原題:The Machinist

すでに365日寝ていない。 人間の想像と限界を超えた未体験ショック・ムービー!!

2004年サンダンス映画祭ワールドプレミア出品作品 2004年ベルリン国際映画祭正式出品作品 2004年ニューシャテル国際ファンタスティック映画祭グランプリ主要2部門受賞

2003年/スペイン・アメリカ合作/102分/カラー 配給:東芝エンタテインメント

2005年09月22日よりビデオリリース 2005年09月22日よりDVDリリース 2005年2月12日より渋谷シネクイントにて衝撃のロードショー!

公開初日 2005/02/12

配給会社名 0008

解説


 人間の想像を越えた限界点から始まる物語はいったいどこへ帰着するのか?すでに365日眠っていない男の366日目からの未体験ショックムービー。
 もしも、あなたが1年間、眠れなかったとしたら?
人間が眠らないでいられる最長時間は公式記録で11日間。1年間不眠が続くことは不可能だ!しかし…この映画の主人公、トレバー・レズニックに会えば、その“ありえない”物語はまさに現実となる!

映画はトレバーが1年間365日、眠っていないという極限の状態から始まる。個人的な感情を差し挟むことなく、毎日規則正しい作業が必要とされる工場の機械工。平凡な生活を送っていたはずの彼は、今では原因不明の極度の不眠症に陥り、食欲を失い、誰もがその存在を怪しむほどにやせ細っていた。そんなある日、彼は冷蔵庫に貼られた不気味なハングマン・ゲームの張り紙を見つける。一体、誰が?何のために貼ったのか?そして、トレバーの前に現れた新しい同僚アイバン。だが、工場の他の者は、誰もアイバンの存在を認めない。
 それ以降、トレバーの身の回りで次々に奇妙な出来事が起こる。工場では同僚が突発事故で腕を失い、トレバー自身も命の危険にさらされる。何者かがトレバーを狙い、陰謀に陥れようとしている。そう直感したトレバーは事件の真相を探り始める。冷蔵庫に貼られた謎のハングマン・ゲームの意味は?
トレバーが眠れる日は再び訪れるだろうか?
誰も体験したことがないトレバーの刺激的でショッキングな物語。その斬新な映像感覚は20024年のサンダンス映画祭、ベルリン映画祭で大反響と賞賛の嵐を巻き起こし、ニューシャテル国際ファンタスティック映画祭では、見事最優秀作品賞等主要2部門制覇を果たした。

時間と場所 、人物でさえ超越した大胆不敵な設定、緻密な構成に全米マスコミも大絶賛!
1年間眠れない男、トレバーを主人公に、大胆不敵なショック・ムービーを作り上げたのは、「ワンダーランド駅で」や「セッション9」で知られ、21世紀のアメリカ・インディペンデント界の未来を背負うといわれる鬼才監督、ブラッド・アンダーソン。新人脚本家スコット・コーサー(「テキサス・チェーンソー」)の脚本に惚れこんで映画化を決意。そのダークで不可思議なストーリー展開にハリウッドのスタジオはひるみ、最初は映画化が難航したが、スペインの映画会社、フィルマックス・インターナショナルが興味を示し、遂に大胆な物語の映画化が実現した。アンダーソン監督は「場所も、時間も超越した設定にしたかった。どこかモダンなカフカの世界を目指した」とコメントする。何者かが自分の命を狙い、陰謀に陥れようとしている。という恐怖にとらわれる主人公。さらに映画の随所に散りばめられた暗号めいた数字や記号。ハングマン・ゲーム、ルート666、車体ナンバー743CRNの意味は?数々の謎に遭遇し、事件の真相を探るうちに、彼はさらなる事件に巻き込まれる。
骸骨のように痩せ細り、死が目前に迫るほどに追い詰められた男を描き、やがては、そこはかとない悲哀感と安堵感で見る人の心を包み込む。ヒッチコックのスリラー映画も意識したというアンダーソン監督のパワフルな演出は、「ヴァラエティ」や「ハリウッド・レポーター」など、アメリカのマスコミに大絶賛され、新世紀スリラーの傑作と評価されている。

