それは地の深き所より来たる…真なる恐怖の存在! 第三弾「ホラー番長」シリーズ(監修=高橋洋)

2004年/日本/92分/DV/16:9 サイズ/ 企画・製作・配給:ユーロスペース 協力:映画美学校(NPO)

2005年04月02日よりDVDリリース 2005年03月04日よりビデオレンタル開始 2004年10月16日より渋谷ユーロスペースにてロードショー

(c)2004ホラー番長製作委員会

公開初日 2004/10/16

配給会社名 0131

解説




『映画番長』心得の条!
—“映画は戦場だ!”(サミュエル・フラー)—
一、『映画番長』シリーズは、若き才能に長編デビューの機会を与えることだけを目的としたものではない。
一、新人(刺客)には、すでに活躍中の気鋭の映画監督(番長)たちの作品を面白さで凌駕し、番長交代を強いることが課せられている。なぜなら映画番長を葬り去るしか、彼らに未来はないからだ。
一、『映画番長』シリーズは従って、番長にも刺客にも同一ジャンル、エンターテインメント作品、DV カメラ(Panasonic AG-DVX100 )による短期間撮影、同一予算という互角の条件を課した果し合いの場であり、力と技と戦略を観衆に問うコロシアムでなくてはならない。
一、近頃眼にする新人監督の映画は行儀がいい。だがこの時期の映画の面白さは本来、表現への理不尽な情熱にあったはずだ。
適度な技術とバランス感覚から生まれる企画に映画の未来はないとしよう。『映画番長』は、映画以上でも以下でもない真摯なデタラメさを競う場である。
一、その対決に勝利した番長と刺客だけが、次の機会を与えられる。
尚、今回は映画美学校の講師を番長とし、卒業生の中から刺客を選んだが、今後は他流試合も行っていく予定。

企画・製作・配給= ユーロスペース
協力= 映画美学校(NPO)

 映像カメラマンの増岡拓喜司(塚本晋也)は、身のまわりの風景を意識的に、または無意識に撮影し、それを編集することを日常としていた。そこには現実か否か、たしかに彼にしか見えないものが存在するかのようであった。
 汚職事件の取材中、自殺騒ぎの現場に出くわした増岡は、一人の男が自らの左眼をナイフで貫いて死ぬ瞬間を偶然撮影する。独占スクープとしてテレビで放送された映像をくり返し観ながら、増岡は、自殺した黒木阿礼という男(中原和宏)が死の瞬間、ある一点を凝視し、「なにか」に異様に脅えていたこと
に心を奪われる…。

ストーリー




 真なる恐怖への渇望——それに取り憑かれる増岡は、黒木が死の瞬間に見た「なにか」を自分も見たいと考える。再び訪れた事件現場で、奇妙な通路を見いだした増岡は、「東京の地下には知られざる地下施設がある」という都市伝説を思い出す。通路のなかには「なにか」に脅えるホームレスの男がいた。男は「〈デロ〉に見つかったら、血を吸い尽くされてしまう」という。そしてさらに地下深く進んだ増岡の目の前に、死んだはずの黒木が現われる。黒木は地下には地上とは別の世界が広がっていること、〈デロ〉とは〈デトリメンタルロボット〉という危険な生き物のことであると増岡に告げる。
 これらは現実なのか、それとも増岡のゆがんだ思考世界の見せる幻想か——やがて地底に広がる〈狂気の山脈〉なる空間にたどり着いた増岡は、洞窟のなかで鎖に繋がれて横たわる一人の少女(宮下ともみ)を発見する。
 増岡はその少女をF と名付け、自宅のマンションで育てようと試みる。そのためドアに内側から開けることのできない鍵を取り付け、外出中も携帯電話で監視できるよう室内にカメラを設置する増岡。やがて増岡の生活はF を中心に回り始める。と同時に、増岡の身のまわりには黒ずくめの男(菅田俊)が現われたり、得体のしれない電話がかかってくるようになる。
 人間の姿をしてはいるが、獣のように四つ脚で歩き、言葉も話さないF——。なにひとつ人間の食べ物を口にしないF の身体は次第に衰弱してゆく。どうしてよいのか途方に暮れる増岡。しかしある日、怪我をした彼の指の血をF が美味そうに舐めたことから、増岡はF が動物、とりわけ人間の血を強く求めていることに気づく。
 F を飼育するためのじゅうぶんな餌を手に入れようとする増岡は、手始めに彼をつけまわしていた女、福本綾(蜷川みほ)の喉をナイフで掻き切って血を採取したあと、次なる犠牲者を求めて今度は夜の公園へ出かけてゆく。
 果たしてF は増岡の考える通り〈デロ〉なるものに育てられた稀人(まれびと)なのか。それとも…

スタッフ

監督:清水崇
原案・脚本:小中千昭
プロデューサー:堀越謙三、平田樹彦、尾西要一郎、大野敦子
共同プロデューサー:池崎嘉康、瀬端文雄、村上比呂夫、有吉司、堀越崇
撮影:田辺司
音楽:滝根俊之
撮影:田辺司
照明:箕輪栄一
編集:宇賀神雅裕
録音:小宮元
美術:平井淳郎
助監督:井上雄介
プロダクションマネージャー:田中深雪
制作担当:岡村忠征
ヘアメイク:宗村幸絵
スタイリスト:北條訓子
特殊メイク:ピエール須田
マットペインティング:松島ひろし
製作:アットエンタテインメント、アドネス、ジャパンケーブルキャスト、カルチュア・パブリッシャーズ、
   パノラマ・コミュニケーションズ、ユーロスペース

キャスト

塚本晋也
宮下ともみ
中原和宏
蜷川みほ
菅田俊

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