原題:IMMORTAL AD VITAM

神が憧れたのは、月よりも青い彼女の涙。

2004年/フランス/カラー/1時間44分/6 巻/2838 m/ビスタサイズ/ドルビーSRD-EX/字幕翻訳:林完治/(PG-12) 提供:日本ヘラルド映画、ポニーキャニオン、フジテレビジョン、角川書店 配給:日本ヘラルド映画

2005年01月19日よりビデオレンタル開始 2005年01月19日よりDVD発売開始 2004年5月1日G.W.丸の内プラゼールほか全国松竹・東急系にてロードショー!

公開初日 2004/05/01

配給会社名 0058

解説


 『ブレードランナー』『フィフス・エレメント』『マトリックス』・・・・・・80年代以降のあらゆる近未来SF超大作映画に決定的影響を与えたグラフィック・アート界の鬼才が、4年の製作期間を経て遂に完成させた驚愕のVFXエンタテイメントがいよいよ完成!
 
 哀しみのブルーの涙を流す謎の女ジル・・・・・・彼女をめぐって、神と人、そして人ならぬものたちが織り成す不滅の愛の神話が本作だ。ストーリーから映像まですべてに貫かれた洗練のヨーロピアン美学、実写とCGを斬新なVFXによって融合させた衝撃のヴィジュアル。イマジネーションの限界に挑んだこの作品が、今、近未来SFラブストーリーの新世紀到来を告げる!
 2095年、ニューヨーク—–そこは狂気じみた欲望にかられた人間たちとミュータントやエイリアンがひしめきあうカオスの世界。他の神々からの死刑を宣告された鷹の頭と人間の体をもつ神ホルスは、僅かな残り時間を使って、この街でひとりの女を探そうとしていた。
 青い髪、青い涙を流す美しい女ジル。彼女は自分が何者かを知らない。自分に備わった特別な力のことも、愛とは何かということも・・・・・・。
 ジルに近づくために人間の肉体を必要とするホルスは、30年の冷凍冬眠刑から目覚めた反体制運動家ニコポルを目的達成の“手段”に選ぶ。
 ホルスの全能の力の前に服従を強いられつつも、強く深い愛でジルの孤独な心を包み込むニコポル。まるで彼女の哀しみの涙を喜びのそれへと変えてみせようとでも言うかのごとく・・・・・・。そしてニコポルとホルスの間にも奇妙な連帯が生まれてゆく。
 だがタイムリミットが近づくにつれ、彼らに途方もない危険が忍び寄る。セントラルパークを包み込んだ異空間の正体は?上空に出現したピラミッドの内部で神々が下した結論は?ホルスの目的とは?時空を越えた愛の力はこの混沌とした世界に希望を再生させることができるのか!?

●奇跡のコラボレーションが観るものすべての感性を直撃!
 監督はバンド・デシネ(BD)と呼ばれるフランスのグラフィック・アートの巨匠エンキ・ビラル。『ブレードランナー』や『フィフス・エレメント』の原点ともいえる、彼が描く独特の未来世界のビジュアルは、『AKIRA』の大友克洋や、『マトリックス』のウォシャウスキー兄弟にも多大な影響を与えてきた。
 フランスの“ブック・オブ・ジ・イヤー”賞をコミック・アーティストとして初めて受賞するなど、グラフィック界を超え、ストーリーテラーとしての評価も高いビラルだが、本作では代表作“ニコポル3部作”のキャラクターを基に、SF作家セルジュ・レーマンとともにオリジナル・ストーリーを書き下した。
 モダニズムと終末感が入り混じったビラルの世界を忠実に映像化し、俳優達とCGキャラクターたちとの信じがたい共演を実現させたのは、ヨーロッパ最高のクリエイティブ集団デュラン・スタジオ。『エイリアン4』『ジェヴォ−ダンの獣』そして『アメリ』といった欧米の大ヒット作を手掛け、VFXの世界にモードとアートを持ち込む映像革命を実現してきた同社が4年の期間を費やした本作のヴィジュアルは、従来のCGやVFXの概念を打ち砕く、ハリウッドのVFX映画とはまったく次元の未知の驚きを約束する。
 『ブレードランナー』のレプリカントより深い哀しみを背負い、『フィフス・エレメント』のリールーよりも深い謎に満ちたヒロイン、ジル。演じるのはこれが日本初登場となるリンダ・アルディ。本作を機に、これからのヨーロッパ映画の一翼を担う重要な女優として注目を集めている。過去からやってきた愛と自由の使者ニコポルを演じるのは『戦場のピアニスト』で強い印象を残したドイツの名優トーマス・クレッチマン。『バイオハザード』の続編など、国際的プロジェクトへの参加が急増中の売れっ子である。 また、ジルに援助の手をさしのべる女医エルマには『まぼろし』で絶賛を浴びたベテラン、シャーロット・ランプリングが扮している。実写で登場するのはこの3名の俳優陣のみ。
 フローブ刑事役の声優は、ビラル監督の『ティコ・ムーン』『バンカー・パレス・ホテル』や、ジャック・リベット監督の『ジャンヌ 薔薇の十字架』で知られるヤン・コレット。ジョンを演じるのはケン・ローチ監督の『大地と自由』、ジャン=リュック・ゴダール監督の『フォーエヴァー・モーツァルト』のフレデリック・ピエロ。
 製作は『ムッシュ・カステラの恋』『インティマシ−/親密』のシャルル・ガソ。撮影は『ザ・レース』のパスカル・ジェネッソ−。編集は『ポーマルシェ/フィガロの誕生』のヴェロニク・パルネ。衣装デザインを『グラン・ブルー』『デュラス/愛の最終章』のミミ・レンピッカが担当。
 音楽は『ティコ・ムーン』のゴラン・ヴェイヴォダ。またジュリー・ロンドンの”1月も私には6月”やアラン・バシュングの“サテンの夜”がレトロ・フューチャーな雰囲気をかもしだしている。またシガー・ロスの“Hjartao Hamast”、「ティコ・ムーン」に主演したジュリー・デルビーの“My Dear Friend”も使用されている。

