原題:TURN LEFT, TURN RIGHT/向左走・向右走

運命のふたりなら僕らはもう、街のどこかですれ違ってる。

2003年9月11日香港公開

2003年/香港映画/上映時間:1時間39分、5巻、2713m、ビスタビジョン/字幕翻訳:稲田瑳裕里 配給:ワーナー・ブラザース映画

2009年07月22日よりDVDリリース 2005年03月04日よりDVD発売開始 2005年03月04日よりビデオレンタル開始 2004年10月30日(土)、シネマミラノ他にてロードショー

(C) 2004 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

公開初日 2004/10/30

配給会社名 0085

解説



街の雑踏の中、きのうと同じ今日がきて、変わりばえのしない一日が終わる。

彼女は思った。
“このままずっとひとりかも知れない”と。

何の予定もない日曜日の午後、ひとりでベンチに座る。
彼は感じた。
“自分の人生がどうしようもなくつまらない”と。

彼女の名前はイブ、詩をこよなく愛する名もない翻訳家。
彼の名前はジョン。引っ込み思案な音楽家。
まったく見知らぬ同士のふたり。
彼には、右に曲がる癖があり、彼女には、左に曲がる癖があった。
そんなふたりは、でも本当は運命の相手。
本当は、もう出会っていた。交差点で、回転ドアで、そして木馬のある遊園地で・・・
運命の相手でありながら出会えないふたりがある日、ついに出会う。
そして再び、運命のいたずらで互いを見つけられなくなってしまう。

人の心の奥にある表現しがたい孤独感や、日々のくらしの中に埋もれた宝石のように大切なできごとを、独自の感性で絵と文章に織りなしていく台湾の絵本作家、ジミー。
リャオ(幾米)。
彼の作品は中国、韓国、香港、台湾で大人の絵本ブームを巻き起こし、中国人で彼のことを知らない人はいない、と言われるほど。「ジミーの絵本はどれもあたたかく、思わず涙が出てくる」「書店でふと手にとり、ひとめぼれした」と感動の声があとを断たない。
さらに、中華圏のみならず彼の本は日本や欧米など世界12カ国で翻訳出版されている。

映画「ターンレフト ターンライト」は、そのジミーによるベストセラー絵本を原作とする。

脚本と監督を担当したのは、香港きってのヒットメイカーである異才コンビ、ジョニー・トーとワイ・カーファイ。彼らの作品は香港アカデミー賞や台湾アカデミー賞を常ににぎわせ、ノミネートはもちろん受賞作も多数。世界各地の国際映画祭でも注目をあび、一作ごとに評価を高めている。
主演は、金城武とジジ・リョン。共にアジアの大スターである2人は、今回で2度目の共演となる。ピュアな金城武の魅力と、さわやかなジジ・リョンの清潔感は、空気のようにとけあってとても相性が良く、絵本の世界から抜け出したキャラクターそのままに画面の中で生き生きと輝いている。原作者のジミー自身も「原作のイメージにぴったり」と絶賛した。

製作をつとめるのは、ハリウッドのメジャースタジオ、ワーナー・ブラザース。同社にとっては新たな試みであり、本作をかわきりにアジア圏への参入が本格化した。
ジョニー・トー監督も「ワーナー・ブラザースとご一緒できて嬉しい限りです。この作品がきっかけとなって、中国映画界に新たな活路が拓けるでしょう」と自信を持って送り出した本作は、すでに香港や台湾で公開され、ハートウオーミングな物語が異例の大ヒットを記録している。

「夢見ることは寂しい人の生きるための手段なんだ」とジミーは語る。
でも、彼の見せてくれる“夢”は覚めることがない。
それどころか現実に戻った時にその“夢”はもっと確実な“希望”に生まれ変わっている。
運命の相手なら、今朝もどこかで“すれ違って”いるはず──そんな気持ちにさせられるのだ。
映画を見終わったとき、確実に、あなたの中の何かが変わっている。

ストーリー



 雨の台北。交差点で信号待ちをする人の群れ。その中に無名のバイオリニスト、ジョンと、雇われ翻訳家イブの姿があった。2人は互いを知らず、その存在に気づくこともない。
 実は、2人が住む部屋は壁一枚を隔てた隣同士だった。でもジョンはアパートの右側の玄関から出入りし、出るときは必ず右側へ歩き出す。かたやイブはアパートの左側の玄関から出入りし、出るときは必ず左側へ歩き出す。だから一度も顔を合わせたことがない。
 そんな2人がたまたま公園で知り合った。そして、驚くような事実にたどりつく。
なんと2人は学生時代に一度出会っていたのだ──。互いに意識しながらも名前すら聞かずじまい、相手の学生番号だけをいつまでも忘れずにいた2人は、こうして運命的に再会した。
 ところがまたしても運命がいたずらをする。突然の夕立の中、電話番号を交換してあわただしく分かれた2人は、翌朝になって言葉を失った。電話番号を書いたメモが、雨ににじんで読めなくなっていたのだ。
 2人は手あたり次第に電話をかけるが、ハズレ続き。しかも雨に濡れたせいでひどい風邪をこじらせていく。たまたま相前後して同じ食堂に電話をかけた2人が同じ出前を頼むと、配達に来たシャオホンは、ハンサムなジョンに一目惚れ。彼が探そうとしている女性は隣のイブだとピンときたが、知らんぷりを通す。かたやイブは入院先で、むかしイブを追い回していた医師のフーに出くわす。同じころジョンも同じ病院に入院していたのだが・・・。
 こうして、2人の恋に邪魔が入ってきた。イブが別の男を好きなことに嫉妬したフーは、探偵を雇ってイブの身辺をさぐる。その結果、思いがけないことが判明。イブが写っている写真のどこかに必ずジョンが写っていたのだ。フーとシャオホンは、イブとジョンが振り向いてくれない腹いせに2人を絶対に会わせまいとして同盟を結び、ついにはいやがらせを決意。2人が写り込んでいる写真を焼き増しして、それぞれに匿名で送りつける。
 会いたい人とこれほどまでにすれちがっていながら、気づくことのできない自分──最後まですれちがう運命なのだろうか。悲嘆にくれるイブとジョン。
 やがて、2人は苦悩を超えてそれぞれの道を歩み出すチャンスを手にする。ジョンは管弦楽団の奏者としてウィーンへ。イブは海外出版社の社員としてアメリカへ。
 台北を後にする日、2人は壁1枚を隔てて、旅の荷物をまとめていた。そのとき──。

スタッフ

監督:ジョニー・トー、ワイ・カーファイ
原作絵本: 小学館 刊
ジミー・リャオの絵本に基づく
脚本:ワイ・カーファイ、ヤウ・ナイホイ、オウ・キンイー、イップ・ティンシン
製作:ジョニー・トー、ワイ・カーファイ、ダニエル・ユン
製作総指揮:キャサリン・チャン
美術:エレイン・チュー 
セカンド・ユニット・ディレクター&エディター:ロウ・ウィンチョン
撮影:チェン・シウキョン(H.K.S.C.) 
プロダクション・デザイナー:ブルース・ユー
音楽:チャン・チーウィン、ベン・チェン
オリジナル・サウンドトラック: ワーナーミュージック・ジャパン
制作:ミルキーウェイ・イメージ
提携:レインツリー・ピクチャーズ
提供:ワーナー・ブラザース映画  

キャスト

金城武
ジジ・リョン
エドマンド・チェン
テリー・クワン
特別出演:ラム・シュー、ホイ・シウホン

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