原題:I cento passi

イタリア映画際2005上映作品::http://www.asahi.com/event/it05/ 2000年ヴェネチア映画祭脚本賞 アカデミー賞外国語映画賞イタリア代表 ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞脚本賞など5部門受賞

2000年/イタリア/104分/カラー/35mm/ビスタ/ドルビーSR 配給:樂舎

2004年6月19日より「チャオ!チネマ・イタリアーノ イタリア映画傑作選」、ユーロスペースにて連続ロードショー!

公開初日 2004/06/19

配給会社名 0464

解説


マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督は、最近のイタリア映画界には珍しく、骨太な社会派監督である。
1980年にロカルノ映画祭グランプリを受賞した処女作『Maledetti vi amer_(呪われ者たちを愛す)』は、学生運動世代のテロリストの末路を描いた作品だった。1980年代半ばから1990年代にかけて、イタリア映画は、ロベルト・ベニーニに代表される喜劇が主流を占め、一方でナンニ・モレッティのような知的でシニカルな映画も作られたが、その中にあってジョルダーナは、権力の腐敗を追及する映画を作り続け、1996年に『Pasolini, un delitto italiano(パゾリーニ、イタリアの犯罪)』でパゾリーニ暗殺事件に迫り、その政治的責任を追及した。本作はこれまでの集大成といえるだろう。パゾリーニを扱った前作と同じく歴史を掘り起こした作品だが、役者たちの存在感の強さと練り上げられた脚本によって、ロッセリーニやフランチェスコ・ロージのネオリアリズモの伝統を思い起こさせる。この映画でペッピーノ役を演じたルイジ・ロ・カーショは映画初出演だったが、この作品をきっかけに映画出演が相次ぎ、スターの仲間入りをした。
主人公のジュゼッペ(=ペッピーノ)・インパスタートは実在の人物で、1948年に生まれ、1978年に殺されている。彼の死後、友人たちはジュゼッペ・インパスタート=シチリア資料研究所を設立し、反マフィア運動を受け継いだ。そして1996年にようやくターノ・バダルメンティがペッピーノ暗殺の犯人として起訴された。
「イタリア映画祭2004」で上映される最新作の『輝ける青春』は、再びルイジ・ロ・カーショを起用した作品。6時間という長さにもかかわらず世界中で大ヒットとなっている。

ストーリー

ペッピーノは、マフィアが支配するシチリアのチニシという街に生まれた。マフィアのボスであるターノの家は、彼らの家から百歩しか離れていないところにあった。ペッピーノの父親は頭のいい息子を誇りに思っており、いつかはターノのようになってほしいと願っていたが、ペッピーノが青年となった1960年代、各地で同世代の若者たちが伝統的価値観を拒絶し騒動を起こした。ペッピーノは仲間たちとマフィアを糾弾する新聞を発行し、ラジオ局を開設した。父親は息子を力ずくで黙らせようとしたが、ペッピーノは反発し家を出る。しかし母親と弟は、ひそかにペッピーノを支えた。マフィアとの緊張は日に日に高まり、ある日父親は何者かによって殺される。ペッピーノは議員に立候補することを決心する。しかし最後の選挙集会の直前、ペッピーノは死体で発見され、警察は自殺と判断。ターノが殺人事件の主犯として起訴されたのは、それから20年も後のことであった。

スタッフ

監督:マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ
脚本:クラウディオ・ファーヴァ、
   マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ、
   モニカ・ザペッリ
撮影監督:ロベルト・フォルツァ
録音:フルジェンツィオ・チェッコン
美術:フランコ・チェラオロ
衣装:エリザベッタ・モンタルド
編集:ロベルト・ミッシローリ
製作:ファブリツィオ・モスカ

キャスト

ペッピーノ・インパスタート:ルイジ・ロ・カーショ
ルイジ・インパスタート:ルイジ・マリア・ブッルアーノ
フェリーチャ・インパスタート:ルチア・サルド
ジョヴァンニ・インパスタート:パオロ・ブルグリア
ガエターノ・バダラメンティ:トニー・スペランデオ
ステファノ・ヴェヌーティ:アンドレア・ティドナ
チェザレ・マンツェッラ:ピッポ・モンタルバーノ
アンソニー:アントニーノ・ブルスケッタ
コジマ:パオラ・パーチェ
サルヴォ・ヴィターレ:クラウディオ・ジョエ
ヴィート:ドメニコ・チェンタモーレ
ガスパーロ:ガスパレ・クチネッラ
少年時代のペッピーノ:ロレンツォ・ランダッツォ
少年時代のジョヴァンニ:ルイジ・ビッレチ

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