新たなるジャンルをつくり上げた大ヒット・シリーズ ビデオ業界誌の‘ビデオオブザイヤー’で7年連続No.1 ‘銀次郎ファミリー’を形成する豪華な顔ぶれ

2004年/日本/カラー/ビスタサイズ/110分 配給:KSS

2004年08月06日よりビデオ発売開始 2004年6月26日より7月2日までテアトル池袋にてレイトショー公開

サブ題名 スペシャルVer.50 金貸しの掟

公開初日 2004/06/26

公開終了日 2004/07/02

配給会社名 0027

解説


1992年。狂乱のバブル経済がはじけ、日本社会が不景気の泥沼へと足を踏み込み始めたとき、その男は登場した。派手なスーツに身を包み、野獣の眼光で狙った獲物を一瞬にして凍らせる男、その名も萬田銀次郎。欲望渦巻く大阪ミナミを拠点に、10日で1割の利子(トイチ)を数える高利貸し。たとえ相手が巨大な権力を振りかざす政治家であろうとも、闇社会を支配する百戦錬磨のヤクザであろうとも、借金を踏み倒そうとする者がいれば地獄の果てまで追いかける。人は彼を鬼という。人は彼を帝王という。そう彼は<ミナミの帝王>。並外れた法律の知識と男気を武器として戦いを繰り広げる彼の姿に、人々は驚喜し、喝采を浴びせ、心の底から畏れた。
あれから12年。男はいまだ帝王の座に君臨し続ける。エピソードは49作を重ね、前人未到の境地へ突入した。シリーズ化という安易なまでに繰り返される愚行をあざ笑うかのように、男の孤独な戦いは続く。007の20作。寅さんの48作。強烈な個性を有するキャラクターたちのレコードを軽く凌駕しながら、男は許されざる者の匂いをかぎわけ、さらなる壮絶な賭けにうって出る。そして今ここに50作目の最新作が届けられた。エンターテイメントの金字塔。もはや敵はどこにもいないのかもしれない。それでも彼は非情な旅をやめることはない。そこに傍若無人な巨悪がいる限り。その巨悪に虐げられる脆弱な市民がいる限り…。
主演の銀次郎には、もちろん竹内力。この人がいなければ、ここまでシリーズが長寿化することはなかったであろう。何食わぬ顔で私腹を肥やす者には冷酷な制裁を下し、借金にまみれて埒があかなくなった者には、自戒を促しながらもわずかな希望を掴ませる。厳しさの中に義理と人情を忍ばせて立ち回るアンチ・ヒーロー。正に時代のイコンとして“最後の大物”は今回も圧倒的な存在感をみせる。また銀次郎の活躍を影で支える翔子に00年の「〜非情のライセンス」以来常連となる「失楽園」『鍵』の川島なお美。妖艶な美しさはさらに研ぎ澄まされ、重要な役回りを見事に努める。さらに銀次郎の舎弟、真に『ゲロッパ!』で映画デビューを果たした桐谷健太が扮し、作品に新風を吹き込む。他にも『ナイン・ソウルズ』の千原浩史、『菊次郎の夏』の麿赤兒、『影武者』『乱』の隆大介など個性的な芸達者たちが脇を固め、記念の作品を祝うかのようにスクリーンを華々しく彩る。監督は『遊びの時間は終わらない』『なにわ忠臣蔵』の萩庭貞明。複雑な「金」の流れが絡む物語を平易に噛み砕き、一流の娯楽作として仕上げる彼の手腕は作品を追うごとに磨きがかかる。ライフワークとなるこのシリーズにおいて、竹内力との長年に渡るコラボレーションはパートナーシップの範疇を超え、もはや“宿命”といっても過言ではない。
抜群の完成度を誇示しながら50作目という奇跡的な数字に到達し、生きながらにして伝説と化した萬田銀次郎=竹内力。自らの領域を犯す者がいれば、あらゆる手段を尽くし潰す。あくまで単純な原理。それが『金貸しの掟』に他ならない。 

