原題:Anything Else

本国アメリカにて2003年9月19日公開

2003年/アメリカ/112分/シネマスコープ/ドルビーデジタル/カラー/PG-12 配給:日活

2007年07月06日よりDVDリリース 2006年1月21日、恵比寿ガーデンシネマにてロードショー公開

公開初日 2006/01/21

配給会社名 0006

解説


ウディ・アレンがニューヨークに贈る最高のラブレター。
ちょっと真面目でちょっとエッチなピースフル・コメディ。
 第60回ヴェネチア映画祭の栄えあるオープニングを飾り、観客を大いに湧かせたウディ・アレンの話題作が登場した。『僕のニューヨークライフ』は、40年近いキャリアを通じ、ほぼ年1作のペースで監督作を発表し続けてきたアレンが、初めて手がけた青春映画。恋とニューヨークと憂鬱。おなじみのモチーフを、私小説の味わいを持つ一人称のスタイルで編み上げながら、人生の岐路に立たされたひとりの青年の成長と旅立ちを、温かなまなざしでみつめたコメディの快作だ。

ウディ・アレンが惚れ込んだキャスト&スタッフ
 主人公のジェリーは、シリアスな小説家に転身をはかろうとしているバツイチのコメディ作家。まるで『マンハッタン』の主人公をひとまわり若くしたような彼と、気まぐれで奔放な女優の卵アマンダとの同棲生活を、コミカルに描写する物語は、『アニー・ホール』を彷彿させるヴィヴィッドな魅力を放っている。その中で語られていく、若きジェリーの不安ととまどい。仕事にも恋愛にも漠然と行き詰まりを感じている彼は、人生の師と仰ぐ先輩作家から持ちかけられたカリフォルニア行きの話に心ひかれるが、いっぽうで、愛する人や街とのしがらみを、自分が断ち切れるか否かで大いに悩む。

 そんなジェリーの心情をこまやかに演じ、観客の共感をひきつけるのは、大ヒット・コメディ『アメリカン・パイ』シリーズの主演で知られるジェイソン・ビックス。自分の未来を手探りしていくもどかしさと、飛べない自分に対する苛立ちを、等身大で見せる彼の演技は、この映画の好感度の決め手だ。いっぽう、ジェリーを翻弄する小悪魔的な恋人アマンダには、ビッグスと共演した『私は「うつ依存症」の女』や『モンスター』などのカルト作で独特の個性を光らせているクリスティナ・リッチが扮し、同世代NO.1の演技派の底力を見せつける。ジェリーに浮気をツッコまれてもなんのその、「愛するあなたのためにやったのよ」と、あっけらかんと言ってのけるアマンダの、イノセンスとしたたかさが同居する役作りは、リッチならではの魅力。「僕はずっと前から彼女のファンだった」というアレンが、今回、たっての希望で彼女をキャスティングした。

 主演のふたりを取り巻く助演陣には、ジェリーのイカれた師匠に扮するウディ・アレンをはじめ、クセモノの顔ぶれがそろった。崖っぷちに立たされたジェリーのマネージャー、ハーヴィを演じるのは、プロデューサーとしても活躍する名バイプレーヤーのダニー・デビート。娘以上に奔放なアマンダの母ポーラには、『私に近い6人の他人』でオスカー候補にあがったストッカード・チャニング。アマンダの元彼ボブには、TV「サタデー・ナイト・ライブ」出身の人気コメディアンで、『TAXI NY』に主演したジミー・ファロン。また、ジェリーたちがジャズ・クラブのヴィレッジ・ヴァンガードを訪れるシーンには、『五線譜のラブレター』にも出演していたジャズ・シンガーのダイアナ・クラールが、本人の役で登場。「It Could Happen to You(あなたに降る夢)」の名唱を聞かせる。
 
愛情と映画の記憶がいっぱい詰ったニューヨークライフ。
ヴィレッジ・ヴァンガードを筆頭に、ジェリーのニューヨークライフを彩る多彩なロケーションも、本作の大きな見どころのひとつだ。プロダクション・デザインを手がけたのは、アレン作品の常連サント・ロカスト。撮影監督は、『エビータ』でオスカー候補となり、近作の『ザ・インタープリター』でもニューヨーク・ロケを手がけているダリウス・コンジ。彼らふたりと鉄壁のコラボレーションを組んだアレンは、クイーンズからブルックリンまでの広範囲な地域でロケを決行。古き良き時代のニューヨークの面影を残すスポットをめぐりながら、その情景を、秋の日差しを思わせる暖色系の映像の中に美しく封じ込めていく。

ストーリー



 ジェリー(ジェイソン・ビッグス)は、ニューヨークに住む新進のコメディ作家。仕事でそこそこの成功をおさめた彼の目下の悩みは、気まぐれな女優の恋人アマンダ(クリスティーナ・リッチ)との仲が、しっくりいかないことだ。半年におよぶセックス・レス生活と、突然アパートに転がり込んできた強烈なアマンダの母との同居。二重の苦難を堪え忍ぶジェリー。おまけに、デビューから付き合ってきたマネージャー:ハーヴィ(ダニー・デヴィート)は、ろくな仕事を持ってこない。そんな中で、ジェリーの先輩であり、良き相談役?イカレタ作家ドーベル(ウディ・アレン)は、アマンダの浮気疑惑を指摘、マネージャーとの契約打ち切りをささやいて、コンビを組んでカリフルニアへ移住しようと誘いかける。それは、アマンダとも、ニューヨークの暮らしとも、別れることを意味していた。果たして、自分は愛するものに背を向け、旅立つ勇気が持てるのか!? ジェリーの心は、複雑に揺れ動く……。

スタッフ

監督:ウディ・アレン
製作:レッティ・アロンソン
共同製作:ヘレン・ロビン
製作総指揮:スティーヴン・テネンバウム、ジャック・ロリンズ、ベニー・メディナ
共同製作総指揮:チャールズ・H・ジョフィ
脚本:ウディ・アレン
撮影:ダリウス・コンジ
美術:サント・ロカスト
衣装デザイン:ローラ・ジーン・シャノン
編集:アリサ・レプセルター

キャスト

ジェイソン・ビッグス
クリスティナ・リッチ
ウディ・アレン
ストッカード・チャニング
ダニー・デヴィート
ジミー・ファロン
フィッシャー・スティーヴンス
ケイディー・ストリックランド
ダイアナ・クラール
エリカ・リーセン
ウィリアム・ヒル
デヴィッド・コンラッド
エイドリアン・グレニアー

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