原題:TAN DE REPENTE

アルゼンチンから新スタンダード青春映画が登場!

2002年ロカルノ国際映画祭 銀豹賞(準グランプリ)受賞

2002/アルゼンチン/93分/モノクロ 後援:アルゼンチン共和国大使館 配給:ザジフィルムズ

2005年09月02日よりDVDリリース 2004年8月7日、シネ・アミューズにてレイトロードショー

公開初日 2004/08/07

配給会社名 0089

解説


ある日突然、奇妙な二人組の女の子にさらわれてしまうマルシア。仕事は退屈、一人暮らしの寂しい夜はフラれた男へイタ電、ダイエット用のヨガ教室にも飽きてきた。そんなマルシアにとっては、今日も単調な1日の繰り返しだったはすなのに・・・。

全く独特のスタイルで、アルゼンチンはブエノスアイレスから届けられた本作は、完成と同時に世界の映画祭を席巻している。アルゼンチンの極めて困難な国情の中で撮影を強いられたものの、完成直後に行なわれたブエノスアイレス・インディペンデント国際映画祭で審査員特別賞と観客賞を受賞したのを皮切りに、ロカルノ国際映画祭銀豹賞(準グランプリ)、ウィーン映画祭国際批評家連盟賞、ナント三大大陸映画祭アルテ賞、ハバナ映画祭(新ラテンアメリカ国際映画祭)グランプリを受賞。現在までに合わせて40以上の映画祭で上映されており、本作が持つ新鮮なきらめきを世界中が歓迎している。

監督は、撮影当時26歳(現在28歳)の新鋭、ディエゴ・レルマン。アルゼンチンとキューバで演劇と映画を学び、5本の短編を製作した後、はじめて取り組んだ長編が本作である。粗いモノクロ映像を自由に駆使するスタイルは初期のジャームッシュやヴィム・ヴェンダースを想起させるが、ラテン文化やジェンダーフリーの要素を絶妙に織り込むあたりに独特のセンスを感じさせ、現在もっとも将来が期待される監督の一人である。カンヌ映画祭が彼の才能にすばやく反応し、パリに住居を提供して新作の脚本執筆の場を与えている事実をもってしても、彼に対する期待の高さをうかがい知ることができるだろう。

また、本作で忘れてはならないのが女優たちの演技である。レルマン監督が所属する劇団から抜擢された主役の3名は、いずれも映画初出演。しかし、アルゼンチンの若者という枠を超え、等身大でリアルな青春期の女性の姿をスクリーンに刻み込んでいる。彼女たち全体のアンサンブルに対し、ロカルノ国際映画祭とハバナ映画祭が特別賞を贈り、ピアリッツ・ラテンアメリカ映画祭では、ブランカを演じたベアトリス・ティボーディンが女優賞を受賞している。

本作のプロデューサーの一人、リタ・スタンティックはこう語る。「『ある日、突然』は、最近のアルゼンチン映画のどれにも似ていません。ディエゴ・レルマンは、街や、道や、海を用いて、自分の物語を語ります。そして、どことも知れない場所で孤独を語り、ユーモアと皮肉を用いて退屈な日常を打破しようとします。そこで描かれる人生は、既に充分に痛みを経験しており、あとはもう良くなって行くしかない人生なのです。」

オフビートなユーモアに包まれ、新鮮なのにどこか懐かしく、エキセントリックに見えながら、最後には人の心の優しさを信じられるあたたかさを持った、まさに傑作の登場である。

ストーリー


マルシアは地方出身の太った少女。ブエノスアイレスのランジェリー・ショップで働き、とても単調な毎日を送っている。ヨガ教室に通ってはいるけれど、一人暮らしの部屋に帰ればテレビを寂しく観るしかない。ときおり、過去につれなくされた男性へ電話をかけ、そして彼が電話口にデルや切ってしまう。

そんなある日、彼女は街を歩いていると、パンクなレズビアンの二人組、マオとレーニンが声をかけてくる。マオはマルシアに一目惚れしたといい、セックスしようと迫る。マルシアは突然のことにとまどい、自分にそういう趣味は無いと断るが、マオはマルシアが太っていて自分に自信が無いのじゃないか、と痛いところを突いてくる。それでも二人を振り切って去ろうとするマルシアだったが、マオはナイフを見せつけ、マルシアを脅しながらも、自分の愛情を証明するという。
目隠しをされて、奪った車に乗せられたマルシアは、こうしてマオとレーニンと奇妙な旅に出かけることになる。最初は強引に同行させられたマルシアも、いつしか当たり前のように旅を続けている。レーニンの突然の思いつきで、3人は彼女の大叔母が住む街へとたどりつく。そこで出会った人たちによって、彼女たちの関係は更なる変貌を遂げていく・・・。

スタッフ

監督:ディエゴ・レルマン
脚本:ディエゴ・レルマン、マリア・メイラ
(原案:セサル・アイラ「La Prueba(証明)」)
撮影:ルシアノ・シト、ディエゴ・デル・ピアノ
録音:レアン・ドロ・デ・ロレド、フリアン・カパロス
音楽:フアン・イグナシオ・ブイスカイロス
編集:アルベルト・ポンセ、ベンハミン・アビラ
美術:マウロ・ドボルト、ルシアナ・コーン
衣装:コンスタンツァ・ピエルパオリ
エグゼクティブ・プロデューサー:ディエゴ・レルマン
アソシエート・プロデューサー:リタ・スタンティック
ラインプロデューサー:セバスティアン・アリエル、ニコラス・マルティネス・センボライン
製作プロダクション:リタ・スタンティック プロダクション&ナイロン・シネ

キャスト

マルシア:タチアナ・サフィル
マオ:カルラ・クレスポ
レーニン:ベロニカ・ハサン
ブランカ:ベアトリス・ティボーディン
デリア:マリア・メルリノ
フェリペ:マルコス・フェランデ
ラモナ:アナ・マリア・マルディネス
車の女:スサナ・バンビン
トラックの男:ルイス・エレーラ

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