原題:UPTOWN GIRLS

2003年8月15日全米初公開

2003年/アメリカ/1時間33分/ヴィスタサイズ/ドルビーSR・SRD/DTS 配給:20世紀フォックス映画

2007年12月19日よりDVDリリース 2004年08月06日よりビデオレンタル開始 2004年08月05日よりDVD発売開始 2004年より2月21日より、みゆき座ほかにてロードショー

(C)2003 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC.

公開初日 2004/02/21

配給会社名 0057

解説


 ニューヨークのアップタウンに住むモリーは、伝説的なロックスターだった父親の遺産で何不自由なく暮らし、毎夜毎夜のパーティ三昧の日々。だが、財産管理人の策略により、遺産は持ち逃げされ、ある日突然無一文に。彼女が、やっとのことで見つけた職は、女性レコードプロデューサーの娘レイのベビーシッター。だが彼女は8歳にして人生を達観している可愛げのない女の子。子供のように奔放なモリーと、子供であることを忘れてしまったレイ。何から何までそりの合わない“大人と子供”だったが、レイの秘密を知った時、2人の関係にも変化が訪れる。

 「17歳のカルテ」「8Mile」「ジャスト・マリッジ」などシリアスなドラマからコメディまで多彩な役を演じてハリウッドの超売れっ子になったキュートな女優ブリタニー・マーフィと、「アイ・アム・サム」でショーン・ペンの賢くて健気な娘ルーシーを演じて天才子役として注目されたダコタ・ファニング。この二人の顔を思い浮かべれば、モリーとレイのユニークでユーモラスで感動的な関係が想像できるはず。そして、明るくて愉快なイメージがふわっと広がっていくに違いない。

 そして、二人を取り巻くキャストは、モリーの親友イングリッドに「はじまりはキッスから」のマーリー・シェルトン。身勝手すぎてイングリッドに追い出されたモリーを自分の部屋に居候させてやるスカウトマン、ヒューイに「タイタンズを忘れない」のドナルド・フェイソン。モリーが恋をするミュージシャンのニールには、オーストラリア出身の新人美形俳優で、女の子なら誰でも恋に落ちそうなカリスマ的魅力を発散するジェシー・スペンサーが抜擢された。

 監督はデンゼル・ワシントン主演の「タイタンズを忘れない」を大ヒットさせたボアズ・イェーキン。社会派娯楽作の監督として評価の高い彼は、自作「しあわせ色のルビー」をプロデュースしたジョン・ペノッティに乞われてアドバイスをするために脚本を読んだのだが、モリーのキャラクターに恋をして自らメガホンをとることになった。

 そして、作り手たちが声をそろえて“もう一人の主役”と言うのが、物語の舞台となるニューヨークの街。撮影はすべてニューヨークで行われ、セントラルパークやメトロポリタン美術館といった有名スポットから最先端のナイトクラブまで、魅惑的なニューヨークが存分に楽しめる。撮影監督はミヒャエル・バルハウス。「アフター・アワーズ」から「ギャング・オブ・ニューヨーク」までマーティン・スコセッシ監督の“ニューヨーク”を映像に焼きつけてきた名手は、ゴージャスでエキサイティングなこの街をヴィヴィッドにとらえて見事というほかない。また、カラフルなプロダクション・デザインを担当したのは「スモーク」「ブルー・イン・ザ・フェイス」などで知られるカリナ・イワノフ。ドールハウスのようなモリーのアパートと、優美で完璧な装飾を施したレイのアパートを対比させて二人の関係を際立たせている。また、衣裳デザイナー、サラ・エドワーズによるモリーのチャーミングなファッションも見逃せない。

ストーリー


 モリー(ブリタニー・マーフィ)は、今は亡き伝説的ロックスター、トミー・ガンの娘。ニューヨークの高級アパートで自由気ままな毎日を送り、部屋の外の廊下は男たちからの花束や贈り物でいっぱい。今日は誕生日だというのに寝坊してしまったモリーに、パーティ会場から親友イングリッド(マーリー・シェルトン)が電話をかけてくる。

 タクシーでナイトクラブに駆けつけたモリーを、たくさんの“友人”たちが歓声で迎えた。しばらくしてモリーが化粧室に入ると、そこにいたのは超ナマイキなガキ(ダコタ・ファニング)。額のシワを気にするモリーを意地悪く挑発したそのガキは、音楽業界のエグゼクティブ、ローマ・シュライン(ヘザー・ロックリア)の娘レイ。ローマの下でミュージシャンをスカウトしているモリーの友人ヒューイ(ドナルド・フェイソン)が連れてきたのだ。

 ステージではハンサムな新人ニール(ジェシー・スペンサー)がモリーのために歌っていた。すっかり彼に夢中になったモリーは強引にアパートに誘い、1年間は酒と女を絶つと誓っていた彼を陥落させる。ニールにとってモリーの父トミーは尊敬するアーティスト。アパートの一室に並べられた遺品のギターを見て感激している。しかし、情熱に浮かれた数日が過ぎると、モリーは暗い曲ばかり歌うニールにうんざり。ニールの方も、食い散らかして洗濯物が散乱する部屋での生活に疲れて出ていってしまう。いざニールが出て行くと「彼なしでは生きていけない」とパニックに陥るモリー。気がつくと、なぜか電気もガスも止められている。財産管理をしていた会計士が、印税の前払い金を着服して姿を消したのだ。

 突然、一文無しになったモリーはアパートを追い出され、生まれて初めて“仕事”を探さねばならなくなる。イングリッドの部屋に家賃折半のルームメートとして住み始め、ヒューイの口利きでレイの子守り役として働くことになった。

 レイは健康オタクで細菌恐怖症、部屋は塵ひとつなく整然としている。3歳のころから精神科医にかかり、整腸剤と精神安定剤を常用している彼女には、かわいいミニチュアのティーセットを見てスコーンにかじりつく“不潔”で子供っぽいモリーが信じられない。大人になりきれない22歳と大人びた8歳の女の子は何から何までそりが合わない。

 ある日、学校にレイを迎えに行ったモリーはレイのクラスメートに“ケバいアバズレ”と言われて取っ組み合いの大ゲンカ。一方、ニールはモリーの助言をいれて暗い歌詞に“ハジけるパンチ”をつけ、彼女が手直ししたオシャレな革ジャンを着てスター街道まっしぐら。それを見て落ち込み、情緒不安定になったモリーはイングリッドとの約束を破ってアパートを追い出され、ヒューイの部屋に転がり込む。

 その日はレイのバレエの発表会。しかし会場にママの姿はない。忙しいママはレイに何でも買い与えるだけで、娘の心をわかろうとはしなかった。それに気づいたモリーは、両親を飛行機事故で亡くしたとき、悲しみから逃れるための唯一の方法だったコニーアイランドの遊園地のティーカップへ、レイを無理やり連れて行った。今、モリーはレイが自分と同じ境遇にあることを知っていた……。

スタッフ

監督:ボアズ・イェーキン
ストーリー:アリソン・ジェイコブス
製作:ジョン・ペノッティ、フィッシャー・スティーブンス、アリソン・ジェイコブス
脚本:ジュリア・ダール、モー・オグドロニック、リサ・デヴィッドウィッツ
撮影:ミヒャエル・バルハウス
美術:カリナ・イワノフ
音楽:ジョエル・マクニーリイ
衣装:サラ・エドワーズ
配給:20世紀フォックス

キャスト

ブリタニー・マーフィ
ダコタ・ファニング
マーリー・シェルトン
ドナルド・フェイソン
ジェシー・スペンサー
ヘザー・ロックリア

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