原題:CAMP

サンダンス・フィルム・フェスティヴァル2003 正式出品

2003年7月25日全米公開

2003年/アメリカ/カラー/114分 配給:アスミック・エース

2005年02月11日よりDVDリリース 2005年02月11日よりビデオレンタル開始 2004年6月5日(土)よりヴァージンシネマズ六本木ヒルズ他にてロードショー

公開初日 2004/06/05

配給会社名 0007

解説


今年もサマー・キャンプの季節がやってきた!集まってきたのは、周りとズレがちで、はみ出し者の若者ばかり。課題=2週間ごとに新しいショーを上演せよ!彼らはこの夏、毎日歌や踊りのレッスンに明け暮れながら、恋をしたり、恋破れたり、夢に向かってとことん一直線。誰もがキラキラと輝き、やがて本当の自分を見つけ、ちょっとだけ大人になって帰っていく。

アメリカのティーン・エイジャーの多くは、長い夏休みを各々の目的にあったサマー・キャンプに通って過ごす。内容は、スポーツ、アカデミック、ダイエットなど様々。本作の舞台は、パフォーミング・アートを志す若者が集う俳優養成のための“キャンプ・オペレーション”である。普段はクラスのはみ出し者が、大好きなミュージカルの舞台では誰よりも輝く。本作は“人と違う”ということを受け入れて、むしろ個性の可能性にまっすぐ向き合おうというストレートなメッセージを、可笑しくも温かいまなざしで描き出している。ひたむきな現在進行形の青春は、サンダンス・フィルム・フェスティバル2003では満場のスタンディング・オベーションで迎えられた。

「お金はないけれど、どうしてもキャンプの映画を作りたい!」そんなグラフの情熱に共鳴し、バート・バカラック、ヘンリー・クリーガー、そしてローリング・ストーンズまでもが快く楽曲使用を許可した。そしてミュージカル界の巨匠スティーヴン・ソンドハイム(「カンパニー」「フォリーズ」「ウエスト・サイド・ストーリー」など)は、脚本段階で本作に賛同し、楽曲提供のみならず彼自身として出演もしている。製作クリスティーン・ヴァション、音楽スティーヴン・トラスク、そして振付のジェリー・ミッチェルなど、『ヘドヴィグ・アンド・アングリーインチ』を成功に導いたキラー・フィルム・チームは、『フェーム』でオスカーに輝いた作曲家マイケル・ゴアを音楽スタッフに迎えた。

素晴らしいパフォーマンスを披露している出演者たちは、監督・脚本のトッド・グラフ自身の経験をもとに実際のキャンプ同様、全米各地のダンススクールや市営プールに張り紙を出したりラジオで告知したりと、一般公募で募集した。舞台を目指す本物の俳優の卵をキャスティングしたことにより、彼らの興奮や戸惑い、感動が等身大に響いてくる。その熱演によりフリッツィ役のアナ・ケンドリックは、2004年の第19回インディペンデント・スピリット・アワードでデビュー演技賞候補に輝いた。低予算、ノー・スターというハンディキャップをむしろ逆手にとり、ミュージカルをこよなく愛する多くの人々の情熱によって育てられた『キャンプ』。またひとつ、青春音楽映画の傑作が誕生した。

ストーリー



ゲイのマイケルはプロム・パーティにドラッグ・クイーンで登場して同級生から袋叩きに。エレンは兄に60ドル払ってプロムのエスコートを頼むようなもてない女の子。肥満のため父親に過食防止の顎ワイヤーを嵌めさせられているジェンナ、ゲイにしかもてないディー、高飛車で女王気分のジルと彼女に奴隷のように傅くフリッツィなどなど。ほとんど全員、普通でない。

そかしミュージカルをこよなく愛する彼らにとって、キャンプはまさに桃源郷。日常のいやなことは忘れ、2週間で1演目上演というハードワークにひたすら打ち込むのだ。そんな中、ギター片手にスケボーも乗り回す正真正銘のさわやかストレート・ガイ、ヴラッドが登場。マイケルとエレンの心には、瞬く間にヴラッドへの恋の炎が点火した。今年のキャンプは何かありそうな予感。

