原題:Code 46

マイケル・ウィンターボトム監督が挑む、近未来SF映像叙事詩!! 進化したテクノロジーが、禁断の愛を生み出す!

2003年/イギリス/93分/シネマスコープ/DOLBY SR/DOLBY DIGITAL/字幕翻訳:松浦美奈 提供・配給:ギャガ・コミュニケーションズGシネマグループ  宣伝:ギャガGシネマ海×ミラクルヴォイス  協力:アット エンタテインメント

2005年03月04日よりビデオレンタル開始 2004年9月11日、シネセゾン渋谷&銀座テアトルシネマにて公開決定

公開初日 2004/09/11

配給会社名 0025

解説


一瞬の相思相愛

近未来を舞台に描く、恋人たちの刹那の幸福。
透明感漂うサマンサ・モートンの美しさは、彼女自身のキャリア史上最高のものと世界の映画祭で絶賛された。はかなさと激しさが混在する練り上げられたプロットは1秒たりとも観客を飽きさせない。
ウィンターボトムの最新作は、初のSFにして最高傑作!

 独自の世界観を確立しながらも、新作を発表するたびに全く新しいテーマに挑戦し、世界の映画ファンから賞賛を浴びてきたイギリスの俊英マイケル・ウィンターボトム監督。彼が本作『CODE46』で挑むのはSF。ただし近未来を舞台にした“ラブストーリー”である。
クローンなどの遺伝子テクノロジーの発展や管理社会の浸透といった現実味のある近未来の設定を活かしながら、古代ギリシャから受け継がれてきた愛を巡る運命やタブーについての物語、あるいは、都会で暮らす男女による犯罪と恋愛というノワール・スリラーの伝統に繋がる物語を、時にムーディーに、時に熱く綴っている。

 環境破壊が進み、都市部に密集した人口を徹底管理する社会となっている。パペル(滞在許可証/パスポートとビザの機能を併せ持つ)の偽造事件を調べるため、24時間の許可を得て上海に入った調査員ウィリアム(ティム・ロビンス)は、パペル印刷所で働くマリア(サマンサ・モートン)と出会い、彼女が犯人だと知る。しかし2人は不思議なほど惹かれあい、たちまち恋に堕ちる。それがCODE46に抵触するとも知らずに・・・。

 サマンサ・モートンとティム・ロビンス。存在感や演技力、俳優としての旬の勢い。そのどれをとっても申し分なく強力で的確なキャスト。ウィンターボトムは本作でこれ以上ないキャスティングをすることに成功した。
 どこか孤独で陰のある、それでいて社会への反抗の精神を秘めた若い女性マリアを、サマンサ・モートンが熱演。ウディ・アレン監督の『ギター引きの恋』(99)でのショーン・ペンとの共演での初のオスカーノミネート、『マイノリティ・リポート』(02)ではトム・クルーズと共演し、メインストリームでも広く知られる存在となった。2度目のアカデミー賞にノミネートされた『イン・アメリカ 三つの小さな願いごと』(02)で、圧倒的な存在感をスクリーンに刻みつけた若手実力派女優が、本作ではティム・ロビンスと堂々と渡り合うばかりか、作品全体を引っ張るかのような力強いパフォーマンスを展開している。
 初めて訪れたい異国の地で20歳近くも年の離れた若い女性に心を奪われ、自宅で待つ妻や息子への想いとの間で引き裂かれる穏やかで繊細な男性ウィリアムを演じるのは、ティム・ロビンス。すでに名優としての評価を確立させて久しいロビンスだが、やはりショーン・ペンと共演したクリント・イーストウッド監督の『ミスティック・リバー』(03)でアカデミー賞助演男優賞を獲得した勢いそのままに、知的でなおかつ情熱的な中年男性像をさらに渋さを増した演技で披露してくれている。
 2人が演じるラブシーンは、すべての人の心の奥を締め付ける美しさとせつなさを併せ持った映画史に残る名シーンとなった。

