2004年12月23日よりビデオレンタル開始 2004年12月23日よりDVD発売開始 2004年7月31日より、UPLINK Xにて公開

公開初日 2004/07/31

配給会社名 0009

解説


カンヌ映画祭で絶賛された短編オムニバス。全欧7カ国が参加し、アニメーション、CGゲームからオペラまで様々な手法で魅せる、シネマ・アトラクション!

「FAST FILM」(オーストリア・ルクセンブルグ)
 監督:ヴァージル・ウィドリッチ
サイレント映画から現在のハリウッド映画まで、300もの作品から集めた約65000のモンタージュを元に2年の歳月をかけ作られた幻想的なアニメーション。

「Do You Have the Shine?」(スウェーデン・フランス)
 監督:ジョハン・ターフェル
『シャイニング』を思わせる廃虚ホテルのロビーで男の子が三輪車を漕いで遊んでいる。彼が進む先には双子の幽霊が…。観客も男の子と共にゲームに参加できるインタラクティブなCGアニメ。

「Play with me」(オランダ)
 監督:エッシャー・ロット
2002年ロッテルダム国際映画祭、ニューヨーク映画祭の他、数々の映画祭で高い評価を得た作品である。オランダの静かな水の風景のなかで眠る若い女性。白昼夢と彼女の記憶の中で次第に失われていく現実感覚を詩的映像で追う。

「field」(イギリス)
 監督:デュアン・ホプキンス
イギリスの美しい田園風景。自然の中での鮮烈な経験、日常にひそむ若者の狂気が静かに語られる。

「Janne da Arc on the Night Bus」(ハンガリー)
 監督:コーネル・モンドルッツォ
ジャンヌ・ダルクのよう強さと優しさを持った女性、ジャンヌを中心に繰り広げられるコンテンポラリー・オペラ。圧倒的な迫力で綴られる映像と音楽の饗宴。

ストーリー

「FAST FILM」
『博士の異常な愛情』から『雨に唄えば』『パリの恋人』といったハリウッド映画まで、300もの作品から約65000のモンタージュを集め2年の歳月をかけ、この画期的な作品は作られていった。驚いた顔、キスシーンなど様々なシーンのデータベースが作られ、それらのシーンが果たす役割が綿密に計算された。その上で、伝統的なハリウッドスタイルの作品に編集されたテンポのよいサスペンスは数々の名作の中の甘いキスシーンで幕を閉じる。悪役にはフランケンシュタインからゴジラまで。パニックシーンには西部劇からあの日本映画まで・・・。いくつ作品名を当てることができるのか?映画ファンには贅沢な楽しみ方が随所に用意されている。

「Do You Have the Shine?」
7歳のダニーは廃墟と化したホテルの廊下をひとり、三輪車に乗っている。観客はこのダニーと共に、薄暗く、不気味なホテルの中を移動することになる。このホテルには双子の姉妹の亡霊が住んでおり、予期せぬコーナーに潜んでいる。遭遇した者は死者の国へ引きずり込まれてしまうのだが、逃れる方法がひとつだけある。コーナーを曲がる際に目をつぶり、彼女たちを見ないようにするのだ。曲がり角は50あるが、私達には目をつびるチャンスが10回しか与えられていない。これを切り抜けるのに必要なものは敏速さでも頭脳でもない。未来を知ることができる“SHINE”だけである。コーナーを曲がる瞬間、静かに流れていた音楽が突如大きくなり、緊張感は否応なしに高まっていく。

「Play with me」
やからかい光と水が女性の白い肌の上に揺れ、鮮明に写される水の流れが観る者の皮膚感覚をリアルに刺激する。光の粒子、水中の気泡を戯れるかのようなひらひらとした手の動き、美しく歪んだ回想シーンに軽い目眩を覚えることだろう。絵画的な色彩を放つオランダの湿原の中を突き進むうちに遭遇するショッキングな映像が、穏やかな風景に一抹の不穏の影を投じる。突如現れた男性は彼女の父親なのか。時間軸は揺り戻され、思いもよらない展開が待ち受ける。彼女と共に水の中を弛たう心地よさ、繰り返される閉塞感、開放感を体験していくうちに、観客自らが美しくも不安定な白昼夢の中に導かれていく。

「field」
自転車に乗った少年が、ふと街灯の下に立ち止まり空を仰ぐ。暗闇に照らされる少年と自転車。その構図は童話的に美しい。しかし、この作品は残酷な童話である。言葉による説明、コミュニケーションを極力省いただけに、言い知れぬ奇妙な不安感がスクリーンに漂う。少年たちは何を遂行しようとしているのか。何かが起こりそうな不吉な前兆が象徴的にちりばめられ、美しくも残酷なラストシーンは観る者の心に深い余韻を残すだろう。

「Janne da Arc on the Night Bus」
曇天の下で鈍く光る湿ったアスファルト。そんな街の片隅で騒々しく鳴り響くサイレンの音、事故が起こり救急車が駆けつける。破けた衣服からこぼれるジャンヌの美しい乳房の下には、えぐれた内臓。死とエロスとのコントラストが重厚な映像で映し出されている。舞台は街路路から地下病棟、そして地下鉄の駅へと深く潜り、最後は天井の美しい世界へと飛翔していくのだが、それになぞらえて展開するオペラはジャズのような不協和音を交えながら迫力を持ってカタストロフィーを迎える。血を流しながら歌う彼らは生者なのか死者なのか。歌詞(セリフ)になんらかの意味や答え、ストーリー性を求めるのではなく緑の光線の中で繰り広げられる不条理なオペラを堪能するのが、この映画の観賞法でろうか。

スタッフ

監督:ヴァージル・ウィドリッチ
監督:ジョハン・ターフェル
監督:エッシャー・ロット
監督:デュアン・ホプキンス
監督:コーネル・モンドルッツォ

キャスト

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