LUNATIC POWER OF LOVE〜愛(エロス)の力はひとを狂わせる〜 第2弾「エロス番長」シリーズ

2004年/日本/91分/DV/ビスタサイズ 配給:ユーロスペース/宣伝:イメージリングス

2004年8月21日よりユーロスペースにてロードショー!

公開初日 2004/08/21

配給会社名 0131

解説



同型のDVカメラによる撮影、同一予算、エンターテインメント作品という互角の条件のもとに、日本映画界を代表する監督(番長)と気鋭の新人(刺客)たちが技と力を競い合う『映画番長』、その第2弾「エロス番長」シリーズは、ピンク映画四天王と呼ばれた瀬々敬久が監修をつとめ、番長の名にふさわしく自らが見出した二人の若き才能の挑戦を受けて立ちます。吉田良子の『ともしび』はムダなセリフを排した静寂の中に都会で生きる女性ならではの切ない愛を描き、西村晋也の『ラブキルキル』は妄想ばかりがヒステリックに暴走する田舎町の恋愛模様を軽妙洒脱に描く逸品です。一方、瀬々監督自身の『ユダ』は大ヒットした『MOON CHILD』(03)以来となる待望の劇場長編最新作。現代社会の病巣と憂鬱をスタイリッシュに描く鮮烈なタッチは健在ながら、登場人物たちに注がれるやさしさの眼差しは新境地とも言え見逃せません。そして今回、ピンク映画界の巨匠にして若者たちからリスペクトを集める渡辺謙監督長年温めてきた企画を『片目だけの恋』として結実、特別招待として参加するのも話題です。

『映画番長』心得の条!
−“映画は戦場だ!”(サミュエル・フラー)−
一、『映画番長』シリーズは、若き才能に長編デビューの機会を与えることだけを目的としたものではない。
一、新人(刺客)には、すでに活躍中の気鋭の映画監督(番長)たちの作品を面白さで凌駕し、番長交代を強いることが課せられている。なぜなら映画番長を葬り去るしか、彼らに未来はないからだ。
一、『映画番長』シリーズは従って、番長にも刺客にも同一ジャンル、エンターテインメント作品、DVカメラ(Panasonic AG-DVXlOO)による短期間撮影、同一予算という互角の条件を課した果し合いの場であり、力と技と戦略を観衆に問うコロシアムでなくてはならない。
一、近頃眼にする新人監督の映画は行儀がいい。だがこの時期の映画の面白さは本来、表現への理不尽な情熱にあったはずだ。
適度な技術とバランス感覚から生まれる企画に映画の未来はないとしよう。『映画番長』は、映画以上でも以下でもない真摯なデタラメさを競う場である。
一、その対決に勝利した番長と刺客だけが、次の機会を与えられる。
尚、今回は映画美学校の講師を番長とし、卒業生の中から刺客を選んだが、今後は他流試合も行っていく予定。

ストーリー



愛し方を間違えた男と、愛する人を問違えた女のオフビート・ラブバトル

大平洋に面した館川市はかってはリゾート都市であったが、いまは寂れたドライブインや商店街、スクラップ置き場などが点在する不景気な土地だった。イケてないのを絵に描いたようなこの街では、誰もが目に見えない閉息感に冒され、どこかしら常軌を逸しているように見えた。皆川サトシ(津田寛治)、ハローワーク職員。一見生真面目そうに見えるこの男は、ポルノショップの常連で洋ピンマニア。しかも悪趣味なSMモノが大好物だ。太田ナオ(愛葉るび)、フリーター。高校生のくせに学校へは行かず、ポン友のマミと街をうろついて暇を潰している。でも最近マミのつき合いが悪くて面白くない。前嶋サユリ(街田しおん)、無職。この街にはもったいないような美人だがルーズな性格。
一戸建ての屋敷に弟のコウ(松田祥一)と二人っきりで住んでいる。コウはいじめられっ子のくせに部屋でドラッグキノコを栽培するようなヤバい高校生だ。これら接点のなかった人間たちの運命が、ある日、ひょんなことから複雑に絡み合ってしまう…。
監督の西村晋也は、1964年生。高校在学中から8ミリ映画を撮り始める。その後多数のテレビ番組、VP、CMなどに制作・演出スタッフとして参加、現在に至る。今回が長編初監督作品となる。

スタッフ

監督・脚本:西村晋也
プロデューサー:堀越謙三、大野敦子
撮影:鈴木一博
音楽:KUKNACKE
編集:中牛あかね
録音:小宮元
美術:山田好男
監督補:榎本敏郎
助監督:大西裕
プロダクションマネージャー:田中深雪
ヘアメイク:岩谷トモ子
スタイリスト:北條訓子



企画・製作・配給:ユーロスペース
協力:映画美学校(NPO)

キャスト

津田寛治
愛葉るび
街田しおん
松田祥一

LINK

□公式サイト
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す