ストーリー

銀次郎の顧客であるうどん屋店主の菅原(島崎俊郎)と街工場経営者の新里(山西惇)は会社の運転資金繰りの為に銀次郎(竹内力)に追加融資を頼むが、元金返済もまま成らない二人の頼みを銀次郎は断る。典型的な借金まみれ状態の彼らに襲い掛かる魔の手。菅原は藁をも掴む思いで無審査即金融資トイチと称する相保証の金に手を出してしまい、新里も多重債務の一本化の話に乗ってしまうのだった。

一方、銀次郎からの借金返済が滞ったホステスのマユミ(大谷充保)は、困った挙句情夫で杉浦会組員である血気盛んなチンピラ川谷(千原浩史)に助けを求める。取立てにいった舎弟・真(桐谷健太)を川谷に追い返されて怒り心頭の銀次郎は、マユミの借金の肩代わりを要求するため杉浦会へと乗り込んでゆく。

杉浦会は、未亡人である組長代行の雪乃(大輝ゆう)が取り仕切る極道。若頭の堂本(隆大介)、加持そして、若頭補佐の藤木(河野太郎)らが雪乃の補佐を務めている。極道相手に一歩も引かない銀次郎の姿勢と侠気に関心し、金を払うよう指示する組長代行の雪乃だったが、次代の組長の椅子を目論む堂本は、姐の生ぬるいやり方が面白くない。

組では、大手ゼネコン京阪開発による徳島のリゾートホテル開発に伴う地元対策費を、徳島の極道中島組と折半するという話が進行していたのだが、堂本と加持は、総務部長に偽の情報を流し、雪乃を飛び越えて計画を頓挫させるよう画策するのだった。その謀略を知る由もない銀次郎は沢木の親分の紹介で中島組組長の中島(麿赤兒)を紹介され、中島に当面の対策費5000万円を融通する。

そんな折、借金地獄にはまった菅原、新里らに融資している金融屋のバックに杉浦会の影が見え隠れし始める。堂本が裏で個人闇金を束ね、詐欺金融で追い込んだ債務者に臓器担保でドナー提供させて、売りさばくという外道にも劣る行為を行っていることを掴んでゆく銀次郎。

杉浦会の跡目継承に係わるそれぞれの思惑が複雑に絡みあい、リゾート開発計画そのものの見直しも図られる中、銀次郎は中島組に融資した金を回収できるのか?
そして、全ての点と点がひとつに繋がった時、憤怒の鬼と化した銀次郎の制裁が始まるのだった。

スタッフ

製作:仁平幸男(ケイエスエス)/越智常雄(よみうりテレビ)
企画:小山 悟(ケイエスエス)/村上博保(よみうりテレビ)
原作:天王寺 大 
劇画:郷 力也(日本文芸社 週刊漫画ゴラク連載中)
プロデューサー:服巻泰三(ケイエスエス)/富田 求(よみうりテレビ)/川崎 隆
松山浩士(よみうりテレビ)
企画協力:伊藤秀裕 
協力プロデューサー:ゆうき哲也
法律監修:山之内幸夫 
撮影監督:三好和宏(J.S.C.)
脚本:友松直之
美術:大庭勇人/常盤俊春 
録音:横野一氏工
テーマ音楽:斉藤かんじ 
選曲:元倉 宏 
編集:菅野善雄 
制作担当:向井達矢/鎌田賢一 
助監督:近藤俊明 
監督:萩庭貞明 
制作協力:エクセレントフィルム 
製作:ケイエスエス
   よみうりテレビ

キャスト

竹内 力
川島なお美
桐谷健太
天田益男
ゆうき哲也
大輝ゆう
川野太郎
島崎俊郎
石田 靖
大谷充保
千原浩史
大門正明
麿 赤兒(特別出演)
隆 大介

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