コンクリート

あれから15年……すべてはここから始まった。
密室の中で何が行われたのか？
なぜ少女は虐殺されたのか？
凶悪少年犯罪の原点、「女子高生コンクリート詰め殺人事件」
衝撃の映画化！

「文藝賞」受賞作家による最大の問題作、完全映画化！

1989年。無職少年が、女子高校生を41日間にわたる監禁の末乱暴して殺し、ドラム缶にコンクリート詰めにして都内の埋立地に捨てた、と自供。逮捕された犯行グループはいずれも16〜18歳。その年齢と残忍な手口に、日本全国が震撼した。事件の全貌が明らかになるに従い、少年らを取り巻く家庭環境の異様な状況がクローズアップされ、少年法改正論議が巻き起こった。また、一部の報道機関が少年らの実名を公表するなど、社会に大きな波紋を投げかけた。
以降も凶悪少年犯罪は後を絶たない。その原点とも言える「女子高生コンクリート詰め殺人事件」が、事件発生後15年の節目についに映画化される。
原作は、「ミッドナイト・ホモサピエンス」で第21回文藝賞受賞作家となった渥美饒兒の「十七歳、悪の履歴書」（作品社刊）。この衝撃的なノンフィクション・ノベルを元に、あくまでもフィクションとして少年犯罪を生み育てた「人間不在」の状況を、壮絶な映像によって暴き出した問題作である。

新人監督の力強い演出と繊細な表現力が観る者を圧倒！

監督は、「あずみ」の北村龍平監督らを輩出したインディーズムービー・フェスティバルにおいて、「インマイマインド」で第5回グランプリを受賞した中村拓。元暴走族という異色の経歴と33歳の若き感性を武器に、少年たちの心に潜む闇を鋭くえぐり取る。
撮影監督は80年代から第一線で活躍するベテラン、倉本和人。特殊メイクはハリウッドで10年間数々の有名作品に携わった広瀬諭、メイクアップアーティストの卓久磨。音楽はFENCE OF DEFENCEのメンバーで、「三国志」「黄龍〜イエロードラゴン」「自殺マニュアル」シリーズのサウンドトラックを手掛けるなど、幅広い活動で知られる西村麻聡。
音楽プロデューサーに、数々のジャパニーズＲ＆Ｂ、HIP HOPアーティストを発信してきたKenny YOSHIZAKI。更に主題歌を、メジャーデビュー目前、期待のRAPユニット、KING PANTHERが担当し、作品にエナジーを注ぎ込んでいる。

将来の日本映画を背負うフレッシュなキャスト陣！
　
主犯格の少年・辰夫役に、「バトル・ロワイアル」「青い春」などで注目を集めた、期待の若手俳優・高岡蒼佑。「紀雄の部屋」に次ぐ主演となる本作で、凶暴性と脆さが危ういバランスで共存する少年像を、見事に創り上げている。
サブリーダー・尾崎役に、「かまち」「スクールウォーズ〜HERO・泥だらけの栄光〜」「キル・鬼ごっこ」と、04年も話題作への出演が続く小林且弥。監禁の舞台となる部屋の少年・池田役に、「凶気の桜」「3on3」「偶然にも最悪な少年」「下妻物語」をはじめ、TV・舞台などで幅広く活躍する柘植亮二。辰夫の恋人の弟・松山役に、劇団InnocentSphere、パフォーマンス集団ダンヂカイムで活躍、自ら作・演出も手掛ける間野健介。他の少年に、樋田洋平、斎藤悠、豊島侑也と、将来の日本映画を背負うフレッシュな顔ぶれが揃った。
被害者の少女・美咲役に、’03年のデビュー以来、数々の有名誌のグラビアを飾り、圧倒的人気を誇る小森未来。「目指せ金メダル 新体操物語」、舞台「松尾スズキ物語」の出演で活動の幅を広げている彼女が、次なるステップとして、この難役に体当たりで挑んだ。辰夫の恋人・佳代子役に、「友情 Friendship」「ラッキー ロードストーン」「キル・鬼ごっこ」の三船美佳。犯罪に手を染めていく少年を懸命に信じ続ける女性を演じきり、作品の「良心」を象徴する存在となっている。
少年たちを見守る大人のキャスト陣として、辰夫の勤務先の社長・片桐役に、「火垂」「スパイ・ゾルゲ」など、幅広いジャンルの作品で多彩な魅力を放つ永澤俊矢。辰夫の母・美佐江役に、「愛をひとつまみ」「おさと」など、TVドラマを中心に多数の出演歴を誇る沖直未。辰夫を追及する早坂刑事役に、「サル」「自殺マニュアル2〜中級編〜」などの他、作家としても活躍する中谷彰宏が扮し、作品を引き締めている。