等、数多くの作品でウィリスとコンビを組んでいるアーノルド・リフキンもプロデューサーとして参加している。

 クセ者揃いの登場人物たちが“手の内”を見せるのはいつか?そもそもこのゲームを仕組んだのは…?想像すら出来ない結末に、ヒットマンの銃口が向けられた!

ストーリー



かつて17人を殺した伝説のヒットマン、ジミー“チューリップ”チュデスキ(ブルース・ウィリス)は、4年前の騒動で“ヒット数”を増やしたものの、歯科記録によって自分の死を偽造し、今は引退して愛しのジル(アマンダ・ピート)とともにメキシコに住んでいた。彼は拳銃を包丁に、機関銃を掃除機に持ち替え、カリスマ主夫として日々を送っていた。相変わらずプロのヒットマンを目指しているジルが、今日も“クリーン・ヒット”出来なかったことを訴えるが、彼にとってはローストビーフの焼け具合の方が大切な様子。

 一方、絵に描いたように幸せな結婚生活を送っているオズ(マシュー・ペリー)とシンシア(ナターシャ・ヘンストリッジ)。オズは高層ビルにデンタル・クリニックのオフィスを構え、彼女の妊娠の報に有頂天。ところが普通ではないのが、自宅を完全武装していること。大量の銃器と完璧なセキュリティ・システムに囲まれながら、彼はマフィアの復讐に怯えているのだった。丁度その時、ジミーの密告により終身刑となったハンガリー・マフィアのボス、ラズロ(ケヴィン・ポラック)が出所する。彼は、かつてジミーが葬ったヤンニ(前作のケヴィン・ポラック)の父親でもあるのだ。

 その日オズが帰宅すると、シンシアの姿がなく、ラズロ一味が家を占拠していた。オズはシンシアが誘拐されたことを知り、ジミーの居場所を問い詰められる。命からがら脱出したオズが助けを求めて向かうのは、ジミーのいるメキシコしかなかった。招かれざる客のオズに対し、ジミーは機関銃で手荒い歓迎をするが、ここにもラズロの手が回る。オズの車はGPSで追跡されていたのだ。ラズロのターゲットはもちろんジミー。派手な銃撃戦を何とか切り抜けたジミー、オズ、ジルの3人は、ラズロのアジトがあるロサンゼルスへと向かう。一方誘拐されたはずのシンシアも何かを企んでいるらしく、見張りの目をごまかしては不可解な行動をとっていた。

 ロスに到着した3人は、ラズロのもうひとりの息子、ストラボ(フランク・コリソン)を人質に取って、モーテルに隠れる。そこでジミーの意外な一面が明らかになる。彼は良き父親として子供を持つことを夢見ていたのだ。その他にも、ジルとの関係やアレの悩みについて、強面のヒットマンらしからぬ言葉をこぼすのだった…。

 ジミーとラズロの間で人質交換の取引きが成立した。ところがジルのミスで、こともあろうに車のトランクに入っていたストラボが殺されてしまう。「プロ失格!」と激しくなじられたジルは、ついにジミーの元を去ってしまう。片や愛妻を助ける術を失ったオズは、失意のうちに自分のクリニック・オフィスへと戻る。そんな彼の元に、今や“良き友”となったジミーが訪れ、2人で人質奪還の決意を固めた時、新たなヒットマンが現れる。オズのオフィスにアシスタントとして勤めるジュリー(タシャ・スミス)だ。何と彼女は以前ジミーの相棒だったフランキーの妹で、殺された兄の復讐のためラズロの手下となっていたのだ!2人がラズロのアジトに連行され、これで役者が全員顔を揃えた。ジミー、オズ、シンシアは絶体絶命——しかしまだ何かウラがありそうな、どんでん返しが隠れていそうな予感が漂っていた…。

スタッフ

監督:ハワード・ドイッチ
製作:エリー・サマハ、アーノルド・リフキン、デイビッド・ウィルス、アラン・カウフマン
脚本:ジョージ・ギャロ
撮影:ニール・ローチ
美術:ヴァージニア・ランドルフ=ウィーバー
音楽:ジョン・デブニー
衣装:ルディー・ディロン
配給:ギャガ・ヒューマックス

キャスト

ブルース・ウィリス
マシュー・ベリー
アマンダ・ピート
ケヴィン・ポラック
ナターシャ・ヘンストリッジ

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