原題:Behind the Sun

生きること、君への想い、加速していく。

2002年ヴェネチア国際映画祭若手審査員賞受賞 2002年ゴールデングローブ賞外国語映画賞ノミネート 2002年英アカデミー賞外国語映画賞ノミネート

2001年/ブラジル/1時間32分/カラー 配給:ギャガ・コミュニケーションズ、アニープラネット 後援:ブラジル大使館

2005年04月28日よりDVDリリース 2005年03月11日よりビデオレンタル開始 2004年11月6日より新宿武蔵野館にてロードショー

公開初日 2004/11/06

配給会社名 0025

解説


『セントラル・ステーション』の名匠ウォルター・サレス監督が描く、ブラジルの熱い風を感じる衝撃のドラマ『ビハインド・ザ・サン』は、1998年ベルリン国際映画祭金熊賞、アカデミー賞外国語映画賞ノミネートなど世界の映画祭で絶賛された『セントラル・ステーション』のウォルター・サレス監督が、再び同作品のブロデューサー、アーサー・コーンとコンビを組んだ話題作。ブラジルの荒涼とした土地に住み着く2つの家の果てしなく続く殺し合いの悲劇。平和と希望を求め、終わりなき報復に歯止めをかける若き兄弟の勇気と愛のテーマ。めくるめく恋。その鮮烈な映像感覚が世界中で熱狂を呼んだ。サレス監督はこの『ビハインド・ザ・サン』の後、若き日のチェ・ゲバラを主人公にしてカンヌで話題を集めた『モーターサイクル・ダイアリーズ』を発表し、『シティ・オブ・ゴッド』など若手監督作品の製作も手がけている。
原案はアルバニアを舞台にしたイスマイル・カダレの小説「砕かれた四月」。サレス監督はこの小説に深く魅了され、著者のカダレに直談判して舞台をアルバニアからブラジルに移す許可を得た。「ロミオとジュリエット」のモンタギュー家とキャプレットの対立を思わせる家と家との死闘は、実際にブラジルに存在し、報復と暴力が人々に及ぼす恐るべき影響は、世界共通の悲劇を生んでいる。

繰り返される家と家との殺し合い。報復が招く悲劇に立ち向かう兄弟…。
ブラジル東北部の荒涼とした砂地。そこに住む2つの家族は土地の権利をめぐって長年血で血を洗う争いを続けている。20歳になるブレヴィス家のトーニョはフェレイラ家に殺された兄の敵を討つ。しかし、今度はトーニョが命を付けねらわれる番だ。やがてはトーニョの弟パクーにも害が及ぶことになるだろう。そんなとき、トーニョはサーカスの美少女クララに出会う。初めて知った甘美な恋はトーニョに外の世界へと目を開かせる。だが彼は一家の息子としてフェレイラ家と殺し合わなければならない宿命にあった。卜一ニョは家族の名誉と、恋と情熱に満ちた外の世界への憧れとの狭間で心が揺れ動く。

ブラジルが誇る美形スター、『ラブ・アクチュアリー』で注目のロドリゴ・サントロに熱い視線!
トーニョを演じているロドリゴ・サントロにとってこれがブラジルでの長編映画2作目。”ブラジルの秘密兵器”と騒がれていたが、その後イギリスを舞台にした『ラブ・アクチュアリー』で同僚OLに想いを寄せられる美貌のデザイナーを演じて、一躍世界のトップスターに仲間入り。『チャーリーズ・エンジェルフルスロットル』ではセクシーなサーファーに扮して女性たちの熱い視線を集めた。『ビハインド・ザ・サン』では、憂いに満ちた表情で母性本能をくすぐり、日本女性のハートをも射止めること間違いなし。美しいルックスと確かな演技力の両方を兼ね備えた新世代スターとして評価が高まる一方だ。
またトーニョの父親役に舞台、映画界の両方で活躍する名優ホセ・デュモンド、母親役に『セントラル・ステーション』にも出演した名女優、リタ・アッセマニーを配している。
トーニョと並ぶ重要な役の弟パクーには、オーディションでラヴィ=ラモル・ラセルダが選ばれ期待にたがわぬ初々しい演技を見せた。サーカスの美少女クララを演じたフラヴィア=マルコ・アントニオは・実際もサーカス団の人気スター。
映画の中でもロープを使った曲芸や火吹きを披露している。

ストーリー


ブラジル1910年。ブレヴィス家とフェレイラ家は長年にわたり血で血を洗う土地争いを繰り返してきた。ブレヴィス家はサトウキビを栽培し、砂糖を作ってきたが、奴隷制度の崩壊で衰退の一途をたどっていた。一方のフェレイラ家は牧畜を営み、一族は隆盛のきわみにあった。

ブレヴィス家の長男はフェレイラ家の手で殺害された。長男のシャツについた血が黄色に変色する。それを待ってブレヴィス家の二男トーニョ(ロドリゴ・サントロ)は銃を持ち、フェレイラ家に報復に行く。トーニョはフェレイラ家の家長を追いかけまわし、銃弾でしとめるが、それはさらなる報復を呼ぶむなしい殺識だった。

フェレイラ家で家長の葬儀が執り行われている席にブレヴィス家の父親(ホセ・デュモント)はトーニョを伴って参列し、フェレイラ家の盲目の祖父に休戦を申し入れる。祖父は次の満月まで休戦を受け入れる。
トーニョの弟(ラヴィ=ラモス・ラセルダ)は、ある日馬車に乗ってきた男女に道を聞かれる。2人はサーカスの曲芸師サルスティアーノ(ルイス=カルロス・ヴァスコンセロス)と火吹き女クララ(フラヴィア=マルコ・アントニオ)だった。クララは彼に人魚の絵がついた本をくれた。サルスティアーノはのちに彼がただの“坊や”と呼ばれていると聞いて、川魚のパクーという名をつけてやった。

卜一ニョはパクーを連れてこっそりとサーカスを見に行く。卜一ニョは美しいクララを一目見て呆然となってしまった。クララもすがすがしいトーニョの姿に惹きつけられた。

互いに惹かれあうにつれてトーニョの胸には終わりなき報復のむなしさがこみ上げる。
「いっそのことクララと遠くに逃げてしまおうか」。その思いを秘めてクララたちと遠くの町へ旅立つトーニョ。怒り狂う父親に対し、ブレヴィス家の母親(リタ・アッセマニー)は、内心トーニョがこのまま姿を消したほうがよいのではないかと思う。
しかし、トーニョは戻ってきた。そして満月になり、フェレイラ家の血染めのシャツは黄色く色を変えていった…。

スタッフ

監督:ウォルター・サレス
製作:アーサー・コーン『ひまわり』
撮影:ウォルター・カルヴァロ
音楽:アントニオ・ビンと『シティ・オブ・ゴット』
原案:イスマイル・カダレ「砕かれた四月」(白水社刊)

キャスト

ロドリゴ・サントロ
ラヴィ=ラモス・ラセルダ
ホセ・デュモント
リタ・アッセマニー
ルイス=カルロス・ヴァスコンセロス
フラヴィア=マルコ・アントニオ

LINK

□公式サイト
□IMDb
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す