原題:THE I INSIDE

2003年/製作国:アメリカ/製作:ミラマックス カラー/1時間32分/5 巻/2504 m/スコープサイズ/ドルビーSRD/字幕翻訳:高内朝子 配給:日本ヘラルド映画

2004年4月24日より東京[K's cinema]ほかロードショー

公開初日 2004/04/24

配給会社名 0058

解説


あなたは自分の記憶を信じますか?
「アイデンティティー」脚本のマイケル・クーニーが仕掛けた新たなるサスペンス!

病院のベットで目を覚ました男。彼は自分自身の記憶を失っていた。身に覚えのない記憶、そして謎の女性たち。ジグゾーパズルを解くように、記憶の謎を解明していくうちに、全ての真実が意外な方向に進んでいく。

あっと驚くストーリーで観客を虜にしたサスペンス映画「アイデンティティー」で注目を浴びた、脚本家マイケル・クーニーの舞台劇“Point of Death”を映画化した本作は、主人公が2分間の臨死によって失った2年間の記憶をパズルのように解明していく、斬新なアイディアで練られたSFタッチのサスペンス作品である。
観客も観ているうちに、何が真実で何が虚構なのか、脳感覚を研ぎ澄ましながらその結末を予想していくというのは、日本でも大ヒットした「メメント」同様、まったく新しいストーリー展開で、画面から目を離すことができない。そして予想だにしない、あっと驚く結末が用意されている。

監督はドイツ映画界の俊英で、「トンネル」でその才能を日本でも御披露目したローランド・ズゾ・リヒターが手がけ、パズルのような脚本を見事に演出。
主演は、「誘拐犯」「ゴスフォード・パーク」で若手スターとして注目されているライアン・フィリップが演じ、共演には「ことの終わり」のスティーブン・レイ、「翼をください」のパイパー・ペラーボ、「いまを生きる」のロバート・ショーン・レナード、「スウィート・ヒアアフター」のサラ・ポーリー、「沈黙の断崖」のスティーブン・レイ、「スナッチ」のスティーブン・グラハムといった個性的な面々が演技に火花を散らしている。
なお、本作が完成後、クエンティン・タランティーノで有名なミラマックス社がピックアップし、2004年全米公開が決定している。

ストーリー



その瞬間から、彼は記憶のゲームに巻きこまれる。

病院に緊急で運ばれた一人の男。医師達の懸命の蘇生術により、彼は2分間の心拍停止から奇跡的に生還した。男の名はサイモン・ケーブル(ライアン・フィリップ)。病室のベッドで目醒めた彼は、担当の医師ニューマン(スティーブン・レイ)の質問に答えられず、過去2年間の記憶を失っていることを知る。
今が2002年であることも、妻アンナの存在も全くわからないのだった。そこへ金髪の女(サラ・ポーリ−)が現れ、サイモンの無事を安堵するが、記憶喪失の彼にショックを受け、立ち去ってしまう。ニューマン医師に「アンナはどこへ行ったのだ」と訪ねるサイモン。しかし、そんな彼の前に黒髪の女(パイパー・ペラーポ)が現れる。
彼女が妻アンナだと知らされ、更に混乱してしまう。それならばさっきの女は一体誰なのか?ニューマンは言う。「記憶喪失はパズルのようなもの。記憶のパズルが成功すれば、すべてを思い出せるかもしれない−」

ふと、サイモンの頭に、雨の中交通事故に遭った記憶が甦り、その時、兄のピーター(ロバート・ショーン・レナード)の所へ行こうとしていたことを思い出す。ところがピーターは既にこの世を去っていたのだった。更にアンナから「ピーターはあなたが殺したのよ」と言われ、サイモンは唖然とするしかなかった・・・。
サイモンは、MRI検査台に固定され医師を待っていた。その時、一人のあやしい男が彼を殺そうとした。助けを呼ぶサイモン。その時突然、彼は見知らぬ病室にいた。
トラビット(スティーブン・ラング)と同室で、脇にはニューマンとは別の医師トルーマン(ピーター・イーガン)がいた。「君は交通事故に遭ったのだ。」と告げられたサイモンは、今が2000年で、2002年の不可解なことは無かったのだと胸をなで下ろす。ところが、2002年に出会った看護士クレイトン(ラキー・アヨラ)と、看護学生としてアンナが部屋に入ってきた。
パニックになるサイモンは鎮静剤を打たれ、またも意識が薄れていった・・・。

目覚めたサイモンの前に現れたのは、またもニューマン医師だった。さっきのはただの悪夢だったのか?サイモンは病院内を調べ、トラビットがまだ病院にいることを知る。あの「夢」は記憶の断片かもしれない−。
そんな中、再び謎の女クレアと再会する。2000年の自分はクレアと、ある邸宅にいる・・・。サイモンはクレアを愛していたことを思い出す。
目を覚ますと、時は2000年の病院。トルーマンがやってきて、サイモンに兄の死を告げ、彼の元に兄のフィアンセが訪ねてきた。サイモンは驚愕する。兄の愛した人は、あのクレアだった。放心状態のサイモンにアンナはピーターの最期の言葉を聞いたと話す。「俺を殺したのはサイモンだ。」アンナはサイモンを脅迫し、結婚を要求する。

再び記憶は飛び、サイモンは邸宅にいる。屋根裏部屋でサイモンとピーターが争っている。
口論の末、サイモンはピーターを突き落とす。「記憶のサイモン」の姿を茫然と見ているサイモン。「記憶のサイモン」は瀕死のピーターを車に乗せ、走り去る。その時、サイモンの背後からMRIの男が、再び襲ってきた。脅えたサイモンは、男をめった刺しにし殺害してしまう。しかし、気が付くとそこは2000年の病室で、殺したのはあのトラビットだった。
病院内を、警察から逃げまどうサイモン。

そしてサイモンは思い出す。あの重体の兄を車ごと崖から突き落とそうとしたことを。
また、時は2000年の病院へと流れ、ある部屋の扉を開けた瞬間、サイモンは2002年に戻りほっとする。しかし病室のトラビットは、急な発作により死んでしまう。更に2002年のアンナの額には、2000年で負わせた傷と同様の血が滲む。サイモンははっとした。自分には過去を変える能力があるのか?
再び過去へと旅立ち、事実を変えようとするサイモンは、兄を裏切れないとクレアを拒絶する。しかし、二人の会話を聞いていたピーターは憤怒し、クレアは邸宅から走り去ってしまう。必死でピーターを説得するも、口論になり、弾みで突き落としてしまう。急いで病院へ運ばなければ・・・外は大雨が降り、あの事故を彷彿とさせる。慎重に運転するサイモンの横でピーターが突然目を覚ます。その瞬間、前方からクレアの運転する車と衝突してしまう。目を開けると、始めに思い出した雨の交通事故現場だった。
そこで再び、サイモンはあることに気付いてしまうが・・・。

スタッフ

監督:ローランド・ズゾ・リヒター
製作:ミラマックス

キャスト

ライアン・フィリップ
スティーブン・レイ
パイパー・ペラーポ
サラ・ポリー
ロバート・ショーン・レナード

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