原題:HOLLANDS LICHT

描かれ、語られ、解き明かされる—誰も見たことのない「光」のドキュメント

2003年ネーデルランド・フィルムフェスティバル「金の子牛(ベスト・ドキュメンタリー)」賞受賞 本年度ミュンヘン・ドキュメンタリーフィルムフェスティバル 特別賞受賞 本年度パラッツオ−ヴェネチア・ドキュメンタリーフェスティバル(ローマ)最優秀撮影賞受賞 本年度ヨーロピアン・フィルムフェスティバル(ブリュッセル)観客賞受賞

2003年11月6日オランダ公開

2003年/オランダ/1時間30分 配給:セテラ・インターナショナル

2005年07月08日よりDVDリリース 2004年11月3日(水/祝)より東京都写真美術館ホールにて「探究」のロードショー!

公開初日 2004/11/03

配給会社名 0117

解説




絵画・写真・映画・現代美術。すべてのアートの魅力を網羅する傑作ドキュメンタリー、遂に日本上陸。 

“オランダの光”——それはフェルメールやレンブラントら17世紀オランダ絵画の巨匠たちが遺した傑作の源となった、独特の陰影を持つ同地の自然光のことと言われてきた。
しかし現代美術家ヨーゼフ・ボイスは1950年代に行われたザイデル海(現エイセル湖)の干拓が地形と海面の面積に変化を及ぼしたため、その光が失われてしまったと指摘した。
果たして“オランダの光”は、本当に失われてしまったのだろうか?
そして“オランダの光”とは、本当に実在するのだろうか?
かくて触れる事のできない“光”を追い求めて、想像を超えるオデッセイが始まった——

これまで誰も語り得なかった光の存在を映像で探究する、まったく新しい形の知的エンタテインメントが誕生。光を追う。この難業に挑戦したのは、オランダを代表する映像作家ピーター-リム・デ・クローン。これまでその存在が取り沙汰されていたものの実証されていなかった“オランダの光”を、論文でではなくカメラを通して探究し、強力な映像体験として完成させた。そして彼のアプローチがどれもユニークだ。先ずデ・クローン監督率いる撮影クルーが、神秘的な四季のうつろいが美しいオランダ国内を始め、南仏プロヴァンス地方や米アリゾナ砂漠にまで赴き、光を〈採取〉。続いて「真珠の耳飾りの少女」「デルフト眺望」等のフランドル絵画とゴッホやモネらが他地域で描いた作品、ヴェイッセンブルッフやモンドリアンまで17世紀以降のオランダ人アーティストの作品を並べ、対象を照らす光の違いを〈比較〉。また現代アートの旗手たちや美術評論家、気象学者、モニュメント・ヴァレーのガイドからEU諸国を走り回るトラック運転手にまで取材を敢行、光の存在を〈言及〉。さらには天文物理学者による特殊な実験で光の有無を〈証明〉。
—と、あらゆる角度から光の謎を明かしてゆく様は圧巻である。中でも<言及>のパートには光をテーマに創作、日本でも各地に作品を残して人気の高い米現代美術家ジェームズ・タレルが出演。興味深い発言と共に彼が30年以上に渡り制作に取り組んでいるローデン火口内「肉眼のための天文台」が登場するのも話題のひとつだ。そして本作の撮影に際し、デ・クローン監督はオランダの自然や名作絵画の色彩を表現するためフジフィルムを採用。昨今全藍のデジタル撮影を一切排除した、<アナログ映像究極の映像美>は見逃せない。

フェノレメールが描いた“光”とは、どんな色だろうか?

ストーリー

スタッフ

製作・監督:ピーター-リム・デ・クローン
原案・脚本:マールテン・デ・クローン、ヘリット・ウィレムス
撮影監督:パウル・ファン・デン・ボス
編集:アンドレ・デ・ヨング、シール・ミュラー
音楽:ヘット・パイレス・ファン・ブム
クリエイティブ・コンサルタント:ヤン・アンドリーッセ

キャスト

(登場順)
ヤン・アンドリーッセ(現代美術家)
ロバート・ザントフリート(現代美術家)
ギュンター・ケンネン(気象学者)
ヤン・ディべッツ(現代美術家)
フィンセント・イッケ(天文物理学者)
ジェームズ・タレル(米現代美術家)
エルンスト・ファン・デ・ヴェーテリング(美術史家)
スヴェトラナ・アルパース(美術史家)
リシュアン・フェレロ(農夫)
アレックス・ビーケン(モニュメント・ヴァレーのガイド)

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