早くもオスカーの呼び声が高いクリスチャン・ベイルの完璧な演技。2005年を代表する最も旬な俳優。
この映画で大きな話題を呼んでいるのが、まるで骸骨のようにやせこけた主人公トレバーを演じるクリスチャン・ベイルの熱演だ。サンダンス映画祭では、その完璧な演技力で観客とジャーナリストを圧倒し、早くも2004の各演技賞の本命とみなされている。脚本家のスコット・コーサーは、最初はCGか着ぐるみを使って、トレバーの痩せた肉体を表現するつもりだったが、主演に選ばれた「アメリカン・サイコ」のクリスチャン・ベイルは、驚異のダイエットを重ねて、63ポンド(約30キロ)も体重を落とし、役になりきった。元々、その演技力には定評があり、クリストファー・ノーラン監督の「バッドマン・ビギンズ」では新バットマン役にも選ばれ、今、ノリに乗っている注目の若手俳優、ベイル。ハリウッドではジョニー・デップやショーン・ペンの次を担う演技派として期待される彼が、外見も内面もトレバーになりきり、その心の葛藤を見事に表現してみせる。

実力派ぞろいのキャストとスタッフ
アンダーソン監督の不思議な悪夢の世界を体現するため、実力派のキャストとスタッフが一同に集められた。主人公トレバーの心の支えとなる娼婦スティービーには「イン・ザ・カット」の個性派女優ジェニファー・ジェイソン・リー。トレバーと遊園地に行くシングルマザーのマリアには「裸のマハ」の演技が評価されたアイタナ・サンチェス=ギヨン。トレバーの工場の同僚ミラーを演じるのは「トータル・リコール」のマイケル・アイアンサイド。謎の男アイバン役は「ラブ・アクチュアリー」のジョン・シャリアン。
 製作はスペインでフィルマックス・インターナショナルなどを経営し、「ダークネス」などの製作者でもあるフリオ・フェルナンデス。撮影は「10億分の1の男」のジャビ・ヘメネス。美術は「キカ」のアラン・ベイネ。編集は「ネイムレス 無名恐怖」のルイス・デ・ラ・マドリード。音楽は「サロメ」でゴヤ賞受賞のロケ・バニョス。アンダーソン監督はヒッチコックの「めまい」や「サイコ」の音楽を意識したスコアを彼に披露。その期待に答えたバニョスはテルミンなどの電子楽器も使って、トレバーの恐怖を厚みのあるオーストライア音楽で表現し、その手腕を高く評価された。

ストーリー


不気味なハングマン・ゲームの張り紙。謎の大男アイバン。
ナンバープレート743CRNの赤い車…。365日寝ていない機械工が巻き込まれていく不可解な事件。
工場で平凡な機械工として働くトレバーは、原因不明の極度の不眠症ですでに365日眠っていない。それでも彼は毎日単調な仕事に向かい、真面目に働いていた。そんなある日、自宅の冷蔵庫に不気味な張り紙が貼られているのを見つける。一体、誰が?何のために貼ったのか?その後、工場にアイバンという名前の新しい同僚がやってくる。それと前後して起こる数々の不可解な出来事。同僚ミラーの片腕切断事故、遊園地の妖しい乗り物、ルート666で体験した奇妙な感覚。自分の後をつきまとうように姿を現すナンバープレート743CRNの赤い車。誰かが陰謀をはりめぐらせ、自分を落とし入れようとしている。そう直感するトレバーは、必死で事件の真相を解明しようとする。そして、冷蔵庫に貼られたハングマン・ゲームの最後の文字が判明した時、すべての事件と謎が恐ろしいひとつの真実を浮かび上がらせる。

[ERで終わるハングマン・ゲーム]
工場で毎日を平凡な機械工として過ごすトレバー(クリスチャン・ベイル)は、原因不明の極度の不眠症によりすでに365日も眠っていなかった。体重もかつての約1/2の50キロ近くまで減少し、すでに生きた屍のように痩せ細っていた。そんな彼はある日、冷蔵庫の横にミステリアスな文字が貼り付けてあるのに気づく。それはハングマン・ゲームと呼ばれるアルファベットの文字をあてはめていく文字当てゲームだ。紙に書かれたERの前にある4つの空欄。そこには、どんな文字が入るのか?MOTHER、TUCKER、MILLER、そして、最後に彼が見つけた文字。その言葉が意味するものとは?

