原題:UBUME NO NATSU

大ベストセラー超絶ミステリー“京極堂”シリーズついに映画化!

2005年/日本/カラー/123分/ 配給:日本ヘラルド映画

2007年12月07日よりDVDリリース 2005年12月22日よりDVDリリース 2005年11月25日よりプレミアム・エディションDVDリリース 2005年7月16日、渋谷東急・全国松竹・東急系にて超拡大ロードショー

©2005「姑獲鳥の夏」製作委員会

公開初日 2005/07/16

配給会社名 0058

解説



その時、日本中に衝撃が走った!今でこそ絶大な人気を誇る直木賞作家・京極夏彦だが、当時はまったく無名の新人作家だった彼のデビュー作「姑獲鳥の夏」が、いきなり40万部を超えるベストセラーとなったのだ。「ミステリーを超越した、すごい小説が現れた!」という噂は、あっという間に広がった。戦後まもない日本のあやしげな雰囲気、事件に絡むまがまがしい妖怪の影、登場人物たちの個性的で魅力溢れる愛すべきキャラクター、そして大胆不敵なトリックと、最後に待ち受ける度肝を抜く真相−−−。
ミステリーファンはもちろんのこと、女子中高生やOLなど、普段はあまりミステリーを読まない女性層からの熱狂的な支持を受け、たちまち一大ブームとなった。その後、同じ主人公で書かれた“京極堂シリーズ”と呼ばれる全8作で、総計400万部を超えるという驚異的な売り上げを記録、現在も新たなファンを増やし続けている。
そして今、原作が発売されたあの時よりも、さらに激しい衝撃が再び日本を襲う!
その独特な世界観を映像化することは不可能とされてきたシリーズ第一作の映画化は、現在の日本映画界で考えられる最高のスタッフ・キャストで実現、ついに映画「姑獲鳥の夏」が完成したのだ。
舞台は昭和27年の東京。雑司が谷の由緒正しい大病院にまつわる奇怪な噂が、世間を騒がせていた。院長の娘が20ヶ月もの間妊娠し、一向に出産する気配がない。
しかも彼女の夫は一年半前に医院の密室から忽然と消え失せ、いまだに行方不明だというのだ。しかし、それは聞くも恐ろしい事件の、ほんの入り口に過ぎなかった・・・。
この怪奇事件に挑むのは、いったい誰なのか?時代を代表する名探偵たち−−−
ホームズ、ポアロ、明智小五郎、金田一耕助に次ぐ、新時代の主役は“探偵”ではなかった!
“捜査”ではなく“憑物落とし”で謎を解決する唯一無二の存在、京極堂こと中禅寺秋彦−−−彼は依頼人を悩ませる、不思議で怪奇な事象に“妖怪”の名前と姿を与え、それを祓うことによって、相手を救うのだ。
映画完成前から大いに話題を集めたのは、夢のような豪華キャストだった。古本屋の店主、陰陽師・安部晴明ゆかりの神社の神主、そして憑物落としという3つの顔を持ち、クールな容貌に、あらゆる教養に通じる知性をたたえる京極堂を演じるのは、映画、舞台、テレビと幅広く活躍する堤真一。役柄によってまったく違い顔を見せ、長台詞にもびくともしない天性の演技力で、圧倒的な存在感に満ちた京極堂になりきった。
京極堂の友人で小説家の関口巽には、今や日本映画を代表する俳優の一人、永瀬正敏。狂言回し的な難しい役どころを繊細に演じた。
京極堂に負けるとも劣らない人気キャラクター、大財閥の御曹司で、他人の記憶が見えるという不思議な能力を持つ私立探偵・榎木津礼二郎には、個性派俳優として高く評価されている阿部寛。
スクリーンにとうじょうするだけで、観る者の瞳に焼きつくカリスマ性を発揮した。
榎木津の幼馴染で直情型の刑事・木場修太郎には、役者としても注目度の高い宮迫博之。京極堂の妹、いつも元気で可憐な敦子には、女優として日々成長を遂げている田中麗奈。
また、透明感あふれる歌と演技で知られる原田知世が、事件の鍵を握る院長の二人娘(姉妹)に二役で挑んだ。
まさに新境地を開いた、体当たりの演技は見逃せない。
涼子の母・菊乃には、年を重ねるごとに益々魅力を増しているベテラン女優、いしだあゆみ。その他、すまけい、清水美砂、篠原涼子、恵俊彰、寺島進、松尾スズキなど、錚々たる顔ぶれが揃った。
監督は、日本映画界の鬼才にして巨匠、実相寺昭雄。スタッフには、撮影の中堀正夫、美術の池谷仙克、音楽の池辺晋一郎と、日本映画界を支える実相寺組が集結した。
この夏、あなたは見てはならない怪奇に出会う−−−。