キャンプ3日目。ようやくある男がキャンプに到着した。その名はバート・ハンリー。72時間飲み明かして正体を無くし、3日も遅刻してきたのだ。彼は10年前にブロードウェイでヒットを飛ばしたのを最後に、いまはアルコール中毒にみをやつした落ちぶれ作曲家だ。今年は指導者としてやってきたのだが、「変人ばかりの子供たちには夢などみせるな。堅気な道でも歩ませよ」とすっかりシラケきっている。

朝から晩まで続く厳しいレッスンの一方、ヴラッドを巡る恋愛バトルも進行中。同じ演目に出演することになったエレンは、ヴラッドから才能を誉められて彼への想いをより強めていく。そんななか、女王様気分のジルは自分の部屋にブラッドを誘い込む。一方湖畔で読書をしていたマイケルは、スケボーをするヴラッドのTシャツの下の覗いた逞しい身体に、動揺を隠せない。

マイケルは初めて演じるロミオ役を見て欲しいと、勇気を出して発表会に両親を招待する。しかし両親は現れない。父親はゲイである彼を嫌悪しているのだ。打ちひしがれるマイケルを優しく励ますヴラッド。そして次の日マイケルが目を覚ますと、華やかな衣装に見を包んだ男女が舞い踊るマイケルの誕生パーティが用意されていた!あまりの感動に言葉を失うマイケル。だが、ブラッドのギターに併せてみんなでハンリーのかつてのヒット曲「こどもたちの聖戦」を歌っているのを見たハンリーは、「夢など捨ててしまえ」とはきすて、パーティを台無しにしてしまう。怒ったヴラッドはハンリーの部屋に乗り込むが、逆にハンリーから「偽善者」と罵倒され、されには泥酔した彼にゲロを吐きかけられる。しかし床に倒れこんだハンリーの下からは、なにやらたくさんの見知らぬ楽譜が出てきた。生きる屍に見えたハンリーが、なんと新しい曲を書いていたのだ!しかもほとんどが傑作と呼べるものばかり。

慈善公演の日。今年のキャンプもいよいよフィナーレを迎える。夏休みを終わり間近。日常に舞い戻る前に、本気を出して舞台を演じられる最後のチャンスだ。そこへミュージカルの神様、スティーヴン・ソンドハイムが現れる。いよいよ勝負の時がやってきた。今日は最高の舞台になりそうだ。

スタッフ

監督・脚本:トッド・グラフ(第一回監督作品)
音楽:スティーヴン・トラスク
製作:クリスティーン・バション、
   ダニー・デヴィート
   ケイティ・ルーメル
   パメラ・コフラー
   ステイシー・シェア
   ジョナサン・ウェスガル
製作総指揮:ジョン・ウェルズ 
      リチャード・クルベック
共同制作:アレン・べイン
     ダン・レヴァイン
撮影監督:キップ・ボグダーン
編集:マイロン・カースティン
キャスティング:バーナード・テルス
        ヴィクトリア・プチボーン
        ウィル・カントラー
        デイヴィッド・ヴァカーリ
美術:ダイナ・ゴールドマン
音楽監督、編曲、オーケストレーション:ティム・ウェイル
振付:ミシェル・リンチ、ジェリー・ミッチェル
音楽監修:リンダ・コーエン
作曲:マイケル・ゴア
オリジナル・スコア:スティーブン・トラスク
衣装デザイナー:ドーン・ウェスバーグ

キャスト

ダニエル・リタール
ジョアナ・チルコート
ロビン・デ・ジーザス
スティーヴン・カッツ
ヴァリス・リモルディ
カヒリー・べス
ティファニー・テイラー
サシャ・アレン
アラナ・アレン
アナ・ケンドリック
ドン・ディクソン
ロバート・オロスコ
スティーブン・ソンドバイム

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