ストーリー


近未来の異国の地、2人は引き寄せられるように出会い、恋に堕ちた。
それはまるで必然であるかのように。

 舞台は環境破壊の進む近未来。徹底した管理社会であるこの世界は、様々な安全が保証される都市部(内の世界)と果てしない砂漠が続く無法地帯(外の世界)を厳格に区別している。したがって一部の認められた人間のみにパペル(滞在許可証—パスポートとビザの機能をもつカード)が発行され外界を通り都市間を移動することができるのだ。
 上海でパペルを審査・発行するスフィンクス社に勤めているマリア・ゴンザレス(サマンサ・モートン)はその日、26回目の誕生日を迎える。毎年、誕生日のたびに同じ夢にうなされてきたが、今夜の夢で自分の運命が決まるという予感に怯える彼女は、一晩中眠らずに夜を明かそうと決意している。事実、マリアにとってまさに“運命の人”との出会いが刻一刻と迫っていたのだった……。
 その頃、シアトル発の飛行機が上海の空港に降り立つ。調査員ウィリアム・ゲルド(ティム・ロビンス)にとって初めての上海。連続して違法パペルが発行される事件がおき、犯人を突きとめてほしいとのスフィンクス社の依頼に応えての訪問だった。共鳴ウイルスの服用を許されている彼は、ほんの短い会話を交わすだけで相手の嘘を見破ることができ、マリアが犯人だと知る。ところが、彼は彼女をかばいスフィンクス社の管理者に虚偽の報告をする。普段は職務に忠実なウィリアムだが、すでにマリアに対して抵抗しがたい感情を抱き始めていたのだった。
 その夜、ウィリアムと食事に出かけたマリアは、動物学者デミアンに違法パペルを手渡す現場を彼にわざと目撃させる。デミアンはコウモリ研究のためにインドへ行きたいのに何らかの事情—スフィンクス社の“調査結果”—により、パペルを入手できずにいたのだ。かつて父親が不祥事を犯し、両親と共に上海の外部に追放された経験をもつマリアは、法を犯してまで安全な都市を飛び出し、自らが信じる道を歩もうとする人々の勇気に共感し、違法パペルを偽造してきたという。管理社会のルールを守ることに何の疑問も持たない生活を続けていたウィリアムにとってそんなマリアの存在は驚きであるとともに、強い魅力を感じずにはいられなかった。
 その日の早朝、マリアの部屋のベッドで二人は身体を重ねあわせる……。
 一晩だけの関係だと自分を納得させ、シアトルで待つ妻と一人息子のもとに戻ったばかりのウィリアムに、再び上海行きの命令が下される。彼が調査したばかりのスフィンクス社から再び違法パペルが発行されたのだ。違法パペルの持ち主デミアンは滞在先のインドで病死した。分析の結果、彼の特殊体質にとってインドはウォーズ病感染の可能性のある危険地帯であったためにパペルの発行が許可されていなかったことをウィリアムは知らされる。
 再びマリアに接触を試みるウィリアム。しかし、マリアは上海の職場や自宅から姿を消していた。上司の説明によれば、ある“身体的な事情”から、市外にあるマオ・リン・クリニックに移送されたという。詐欺事件の捜査という口実でクリニックに駆けつけたウィリアムに対し、マリアはまるで初対面であるかのように接する。不審に思ったウィリアムが追求すると、“CODE46”違反により、彼女の記憶が全て消去されたとクリニックの医師が告げる。愛し合った記憶がないマリアだったが、それでもまたすぐに、見えない力にひきよせられるようにウィリアムに心を預けるようになる。
 “CODE46”について調べはじめたウィリアムは衝撃と混乱のあまり、その場から一刻も早く逃げ出そうと空港に向かう。しかし、パペルの期限が切れていたため、出発を拒絶される。ウィリアムは市内のマリアの部屋に舞い戻る。今度は、彼のほうから違法パペルの偽造をマリアに頼むために……。メビウスの輪のようにからみあう二人の禁断の愛に果たしてどのような結末が待ち受けているのか?

スタッフ

監督:マイケル・ウィンターボトム
製作:アンドリュー・イートン
脚本:フランク・コトレル・ボイス
撮影:アルウィン・カックラー
撮影:マルセル・ザイスキンド
美術:マーク・ティルデスリー
編集:ピーター・クリステリス
衣装:ナタリー・ウォード
音楽:ジ・フリー・アソシエーション

キャスト

マリア・ゴンザレス:サマンサ・モートン
ウィリアム・ゲルド:ティム・ロビンス
バックランド:オム・プリ
シルヴィー:ジャンヌ・バリバール
デミアン・アレカン:デヴィッド・ファーム

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