ストーリー



「20ヵ月もの間、子供を身ごもっていることが、出来ると思うかい?」
昭和20年代末の東京、夏。事件は、小説家の関口巽(永瀬正敏)が、古本屋の店主、 京極堂こと中禅寺秋彦(堤真一)に投げかけた、奇妙な質問で幕を開けた。関口は、 哲学、宗教、物理、民俗学などあらゆる知識を身につけた友人、京極堂を何かと頼り にしていた。巧みな弁舌で必ず論破されると知りながら、気が付くと今日も古本屋へ と続く眩暈坂を上って来たのだ。

「この世には不思議なことなど何もないのだよ、関口君。」京極堂は、関口の異常な質 問に落ち着き払って答える。雑誌「稀譚月報」の編集者である京極堂の妹、敦子(田 中麗奈)が、生活のために雑文もこなす関口に取材を依頼した怪しげな噂とは、雑司ヶ 谷の鬼子母神近くにある大病院、久遠寺医院の娘、梗子(原田知世)が妊娠20ヶ月 を迎えたという話だった。それだけではない。梗子の夫が、1年半前に医院の密室か ら忽然と消え、以来ずっと行方不明だというのだ。京極堂は、失踪した夫が旧制高校 の一級先輩の牧朗だと気付き、胸騒ぎを覚える。そして、共通の友人である私立探偵、 榎木津礼二郎(阿部寛)に相談するよう促す。

神保町にある榎木津の探偵事務所に向かう関口の足は重かった。関口は、凡人の理解 を遥かに超えた彼の言動に、いつも振り回されていたのだ。大財閥の御曹司である榎 木津は、他人の記憶が見えるという不思議な能力を持っていた。
榎木津の事務所でコトは急速に進展する。久遠寺梗子の姉・涼子(原田知世・二役) が牧朗の行方を捜してほしいと依頼に来たのだ。関口は、涼子の儚げな美しさにひと 目で心を奪われ、彼女を助けたいと願う。
榎木津と関口は敦子を伴って、久遠寺医院を訪れる。院長の嘉親(すまけい)と妻の 菊乃(いしだあゆみ)、住み込みの医療助手の内藤、そして涼子に迎えられ、榎木津 と関口は、梗子が閉じこもっている書庫に案内される。扉が開いた瞬間、榎木津は「 薄気味の悪い……まるで……」と言ったきり、こらえきれずに床に崩折れる。中に踏 み込んだ関口が見たものは……。

その頃、榎木津の幼馴染で、戦時中は軍隊で関口の部下だった刑事、木場修太郎(宮 迫博之)もまた、久遠寺医院の怪に関わっていた。元看護婦、戸田澄江の謎の死を追っ ていた木場は、新生児が連続して消えていたことを知る。医院側は死産だと主張した が、父親の一人が、久遠寺の娘が赤ん坊をさらって殺したと澄江から聞き出していた。 さらに木場は、久遠寺家は他人に死んだ子供を憑かせて呪い殺す”オショボ憑きの筋” だという証言を得る。
20ヵ月の妊娠、密室からの失踪、新生児連続誘拐、憑物筋の呪い……。調べれば調 べるほど、新たな謎が出現する。しかも捜査する側の関口が、自分は昔から涼子を知っ ていて、この事件の当事者の一人であるという不可解な感覚に襲われる。「京極堂、 頼む。久遠寺家の呪いを解いてくれ!」

京極堂のもう一つの顔、それは “憑物落とし”。黒装束で久遠寺医院に降り立った 京極堂は、涼子に告げる。「この館に巣食っている妖怪、姑獲鳥を退治しに参りまし た。」出産で死んだ女の無念から生まれるという妖怪、姑獲鳥の呪いだというのか? 今、激しい雨が、驚愕の結末の到来を告げようとしていた??!

スタッフ

監督:実相寺昭雄
原作:京極夏彦(「姑獲鳥の夏」講談社刊)
脚本:猪爪慎一
脚本協力:阿部能丸
企画・製作:小椋事務所
製作委員会:ジェネオン・エンタテインメント、電通、日本ヘラルド映画、東急レクリエーション、小椋事務所
配給:日本ヘラルド映画

キャスト

堤真一
永瀬正敏
阿部寛
宮迫博之

原田知世

田中麗奈

松尾スズキ
恵俊彰
寺島進
京極夏彦

原知佐子
三谷昇
すまけい
清水美砂
篠原涼子

いしだあゆみ

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