[謎の大男、アイバン]
トレバーは、ある日、工場の駐車場でアイバン(ジョン・シャリアン)という大男と出会う。赤い車に乗った男は、トレバーに話し掛けてきたが、これまで工場では見たこともない顔だった。そんな彼と出会った日から奇妙な事件が次々に起こる。工場ではアイバンに気を取られたトレバーの不注意で、ロックしたはずのマシーンのスイッチが入り、同僚ミラー(マイケル・アイアンサイド)が片腕を失ってしまう。そして、今度はトレバーが作業中に、マシーンが勝手に動き出し、腕を切断しそうになる。これは同僚たちが仕組んだ罠なのか?それとも、事件にはアイバンが絡んでいるのか?だが同僚たち誰もアイバンの存在を認めようとしない。

[遊園地の妖しい乗り物、ルート666]
トレバーのお気に入りの場所は、空港にあるカフェだった。たった一杯のコーヒーを求めて彼は毎日のように空港へと向かう。そこでコーヒーとパイを出してくれる優しいウエイトレス、マリア(アイタナ・サンチェス=ギヨン)の笑顔に不眠で衰弱したトレバーの心は慰められていたのだ。母の日に彼はシングルマザーの彼女と息子ニコラスと共に遊園地へ行く。そこでルート666という不思議な名前の乗り物にニコラスと乗る。しかし、行く先は、想像を絶する現代の地獄。ムチで打たれる人や血のついた布をまとった死体、切り取られた腕といったおどろおどろしい光景が眼に飛び込んでくる。その先にある天国と地獄の別れ道をトレバーの意思とは反対に地獄へとハンドルを向けるニコラス。そして乗り物を降りた途端に、ニコラスは、持病の癲癇で倒れてしまう…。

[ナンバープレート743CRNの車の持ち主]
ミラーの事故がきっかけで、同僚たちと折り合いが悪くなっていったトレバーは、遂に工場をクビになる。そんな時、偶然見つけたミラーと大男アイバンが一緒に写った写真。2人の陰謀と自分への殺意を感じたトレバーは、ミラーの家へと乗り込む。そこで赤い車に乗った謎の男アイバンを再び見かける。彼こそが事件の真相の鍵を握る男だ!そう直感したトレバーは、彼の車の後を追い、遂に743CRNというナンバープレートをつきとめる。そうしたらナンバープレートから持ち主がわかるのか?トレバーはわざと車に飛び込み、傷だらけの顔で警察に行き、743CRNにひき逃げ犯が乗っている、とウソをつく。だが、車の意外な持ち主が判明し、トレバーは大きな衝撃を受ける…。

[スティービーの部屋に飾られていたアイバンの写真]
トレバーは、ひき逃げされた時の傷を癒すため、親しい娼婦スティービー(ジェニファー・ジェイソン・リー)の部屋を訪ねる。トレバーと彼女はお客と娼婦という関係を超え、今や人間的な温かい感情を通わせ始めていた。夫と別れた後、娼婦として暮らしている心根の優しいスティービーは、別の仕事を探して、トレバーとふたりで暮らしたい、と将来のささやかな夢を語る。その日、彼女はトレバーのために、生まれて初めて料理を作る。しかし、ベッドの横で、トレバーは恐るべき写真を発見する。そこには、捜し求める大男アイバンが、大きな魚を持ってミラーと写っているではないか。なぜ?スティービーのかつての夫とは、アイバンなのだろうか?周りはみんなグルだったのか?スティービーをなじるトレバーに向かって、彼女はショッキングな真実を語る…!

※ハングマン・ゲーム
首吊り人形の絵が完成する前に、指定した単語の「つづり」を当てられれば勝ちとなる文字当てゲーム。子供が文字を覚える際にも使用されているアメリカで広く伝わるゲーム。遊び方は、一つの単語を思い浮かべ、その単語の文字数分だけアンダーバーを引く。使われていると思われるアルファベットを指定し、それが実際に使われていれば、アンダーバーに文字が入り、使われていなければ人形が首を吊られていく。首が吊られるまえに単語をあてれば勝ち。

スタッフ

監督:ブラッド・アンダーソン
脚本:スコット・コーサー
プロデューサー:フリオ・フェルナンデス
エグゼクティブ・プロデューサー:カルロス・フェルナンデス
                アントニア・ナヴァ
撮影監督:シャヴィ・ヒメネス
ライン・プロデューサー:テレサ・ゲファエル
アート・ディレクター:アラン・ベイネ
サウンド:アルベール・マネラ
編集:ルイス・デ・ラ・マドリード
音楽:ロケ・バニョス

キャスト

クリスチャン・ベイル
ジェニファー・ジェイソン・リー
アイタナ・サンチェス=ギヨン
ジョン・シャリアン
マイケル・アイアンサイド
ラリー・ギリアード
レグ・E・キャシー
アンナ・マッセイ

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