ストーリー



 ニューヨーク、2095年。そこは人間とミュータントとエイリアンが暮らす混沌とした世界。マンハッタンは3つの階層に分かれ、レベル1はエリート、レベル2は“適応者”の居住区とされ、レベル3には“不合格者”が隔離されている。その大多数を占めるのはエイリアンとミュータントだ。だが異形の者は彼らばかりとは限らない。人間たちは巨大企業ユージェニックス社が独占的に提供する様々な人工臓器や人工皮膚を買いあさり、肉体の危険なバージョン・アップに夢中になっている。
 セントラル・パークは雪と氷に覆われた異常な空間が占拠している。宇宙から現れたと言われるこの謎のエリアは、“侵入口”と呼ばれ、立ち入り禁止になっている。そして今、もうひとつの異常現象が人々の関心を集めていた。ハドソン河上空に出現した巨大なピラミッドがそれである・・・。
 ピラミッドから飛び立つひとつの影。ヒトの体と鷹の頭をもつ古代エジプトの神ホルスである。反逆罪により他の神々から死刑を宣告された彼は7日間の猶予を得た。残された時間を使って、彼はひとりの女を捜し出そうとしている。−‐‐青い涙を流す、青い髪の美しい女、ジル・ビオスコップを・・・。
 エルマ・ターナー医師(シャーロット・ランプリング)はユージェニックス社で働く夫ジャックから、違法な実験用に捕われていたジル(リンダ・アルディ)を譲り受ける。彼女は自分が何者なのかも、どこから来たのかも覚えていない。彼女の肉体の特異性に気付いたエルマは、レベル2のホテルの一室を彼女に与え、研究対象になってもらう。
 そのレベル2では猟奇的な連続殺人が発生しており、フローブ刑事(声:ヤン・コレット)が捜査に着手する。残虐な現場は、5年前に彼の頭部の一部を奪ったミュータント・ダヤクのことを思い起こさせる。
 ユージェニックス社が管理する空中刑務所グローバス1の冷凍冬眠コンテナが突如地上に落下する。コンテナから開放された政治犯ニコポル(トーマス・クレッチマン)が意識を取り戻したとき、彼の目の前にはホルスがいた。ホルスは彼に人間の肉体を必要としていることを告げる。ニコポルには選択の自由はない。ホルスは彼の肉体に入り込むと、レベル3にあるティコ・ブラエ・バーでジルを待つよう指示する。バーの階上には真空の部屋があり、ジルが厚い信頼を寄せるジョンが住んでいる。ジョンもジルが何者かは知らない。だが彼女がこの世界で生きてゆけるよう導くことが、彼の最後の任務だった。ニコポルは30年前、政治家オールグッドとユージェニック社の違法行為を告発しようとして投獄された反体制の英雄だった。彼の復活を知ったオールグッドの息子、カイル・オールグッド・ジュニア上院議員(声:ジョ-・シェリダン)と彼のコンサルタント、リリー・リャン(声:コリーヌ・ジャベール)は、ジャックの協力を得て危険極まりない“ハンター”を街に放つ。
 ニコポルは一目でジルの美しさに魅了される。ジルの謎、不思議な能力——すべてを受け止め、彼女の孤独な心を愛で包み込もうとするニコポル。彼を通して愛の意味を学んでゆくジル。だがふたりが心を通わせることができるのは、ホルスがニコポルのコントロールを解いている時だけである。そのホルスもまた、彼にしかできない方法でジルを危険から守ろうとしていた、果たしてニコポルとホルスはジルへの愛のライバルか、それとも共犯者なのか?ホルスの真の目的とは何なのか?
 刻々と迫るホルスのタイムリミット。ひたひたと迫る恐るべき敵。任務をまっとうすべく、ジルを“侵入口”へと導くジョン。すべての糸が驚くべき結末へ向けてたぐりよせられていく。
 果たしてニコポルの愛は、ジルの悲しみの涙を喜びのそれへと変えることができるのか?そしてその時、世界は再び希望を見出すことができるのだろうか?

スタッフ

監督:エンキ・ビラル
脚本:エンキ・ビラル、セルジュ・レーマン
製作:シャルル・ガソ
共同製作:ダニエル・J・ウォーカー
製作総指揮:ドミニク・ブリュネ
撮影監督:パスカル・ジェネッソー
美術監督:ジャン=ピエール・フィエ
衣装デザイン:ミミ・レンピッカ
メイクアップ・デザイン:ニコラス・ドゥジェヌ
編集:ヴェロニク・バルネ
音楽:ゴラン・ヴェイヴォダ
音響デザイン:ローラン・カリオ
VFX:デュラン・アニメーション・スタジオ
 総監督:パスカル・エロルド
 視覚効果監督:ジャックマン・ピエル

キャスト

リンダ・アルディ
トーマス・クレッチマン
シャーロット・ランプリング
ヤン・コレット
フレデリック・ピエロ
トーマス・M・ポラード
ジョー・シェリダン
コリーヌ・ジャベール

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