原題:Swimming Pool

2003年/フランス・イギリス/カラー/102分/ 配給:ギャガ・コミュニケーションズ Gシネマグループ

2005年01月14日よりビデオレンタル開始 2005年01月21日よりDVD発売開始 2004年5月15日(土)より、渋谷シネマライズ、日比谷シャンテ・シネ他にて全国順次ロードショー

公開初日 2004/05/15

配給会社名 0025

解説


いつまでも美しくありたい全女性に贈るオゾンからの謎かけ。
あなたはどう解き明かす?

『8人の女たち』で世界中の女性を虜にしたフランソワ・オゾン。最新作『スイミング・プール』は早くも彼の”集大成にして最高傑作”と世界中の批評家たちから絶賛を浴びた。ヒロインは、ハリウッドの一流女優たちからもその独特の存在感を賞賛される『まぼろし』のシャーロット・ランプリング。彼女は本作でヨーロッパ映画賞最優秀主演女優賞を受賞した。もうひとりのヒロインには、アメリカに活躍の場を広げつつあるフランスの妖精、リュディヴィーヌ・サニエを起用。その生まれ持ったスター性で二面性をもつヒロインという難しい役どころを見事に演じきった。オゾン監督の新旧ミューズを迎えて贈る本作で、彼はまたもや女を綺麗にする。若さと成熟、自由と抑制、現実と幻想…。対比する要素が二重三重に絡みあう謎。オゾンは魔術師のような手さばきで、最後には鮮やかに観るものを裏切り、私たちは楽しくも眠れない夜をすごすこととなる。

舞台は南フランス、プロヴァンス地方の高級リゾート地。
オゾンから手渡されるミステリアスな一通の招待状。 

 ある夏の日、イギリスから人気女流ミステリー作家のサラ(シャーロット・ランプリング)がこの町にやって来る。出版社社長の別荘に滞在する彼女は、静けさと明るい太陽の光に創作意欲をかき立てられ、さっそく新作に取りかかる。ところが、そこへ突然、社長の娘と名乗るジュリー(リュディヴィーヌ・サニエ)が現れる。自由奔放に振る舞うジュリーに苛立ちながらも、その開放的な美しさに、作家の性と女の本能を刺激され彼女の行動を覗き見せずにはいられないサラ。二人の関係が反発から共鳴へ変わろうとした時、スイミング・プールで謎の殺人事件が起こる・・・。

“見る女”と“見られる女”

サラは、まぶしい若さを謳歌するジュリーから嫉妬と好奇心にかられて目が離せなくなる。ジュリーを見ることで、サラはいつのまにかいきいきと輝き始める。ジュリーの生命力と美しさ、快活さを吸収し、サラの肉体の奥に眠っていた本来の輝きが、一気に開花していくようだ。新作を書き終えたサラの表情は、明らかに以前とは違って生きる喜びに満ち溢れているのである。一方ジュリーも、性格も年齢も違う女性に見られることによって、次第に変化していく。それまでは、思春期独特の傷つきやすさがエゴとして表出していた彼女だが、サラとの出会いで自然な女性らしさを表現できるようになる。
オゾンはこの作品で、全く違った年代の女性が持つそれぞれの輝きをポジティブに表現することに成功した。この作品を観た女性は、いつのまにかオゾンの魔法によって、女に生まれたことの喜びを再発見するに違いない。

ストーリー



スランプに陥ったイギリスの女流ミステリー作家サラは、出版社の社長の薦めで彼が所有する南仏の別荘に出かける。美しい自然に囲まれたプール付き別荘でヴァカンスを満喫しはじめたころ、突然、主の娘ジュリーが現れ、静かな生活は終わりを告げる。
奇妙な二人の同居生活、深夜に出入りする怪しい男たち、そしてプールサイドの血痕。サラは
いつのまにか自分自身がミステリー小説の登場人物のひとりとなっていた。

謎1 なぜサラ・モートンは、不機嫌なのか?
ロンドンに住む人気ミステリー作家サラ・モートン(シャーロット・ランプリング)は、今日も朝からウイスキーを飲んでいる。最近陥っているスランプに加え、サラの出版社社長のジョン(チャールズ・ダンス)は、新人作家の売り出しに忙しく、彼女にかまっている暇もない。そんな時、ジョンから南仏プロヴァンスにある彼の別荘に行ってみないかと勧められる。

謎2 サラとジョンの関係は?
管理人のマルセルに案内された別荘には、覆いをかけられたプールが不思議な存在感をたたえていた。そこにあるのは、降り注ぐ暖かい太陽と心地良い静けさだけ。創作意欲をかき立てられたサラは、さっそく新作に取り掛かる。だが、彼女がまちわびているジョンはいっこうに姿を現さない。

謎3 ジュリーの腹部にある大きな傷跡。彼女の過去に何があったのか?
静かな生活を楽しむサラのもとに、突然、ジョンの娘と名乗るジュリー(リュディヴィーヌ・サニエ)が現れる。彼女は自由奔放なフランス娘。神経質なサラとお互いに反発を感じながらも、二人は奇妙な同居生活をはじめることに。翌朝、覆いを取り払われたプールでのびのびと泳ぐジュリーの、若さに溢れた眩しいの肢体に見を奪われるサラ。そしてジュリーのおなかに大きな傷跡を見つける。彼女はジュリーのもつ隠された過去を垣間見る。

謎4 サラのパソコンに新しくつくられたファイルの中身は?
自分勝手なジュリーにうんざりしたサラは「私の邪魔をしないで」ときつく言い渡す。だが構わず夜ごと違う男を連れ込み、サラを苛立たせるジュリー。しかし、サラのジュリーへの嫌悪感は、次第に好奇心へと変化していく。ジュリーの奔放な行動を覗き見し始めるサラ。サラのパソコンには新しく「ジュリー」というタイトルのファイルがつくられていた。

謎5 ジュリーがサラの部屋で見たものは?
新作も進みはじめ、毎日が充実しているサラは、珍しくジュリーを食事に誘う。そしてジュリーの過去について、あれこれと質問するのだった。一方ジュリーは、急に親しげに接してくるサラの行動に気を許さない。サラの部屋に忍び込み、書きかけの小説を読む。彼女はそこで驚きの事実を発見する。

謎6 プールサイドに血痕が・・・。果たしてそれが意味するものは?
その夜、ジュリーはまた別の男を連れて帰ってくる。彼は、サラが毎日のように通うカフェのウェイターで、彼女がほのかな好意を寄せているフランクだった。サラを挑発するようにフランクと踊るジュリー。始めは拒んでいたサラも、フランクのリードに体を揺らす。その夜のサラはジュリーが嫉妬するほどに美しく、官能的だった。
翌朝、プールサイドのタイルの上に血痕が発見されるのだが・・・。

スタッフ

監督:フランソワ・オゾン
製作:オリヴィエ・デルボス/マルク・ミソニエ
脚本:フランソワ・オゾン/エマニュエル・ベルンエイム
撮影:ヨリック・ルソー
音響:ルシアン・バリバー
美術:ウォウター・ズーン
編集:モニカ・コールマン
衣装:パスカリーヌ・シャヴァンヌ
メイク:ジル・ロビラード
ヘア:ミリアム・ロジャー
音楽:フィリップ・ロンビ

キャスト

シャーロット・ランプリング
リュディヴィーヌ・サニエ
チャールズ・ダンス
マルク・ファヨ−ル
ジャン=マリ−・ラムール
ミレイユ・モセ

LINK

□公式サイト
□IMDb
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す