原題:Blood and Bones

血は母より、骨は父より受け継ぐ

2004年/日本/2時間24分 配給:松竹、ザナドゥー

2005年04月06日よりビデオリリース 2005年04月06日よりDVDリリース 2004年11月6日、丸の内プラゼールほか全国松竹・東急系で公開

公開初日 2004/11/06

配給会社名 0003/0103

解説


原作、梁石日(ヤン・ソギル)×監督、崔洋一×主演、ビートたけし

“怪物”と呼ばれた男の鮮烈にして壮絶な生き様
一大センセーションを巻き起こした
ベストセラー小説「血と骨」待望の映画化!

1923年。一旗揚げることを夢見て祖国を後にし、済州島から大阪に渡ってきた金俊平。しかしそこで彼を待ちうけていたのは、差別と劣悪な労働条件だった。腕のいい蒲鉾職人でもあった俊平は、やがて自分の蒲鉾工場を立ち上げて成功するが、金銭へのあくなき執着から高利貸しへと転じていく。何度も直面するままならない境遇を、そのつど強靭な肉体と持ち前のずる賢さでたくましく生き抜く俊平だったが、その並外れた凶暴さと強欲さが、周囲の人々を不幸に陥れる。生涯誰にも心を開かず、凄まじいまでに孤独に生きた男が本当に望んだものは、何よりも家族という名の”血の絆”だった…。

第11回山本周五郎賞を受賞し、驚愕をもって迎えられた梁石日の最高傑作「血と骨」が、ついに崔洋一監督の手により映画化される。己の肉体のみを信じ、徹底した自己中心主義者の俊平と息子・正雄との壮絶な対立と葛藤。そして夫の暴力という恐怖の呪縛の中で子供を守り、凛として生きる女・英姫のあまりにも悲劇的な運命。戦中、戦後の時代のうねりに翻弄され続けた人々の、ありのままの姿がユーモラスかつ神話的な豊穣をもって活写される。

構想期間6年。この骨太な一大叙事詩に共同脚本家・鄭義信を加え、映画『血と骨』はいよいよクランク・インを迎えた。キャストには金俊平役のビートたけし、英姫役に鈴木京香という、これ以上ない配役のほか、新井浩文、田畑智子、オダギリジョー、松重豊、中村優子、唯野未歩子、濱田マリ、柏原収史、塩見三省、北村一輝、國村隼ら実力派俳優も結集した。『月はどっちに出ている』以来の梁、崔、鄭のトリオに加え、豪華キャスト陣のコラボレーション!この秋一番の話題作となることは間違いない。

ストーリー


 1920年代、日本で一旗揚げようと、済州島から多くの出稼ぎ労働者が大阪へとやって来た時代。そこでは朝鮮人集落が形成されており、人々が助け合いながら生活していたが、その中で一際特異な存在で、極道にさえ恐れられている一人の男がいた。並外れて強靭な肉体を持ち、凶暴な感情の持ち主である金俊平(ビートたけし)である。
 大阪の蒲鉾工場で働く彼は、ある時、幼い娘を抱えて飲み屋を営み、必死で生きている李英姫(鈴木京香)と出会う。ひと目で気にいった俊平は、力ずくで英姫を自分のものとし、強引に結婚。やがて二人の間には花子と正雄が生まれる。しかし、愛情に満ちた暮らしは望むべくもなく、大酒を飲んでは牙をむき、家財道具を破壊して外へ放り出して荒れ狂う俊平に、家族は怯えて暮らす毎日だった。

 時は流れ、英姫の連れ子である春美(唯野未歩子)は、俊平の弟分の高信義(松重豊)と結婚。俊平は蒲鉾工場を立ち上げ、信義、元山(北村一輝)らを従えて事業を動かし、巨万の富を得ていた。そんな折、「俊平の息子」と名乗る、朴武(オダギリジョー)が突然現れる。済州島で俊平が15才の時に人妻を寝取った際に生まれた実の息子だった。
 武は俊平の家に転がり込むと女まで呼び寄せ、好き勝手に振舞うようになる。複雑な思いを抱く英姫とは対照的に、恐ろしい父親にびくともしない武に羨望の眼差しを向ける正雄。しばらくして武は、俊平から金をもらって出て行こうとするが、家族にはビタ一文使う気のない俊平と大乱闘になる。それから1年、長屋は新しいスキャンダルで持ちきりだった。すっかり成り上がった俊平が、家族の住むすぐ目の前に新しく家を買い、清子(中村優子)という若い女を囲い暮らし始めたのだ。
 白昼から戸を締め切り、行為にふける二人に嫌悪と嫉妬を覚える英姫。しかしそれは反面、再び家族に平穏をもたらすことでもあった。強烈な金銭への執着をみせる俊平は、儲けた金で高利貸しへと転じていく。

 一方、19才になった花子(田畑智子)は、工場で働く張賛明(柏原収史)にほのかな恋心を抱いていたが、非合法組織「祖国防衛隊」の活動に身を投じていた賛明は逮捕されてしまう。賛明を思いつつ、別の男との結婚を決める花子。しかし夫との生活も幸せとは言いがたく、花子は次第に心を閉ざしていく。ある日、清子が脳腫瘍で倒れたことにより、俊平のやり場のない憤怒は再び家族へと向けられるようになった。更に清子の介護を名目に新しい愛人、定子(濱田マリ)を迎え入れる俊平。その一方で長年の無理がたたり、英姫はついに倒れてしまう。妻の治療費も出さない父親に対する怒りと反発から、正雄(新井浩文)は初めて俊平に立ち向かう。ただ恐怖に怯えるだけだったかつての正雄の姿はそこになかった。
 生涯「おまえはわしの骨(クワン)だ」と叫び続け、息子を欲した俊平だったが、破滅は老いて病んだ肉体の凋落とともに、やってきた。運命は過酷な終末を用意していた…。

スタッフ

原作:梁石日(「血と骨」幻冬舎文庫刊)
脚本:崔洋一、鄭義信
撮影:浜田毅
美術:磯見俊裕
照明:屋齋
録音:武進
編集:奥原好幸
監督:崔洋一

製作:「血と骨」製作委員会
    ビーワイルド、アーティストフィルム、東芝エンタテインメント、
    衛星劇場、朝日放送、ザナドゥー
制作プロダクション:ビーワイルド
配給:松竹、ザナドゥー

キャスト

ビートたけし

新井浩文
田畑智子

オダギリジョー

松重豊
中村優子
唯野未歩子
濱田マリ

柏原収史
塩見三省
北村一輝

國村隼

鈴木京香

LINK

□IMDb
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す