原題:If You were Me

アジアフォーカス・福岡映画祭2003韓国映画コレクション部門出品作品 第8回釜山国際映画祭2003韓国映画パノラマ部門出品作品 第17回シンガポール国際映画祭2004アジアンシネマ部門招待作品

2003年11月4日韓国公開

2003年/韓国映画/1:1.85/カラー/ドルビーSRD/110分/ 提供: キノ・キネマ、西村嘉夫/ 配給:キノ・キネマ/配給協力・宣伝:アルシネテラン

2005年07月29日よりDVDリリース 2005年07月29日よりビデオリリース 2005年1月15日より新宿武蔵野館にてモーニング&レイトショー公開

公開初日 2005/01/15

配給会社名 0511

解説



☆これぞ韓国映画の《底力》!珠玉の短編が揃った芸術品!

 数ある韓国映画の中で、全く他に類をみないユニークな作品、それが「もし、あなたなら〜6つの視線」である。それは、韓国人権委員会が製作した〈ヒューマン・ライツ=人権〉を主題とするオムニバス映画だ。
「人権」とか「差別」といった言葉が出てくるだけで硬直してしまうような人は、この6人が作った短編のテーマと表現の多様さと柔軟性に驚くであろう。外見の差別を扱っていても、コミカルなもの(「彼女の重さ」)もあれば、ホラーぽいもの(「顔の価値」)もある。実在の障害者を描いたセミ・ドキュメンタリー(「大陸横断」)もあれば、実話にもとずく再現劇(「N.E.P.A.L. 平和と愛は終わらない」)もある。子どもの受難を描いても、ドキュメンタルなもの(「神秘的な英語の国」)とSFタッチのもの(「その男事情あり」)があるなど対照的だ。
 ひとつのテーマに留まらず、ジャンルもスタイルもバラバラな形で、こういうシチュエーションにおかれたら「もし、あなたなら」どう感じるだろうと問いかけ、監督独自の切り口で独立した短編を作り上げた。それが「もし、あなたなら〜6つの視線」である。珠玉の短編集、それぞれが1篇の作品でありながら有機的に結びつき、ひとつの映画「もし、あなたなら〜6つの視線」として結実した、希有の《最も成功したオムニバス映画》(「シネ21」)作品なのである。
 
☆いまをときめく実力派6監督が終結!

人権委員会はプロジェクトを立ち上げるに当たり、社会派で知られ、釜山フィルム・コミッションの運営委員長としても活躍する中堅監督パク・クァンス(「チルスとマンス」)に相談した。そして国がスポンサーとはいえ、その内容にはいっさい口出ししないという条件が決められた。
 パク・クァンス監督は昔自分の助監督だったイ・ヒョンスン監督(「イルマーレ」)と話し合い、イ・ヒョンスンが候補となる監督に電話をかけて賛同者を集めた(イ・ヒョンスンは今回、エグゼクティヴ・プロデューサーを務めた)。
 パク・クァンスのほか、参集したのは、「ワイキキ・ブラザース」のイム・スルレ、「子猫をお願い」のチョン・ジェウン、「セサン・パクロ 外の世界へ」「寵愛」のヨ・ギュンドン、「死んでもいい」のパク・ジンピョ、そして「JSA」「オールド・ボーイ」「復讐者に憐れみを」のパク・チャヌク。いずれ劣らぬ実力と個性の持ち主たちだ。
 このうち、パク・クァンスとヨ・ギュンドンは80年代から映画製作に入った〈ニューウェイヴ世代〉中堅監督で、あとの4人はいわゆる〈386世代*〉である。世代間の断絶が激しいといわれる韓国映画界で、このような世代を越えた協力でひとつの作品が生まれたことも喜ばしい。
 
 (*)30代で(現在では40代も多くなりつつあるが)、80年代民主化の時代に学生時代を過ごし、60年代に生まれた人達のことを、数字の頭をとって、386世代という。彼らは、民主化時代を肌で体感しているだけに、「映画を通じて社会を変える」という社会への参加意識が極めて強い(その点、パーソナルな映画が多い日本とは対照的である)。その一方で、80年代は韓国で外国映画の輸入が自由化された時期でもあり、この世代からハリウッド映画をはじめエンターテインメント性豊かな外国映画を浴びるように観るようになった。それにより社会性を持ちつつも、エンターテインメント性も忘れない、という最近の韓国映画の特徴が形成されている。

ストーリー



『彼女の重さ』The ‘Weight’ of Her
少々太めの女子高生が就職のためにスタイルを管理しろと先生に言われ、美容整形、ダイエットをする。差別をユーモアに描く。イム・スルレ監督本人がラストシーンに登場する。
(2003年/20分)

『その男、事情あり』The man with an Affair
性犯罪歴を暴露された男と、同じマンションに住むおねしょをする少年との人の尊厳とはを考えるドラマ。
(2003年/18分)

『大陸横断』Crossing
脳性マヒの身体障害者の主人公が苦労して外出したのに人に勘違いされたり、好きな人に告白できなかったりと苦悩するのだが、ソウル中心街のメインストリートを横断することを決意する。
(2003年/14分)

『神秘的な英語の国』Tongue Tie
1999年の冬、ソウル。名門の英語幼稚園でクリスマス発表会が行われた。教育ママの英語の発音でLとRの発音を向上させるために、舌の手術を受けることになるのだが、子どものバラ色の未来はあるのだろうか。
(2003年/14分)

『顔の価値』Face Value
葬儀場の駐車場で駐車料金係の美しい女性と駐車をした男性との間で接客態度が元に口論するが、理由は女性の職業が容貌に似合わないという…。
(2003年/12分)

『N.E.P.A.L.平和と愛は終わらない』Never Ending Peace And Love
ネパールから来た労働者チャンドラ・クルンは、韓国語がうまく話せないため、6年4か月の間、精神病院に収監されてしまうことになる……。
(2003年/28分)

スタッフ

『彼女の重さ』The 'Weight' of Her
監督:イム・スルレ

『その男、事情あり』The man with an Affair
監督:チョン・ジェウン

『大陸横断』Crossing
監督:ヨ・ギュンドン

『神秘的な英語の国』Tongue Tie
監督:パク・ジンピョ

『顔の価値』Face Value
監督:パク・クァンス

『N.E.P.A.L.平和と愛は終わらない』Never Ending Peace And Love
監督:パク・チャヌク

キャスト

『彼女の重さ』The 'Weight' of Her
チョ・ソンギョン
イ・ソルヒ
イム・スルレ
ペ・ジャンス

『その男、事情あり』The man with an Affair
ペク・チョンハク
ピョン・ジョンス
チョン・ハウン

『大陸横断』Crossing
キム・ムンジュ

『神秘的な英語の国』Tongue Tie
キム・セドン
トン・ヒョヒ
キム・スミン

『顔の価値』Face Value
チ・ジニ
チョン・エヨン

『N.E.P.A.L.平和と愛は終わらない』Never Ending Peace And Love
チャンドラ・クマリ・クルン
パク・チャヌク

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