原題:INFERNAL AFFAIRS III

2003年/香港/118分/スコープサイズ/ドルビーデジタル/ 配給:コムストック

2013年5月3日よりインファナル・アフェア トリロジーとしてシネマート六本木にて公開 2005年09月21日よりDVDリリース 2005年4月16日、渋谷東急系にてロードショー公開

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公開初日 2005/04/16

配給会社名 0028

解説


 『インファナル・アフェア』第1章の企画は、アラン・マックがアンドリュー・ラウのもとに脚本を持ち込んだ2001年に始動。2002年4月まで改訂作業が行われたが、リサーチも含めると通算3年もの歳月が脚本のために費やされたという。

 しかし、2002年末に第1章が香港で公開された後は、早くも2003年中に第2章にあたる本作『インファナル・アフェア 無間序曲』と第3章『インファナル・アフェア 終極無間』が公開。壮大な3部作が、驚くほど短期間のうちに作られたことになる。しかも第2章は第1章の前史という斬新な構成。3部作の成立過程を、アラン・マックは次のように明かしてくれた。

 「『インファナル・アフェア』3部作は、独立した3つの物語ではなく、結末を持ったひとつの物語が巡りめぐって振り出しに戻るというスタイルになっています。私たちが当初から考えていたのは第1章と第3章『終極無間』だけで、両方の脚本を同時に執筆していました。第2章『無間序曲』の企画は、第1章の撮影中に生まれたのです」

 実際、アンドリュー・ラウとアラン・マックは第1章の後に、『終極無間』を作るつもりだったという。

 「ところが、ピーター・ラム(メディアアジア・グループ会長)が、過去にさかのぼってはどうかと提案してきたのです。最初、私たちは躊躇しました。観客がすでに結末を知っている物語を書くなんて、そんな難しいことはできないと思ったのです。しかし、筋よりもむしろ登場人物たちに焦点を当てて掘り下げ、10年前の彼らが一体どんな人物だったのかを描こうと決心しました。アンディ・ラウとトニー・レオンが演じた二人の男は、人生のスタート地点でいかにして相互に潜入することになったのか。また宿敵同士のアンソニー・ウォンとエリック・ツァンは、昔はどんな関係だったのか」

 第2章では、アンソニー・ウォン、エリック・ツァン、チャップマン・トウは第1章に続いて同じ役を演じることになったが、アンディ・ラウとトニー・レオンの役には、第1章ですでに彼らの若き日を演じていたエディソン・チャンとショーン・ユーが必然的に起用された。フランシス・ン、フー・ジュンを加えた先輩男優陣の胸を借りて大役を務めることになったわけだが、瑞々しく初々しい二人の存在が第2章を大きく特徴づけることにもなった。

 また、圧倒的に男たちのドラマであった第1章に対して、カリーナ・ラウ演じる女性、マリーを主役のひとりとして登場させたのは第2章ならでは。「パンドラの箱」さながら男たちの運命を狂わすマリーなくして、第1章と第3章の物語はありえないのだ。

 苦労したのは、1990年代前半の時代考証だった。スタッフは当時の衣装や小道具のリサーチにかなりの時間と労力をかけた。香港返還の翌1998年、新空港の開港にともなって役目を終えた懐かしい啓徳空港は、実写映像とCGを巧みに合成して再現している。

 1991年から1997年香港返還の瞬間へと突き進む第2章の時代背景について、アラン・マックはこう語っている。

 「1990年代の前半は香港の黄金時代と言われていますが、同時に中国への返還を前にして最も激しく揺れ動いた時代でした。そんな時代のうねりを登場人物たちに重ね合わせるのは素晴らしいアイデアだと思いました」

ストーリー



『III』では、『I』とは違う幸福で明るいヤンを見てほしい。——トニー・レオン

ラウの運命を決めるのは、語り尽くせなかったヤンの物語

 ヤン(トニー・レオン)の死後も、ラウ(アンディー・ラウ)は眠れぬ日々を送っていた。他の潜入マフィアを一人残らず始末する仕事が残っていたからだ。

 10ヵ月後、生まれた赤ん坊をつれて去ったマリーとの離婚調停のさなか、ラウの前に新たに立ちはだかるエリート警官ヨン(レオン・ライ)。過去にヨンが、サムの商売相手だった本土の大物シェン(チェン・ダオミン)と接触していたことを知ったラウは、ヨンを潜入マフィアと確信する。

 証拠をつかむためにヨンを監視するラウ。彼はまた、精神科医リー(ケリー・チャン)に近づき、大切に保管されていたヤンのカルテを手に入れる。カルテには、生涯でもっとも幸福なヤンの姿が記されていた。ヤンに自分を重ね、運命を変えるための最後の戦いに向かうラウ。だが、いつしかヤンの死の真相を知る者の気配が忍び寄っていた……。

スタッフ

監督、プロデューサー:アンドリュー・ラウ
監督、脚本:アラン・マック
プロデューサー:アンドリュー・ラウ/カオ・フォンチュン
脚本:アラン・マック/フェリックス・チョン
撮影:アンドリュー・ラウ/ン・マンチン
美術:ビル・ルイ
音楽:チャン・クォンウィン
衣装:シルバー・チョン
配給:コムストック

キャスト

アンディ・ラウ
トニー・レオン
レオン・ライ
チェン・ダオミン
ケリー・チャン
アンソニー・ウォン
エリック・ツァン
チャップマン・トウ

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