ソウル・オブ・マン
原題:THE SOUL OF A MAN
誰もがここから旅立った、誰もがここにたどり着く。101年目の感動の旅はスクリーンからはじまる。
2003年カンヌ国際映画祭特別招待作品
2003年/アメリカ/104分/ビスタ/DOLBY/日本語字幕:石田泰子 配給:日活
2005年00月09日よりビデオリリース 2005年03月04日よりDVDリリース 2004年8月28日、ヴァージンシネマズ六本木ヒルズほかにて公開
(C) 2003 Vulcan Productions, Inc. and Reverse Angle International Gmbh All Rights Reserved
公開初日 2004/08/28
配給会社名 0006
解説
■The BLUES Movie Projectとは
◎ブルースは心の音楽
2004年はブルース・イヤーだ。昨年はアメリカで“ブルース生誕100年”としてさまざまな記念事業が行われ、今年に入ってからはエリック・クラプトンがブルースの神様ロバート・ジョンソンに捧げる「ミー&Mr.ジョンソン」、エアロスミスが「ホンキン・オン・ボーボォ」と、あいついでブルース・アルバムを発表するなど、いつになくブルースが盛り上がっている。 そしてこの夏、待望のブルース・ドキュメンタリー映画「THE BLUES Movie Project」が日本公開となる。ブルースは原始時代からの、人の“心”を歌う音楽。社会情勢や経済が不安定な現代は、その“心”が求められている時代であるがゆえに、ブルース・ミュージックは我々の胸を打つのである。
◎スコセッシとヴェンダースの巨匠最強タッグ
映画の歴史において、音楽は常に大きな役割を占めてきた。1927年、史上初のトーキー映画『ジャズ・シンガー』からして音楽映画だったし、プレスリーもビートルズも、U2もエミネムも、スクリーンの中に飛び込んでいった。 そんな数々の音楽映画の中でも高い評価を得ているのが、マーティン・スコセッシが監督したザ・バンドの解散コンサートのドキュメント『ラスト・ワルツ』と、ヴィム・ヴェンダースがキューバ音楽の神髄をとらえた『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』。その二人が最強のタッグを組んだ「THE BLUES Movie Project」は、ミュージック・ムービー80年の決定版といえるだろう。
◎ミシシッピから宇宙まで飛び出していくロマン
「THE BLUES Movie Project」は第一線で活躍する7人の映画クリエイターの総力を結集させた壮大なプロジェクトである。これまでにも『ブルース・ブラザーズ』『クロスロード』など、ブルースを題材にした映画はあったが、これほどの規模でブルースが取り上げられるのは、史上初のことである。それぞれ独立した長編映画が全7作、しかもスコセッシやヴェンダースといった巨匠やドキュメンタリー畑のビッグネーム達、そしてあのクリント・イーストウッドが監督として参加。7つの異なった視点からブルースを表現し、ミシシッピからアフリカ、そして宇宙にまで飛び出していくこのプロジェクトは、それ自体をひとつのドラマ、ひとつのロマンと呼ぶことができる。
■アメリカにおけるYEAR OF THE BLUESイヤー・オブ・ザ・ブルース
1903年、ミュージシャンのW.C.ハンディがたまたま立ち寄ったミシシッピ州タトワイラーの列車駅。そこで彼が耳にしたのは、名も知れぬ黒人ミュージシャンがぼろぼろのギターで奏でる不思議な音楽だった。彼はそのとき聴いた曲を元に「メンフィス・ブルース」を書き、初めてブルースの曲を楽譜化、著作権登録している。それから100年、アーカンソー州のブランシュ・リンカーン上院議員の議案を元に、「アメリカのルーツ・ミュージックで最大の影響力を持ち、20世紀アメリカの歴史をドキュメントする音楽形態」であるブルースの生誕100年を記念して、アメリカ上院は2003年2月1日からの1年を公式に”イヤー・オブ・ザ・ブルース”と宣言したのだった。 