原題:La Bande du Drugstore

あなたは、どれくらいかかりますか?

2002年/フランス/カラー/94分/ 配給:アートポート

2004年12月24日よりビデオレンタル開始 2004年12月24日よりDVD発売開始 2004年7月31日、シブヤ・シネマ・ソサエティにてロードショー

公開初日 2004/07/31

配給会社名 0014

解説


「恋愛猶予とは・・・」
 お互いに好きとわかっているのに「好き」と言い出せない期間。好きになればなるほど遠回りしてしまう二人の不器用な恋愛は、誰にでも経験のある青春の1ページを思い起こさせるでしょう。そして、いつの時代も変わらない“素直になりたい”と願い、努力する彼女たちの姿は、あなたに恋する勇気を与えます!

 思えば60年代、地球は無血の革命に浮かれていた。ビートルズが登場し、ソウル・ミュージックが開花し、ツイストダンス、モッズルック、ヒッピースタイル、ミニスカートが若者たちの仲間に加わったのである。それはまさに凄いエポックの到来だった。
 映画界ではヌーヴェル・ヴァーグが出現、旗手はジャン=リュック・ゴダールだった。名作より実験作が俄然注目を浴び、ベテランより新人が話題にのぼるようになったのだ。
 時を同じくして、パリはシャンゼリゼ通りに誕生したのが、クラブ“ドラッグ・ストア”だ。そこには旧来のモラルを蹴り上げていきようとする若い男と女が集まった。クールで尊大で、反逆的で鋭い感覚の持ち主たち。彼らは親の世代の常識を無視し、欲望に従順であろうとした。
 この映画は、その“ドラッグ・ストア”に出入りする若者達のグループのひとつのカメラを向けて、ストーリーを進めていく。インテリジェンスたっぷりなのに、そう見られるのを嫌い、極度に感情を隠してカッコをつけるフィリップ。ダンディなおしゃれの伝統を引き継ぎ、それでいて大人たちの言いなりにはならないぞと精一杯強がって見せる。むらだらけの彼の想いを通して、60年代の若者たちの不器用さと純粋さがスクリーンに甦る。
 フィリップに扮するのは、新人マチュ−・シモネ。父ジャック・ぺランが監督した『WATARIDORI』(01)では、スチール・カメラマンとして製作スタッフに名をつらねた。彼のリアクションに、ハートを混乱させるシャルロット役には、セシル・カッセル。彼女も2世スターで、父はジャン・ピエール・カッセル。兄はヴァンサン・カッセル。ありふれた華奢な美形スターでは表せないシャルロットの心理を、キリリとチャーミングに演じる。
 フィリップの友達マルクには、『女はみんな生きている』(01)で、トンチンカンな息子を演じたオレリアン・ウィイクが扮する。幼なじみのやんちゃガール、ナタリーにはアリス・タグリオーニ。
 アムールの国フランスといえども「好き!」の一言を相手に伝えることがいかに大変かをテーマにした原作、脚本、監督のフランソワ・アルマネの視線が誠実だ。
 “ドラッグ・ストア”の常連の若者像は、60年代だけの特産ではない。どんな時代、どんな国でも、常に傲慢で舌ったらずで、妙に偏屈でがむしゃらでグズで可愛げのないのが、生の“若さ”というものだろう。
 72年9月の夜に“ドラッグ・ストア”は火事で消滅したが、当時の若者たちの心意気や孤独や悩みは永遠である。

ストーリー



出会ってから10ヶ月。
あなたにたどりつくまでに、私は随分、遠回りをした…。

1966年パリ。シャルロットは、誕生日パーティーでフィリップを紹介される。出会った瞬間から惹かれあった二人は、ダンスをしながらキスを交わした。想いを伝えるには何の障害もないようにみえた二人だったが、相手を想うあまりに素直になれず、お互いにそしらぬ素振りをしてしまうのだった。相手の何気ないしぐさや一言に傷ついたり、怒ったり、自信をなくしていく二人。感情の迷路に迷い込んでしまい出口が見つからず、フィリップはナタリーと、シャルロットはマルクと関係を持ってしまう。「好き」の一君を胸の奥にしまい込み、自分の本当の気持ちに逆らいながら長い長いまわり道をしたシャルロットとフィリップ。そしてようやく、二人は大切なことを発見する。

スタッフ

監督:フランソワ・アルマネ
原作・脚本:フランソワ・アルマネ、ジャン・エルベール
撮影:ギヨーム・シフマン
編集:サンドリーヌ・ディーガン
美術:ジャン=マルク・トランダンパ
録音:フィリップ・ルクール
衣装:ナタリー・ラウル
キャスティング:アネット・トゥリュメル
台本:イザベル・リビ
ヘアメイク:ミシェル・ケラン・ケンテル、セリア・ベスト
音響:フレッド・メール
音楽監督:チエリ・ガルシア
エグゼクティブ・プロデューサー:ジャン・ブレア、ラシッド・ブシャール
ゼネラルディレクター:ミュリエル・メルラン

キャスト

マチュ−・シモネ
セシル・カッセル
オレリアン・ウィイク
アリス・タグリオーニ

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