原題:L' Enfant qui voulait être un ours

2003年ベルリン映画祭キンダーフイルムフェスト準グランプリ受賞作品

2002年12月18日フランス初公開

2002年/フランス・デンマーク/カラー/ヴィスタ/78分/ドルビーSR 配給:ミラクルヴォイス

2004年7月10日から16日まで恵比寿ガーデンシネマにて先行特別ロードショー 2004年7月17日より、恵比寿ガーデンシネマにてモーニング&レイトロードショー

公開初日 2004/07/10

配給会社名 0372

解説


白くまになりたかった子どもは、デンマーク・アニメーション・フィルムの巨匠ヤニック・ハストラップ監督が、イヌイット(エスキモー)に伝わる神話をもとに描いた美しいおとき話。監督は、汚染されてしまった海を舞台に小さなくじらが成長していく冒険物語『サムソンとサリー』(Samsonog Sally、1984)や、1991年力ンヌ映画祭ジュニア部門てグランプリを受賞した鳥たちの戦争(Fuglekrigen、1990)など、現代社会への批判を込めたアニメーションを多数製作。本作ては2003年ベルリン映画祭キンダーフィルムフェストにおいて準グランフリを受賞、批評家から高い評価を得ました。子ども向けのかわいいだけのアニメと一線を画した作品たちは、観るものに大切なこととは何かを考えさせ、たくさんの感動を与えてくれます。
本作で、映像と寄り添うようにやさしく奏てられる音楽は、『キャラバン』『WATARIDORI』でその名を世界に知らしめたブリュノー・クレが担当。そのシンプルで美しい旋律は、氷の世界の偉大さと神秘的な部分を際立たせ、さらなる大きな感動を引き起こします。
また、はじめての字幕監修を手掛けたのは、二児の母でもある文筆家の内田也哉子。彼女の詩的ておおらかな言い回しは、作品のもつ壮大かつ繊細な部分をあますところなく伝え、日本語字幕版としても素晴らしい作品に仕上がりました。
 2004年は本作をはじめ、キリクと魔女のミッシェル・オスロ監督プリンス&プリンセスや、フランスて国民的大ヒット、昨年度アカテミー賞2部門にノミネートされ、アメリカても350館の拡大上映となったシルヴィアン・ショメ監督の『ベルヴィル(仮)』など、ヨーロッパ発の芸術性の高いアニメーションか次々と日本て公開されます。
遠いむかし、人間かクマと同じ言葉を話していたという神秘的なお話は世界のあちこちに伝えられています。白くまになりたかった子どもの、純粋で無垢な心をもって夢を実現しようとする少年の選択は、神話をこえて、いま私たちに語りかけます。

ストーリー

シロクマの夫婦が息を切らしなから氷原を走りつづける。オオカミの群れに追われているのだ。二匹のクマはかろうじてその追跡から逃れるがそれが原因でお母さんクマはまさに生まれようとしていた赤ちゃんクマを失ってしまう。
一方、イヌイットの夫婦には男の赤ちゃんか生まれる。遠くて鳴くクマの声にちなんてその子を“チビクマ”と呼び、幸せに包まれ狩りへとてかける父親。
 悲しみに暮れるお母さんクマをなぐさめる術のないお父さんクマは、イヌイット一家の家へ忍び込み、生まれたばかりの赤ん坊“チビクマ”をさらってしまう。人間の赤ちゃんを差し出されたお母さんクマは、はじめこそ知らんぷりを装うが、カラスが不器用に抱くのを見かねて自分の胸へ抱き寄せ、やさしくあたためるのだった。
こうして新しい母親=シロクマと出会った赤ちゃんは、クマとして育てられていく。
ひとりて鮭を捕れるようになったころ、とうとう本当の父親に見つけられ、チビクマは人間の世界へと連れ戻される。はじめて聞く人間の言葉。はじめて見る火のあたたかさ。チビクマにとっては何もかもがいままでと違うことだらけ。
はたして人間の世界に戻った子どもは新しい生活になじめなかった。そして、いつしかクマになりたい!という不可能な願望を抱くようになる。
 もし父親に見つけられることがなければ、長い年月を経て、子どもはシロクマとして立派に成長するはずだったのかもしれない。
山の精霊が出す三つの難関を乗り越え、子どもはその夢を現実にすることかてきるのたろうか。

スタッフ

監督:ヤニック・ハストラップ
原作:ベン・ハレー
脚本:ミッシェル・フェスレール
音楽:ブリューノ・クレ
製作総指揮:マリー・ブロ、ディディエ・ブリュネール
製作協力:ラース・トメールバック
共同製作:フランス3・シネマ、キャレール・グループ、アニマジックネット

キャスト

チビクマ:ケヴィン・ソミエ、
     グウェナエル・ソミエ
     パオロ・ドミンゴ
お父さんクマ:ブノア・アルマーヌ
お母さんクマ:アリアンヌ・ドゥヴィエグ
カラス:ベルナール・アラーヌ
イヌイットのお父さん:パトリック・ボアヴェイ
イヌイットのお母さん:アニ−・ミロン
山の精霊:サイード・アマディ

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