この1年間、さまざまなイベントやライヴが行われたが、中でも注目を集めたのが2月7日、オープニング・イベントとしてニューヨークのラジオ・シティ・ミュージック・ホールで行われたライブコンサート「サルート・トゥ・ザ・ブルース」。 この日のステージにはエアロスミス、B.B.キング、バディ・ガイ、メイシー・グレイらが上がり、大きな盛り上がりを見せた。大衆音楽であるブルースについて上院があれこれ言うことにピンと来なかったことも事実だが、”イヤー・オブ・ザ・ブルース”が制定されたことによって、ブルースは新たな注目が集められることになった。 マーティン・スコセッシ制作総指揮の7部作「THE BLUES Movie Project」、そして同題のラジオ番組(ケヴ・モがホストを務めた)が制作されたのも、”イヤー・オブ・ザ・ブルース”のおかげだったといえるだろう。そんな一連の流れのせいもあり、2004年の音楽シーンはいつになくブルースが熱い。エリック・クラプトンがロバート・ジョンソンの楽曲をプレイした「ミー&Mr.ジョンソン」、エアロスミスのブルース・カヴァー・アルバム「ホンキン・オン・ボーボォ」がチャートの上位にランクインさせたのを筆頭に、ケヴ・モ「キープ・イット・シンプル」、ジョニー・ラング「ロング・タイム・カミング」、ゲイリー・ムーア「パワー・オブ・ザ・ブルース」などが次々とリリースされている。 そして2004年の夏、日本でも「THE BLUES Movie Project」公開が決定。真の”イヤー・オブ・ザ・ブルース”は、いよいよ始まったところなのだ。
ストーリー
●The First Journey 〜ブルースの魂を見つける旅に出る〜
1977年、ボイジャーが宇宙に運んだ曲 – それは、地球の“心の音”として選ばれたブルースマンの歌
『パリ、テキサス』『ベルリン天使の詩』などで成功を収め、現代の映画界を代表する映像作家として高く評価されているヴィム・ヴェンダース。1999年の『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』でキューバ音楽の魅力をあますところなく描ききった彼が5年の月日を経て、音楽の根源であるブルースにたどり着いたのが『ソウル・オブ・マン』だ。ボイジャーが宇宙に運んだ曲を生み出したブラインド・ウィリー・ジョンソン、クリーム時代にエリック・クラプトンがカヴァーしてヒットを飛ばしたスキップ・ジェイムス、シマウマ柄のジャケットを着てハイトーンの歌声を響かせるJ.B.ルノアーという時代も場所も異なる三人のブルースマンに焦点をあて、宇宙にまで飛び出していく大胆なアプローチは、まさに独壇場。伝説のブルースマンを題材に得て、ヴェンダース自身の“ミュージカル・ジャーニー”はついに完成をみた。
豪華なミュージシャンの共演。誰も見たことのないライブ映像の連続
『ソウル・オブ・マン』はあらゆるジャンルで活躍する新旧ミュージシャンが魂の根源であるブルースに取り組んだ、7本の作品中もっとも色彩豊かな作品となっている。1930年代に活躍したブラインド・ウィリー・ジョンソンやスキップ・ジェイムス、40〜60年代に活動したJ.B.ルノアーなどの伝説的ブルースマンを題材にとっているのに加え、彼らの魂を今日でも受け継ぐボニー・レイット、そしてルー・リード、ニック・ケイヴ、ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョン、ロス・ロボスといった現代のトップ・ミュージシャン達によるブルース解釈まで、ヴェンダースがたどったのと同じブルースの旅路を再体験することが出来る。
スタッフ
監督:ヴィム・ヴェンダース
キャスト
スキップ・ジェイムス
J.B.ルノアー
ベック
イーグル・アイ・チェリー
ルー・リード
ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョン
ほか
LINK
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