アメリカン・スプレンダー
原題:American Splendor
2003年/アメリカ/101分/ 配給:東芝エンターテイネメント
2005年01月28日よりDVD発売開始 2005年01月28日よりビデオレンタル開始 2004年7月10日よりヴァージンシネマズ六本木ヒルズにてロードショー
公開初日 2004/07/10
配給会社名 0008
解説
オハイオ州クリーブランドの病院事務員として、書類の整理に明け暮れるハービー・ピーカー(ポール・ジアマッティ)。
コンプレックスたっぷりの風貌に、もともとの心配性もあいまって、なかなかダメな毎日を過ごしている。そんな現状をなんとかしようとハービーが思いついたのは、自分を取り巻く日常をコミックにすること。絵が描けなくたって問題なし。友人に作画を担当してもらい創刊したコミック「アメリカン・スプレンダー」はたちまち評判に!
そんな頃、コミックの熱心な読者ジョイス・ブラブナー(ホープ・デイヴィス)からの手紙がハービーの元に届く。
似たもの同士の二人は、会ったその日に意気投合してスピード結婚。ハービーのサエない毎日にちょっとした幸せが訪れるが、不器用な二人の生活には次々とトラブルが発生して…
コミックの原作を書くことで自分を表現する手段を手に入れただけではなく、ありのままの自分を愛してくれる妻、そして家族を手に入れたハービー。でも、ハービーが特別だったわけじゃない。誰のどんな毎日だって… そう! もちろんあなたの毎日もきっと輝いているはず!!
“スーパーのレジに並ぶとき、何に注意するべき?”
ハービーがコミック「アメリカン・スプレンダー」で取り上げる題材は、フツーの毎日こそ面白いと思っている彼ならではの、ついついうなづいてしまうようなものばかり。いつもハービーにネタを提供してくれる病院の同僚たちは、きっとあなたの身近にもいるような(いや、とてもいそうにない!?)タイプばかりだし、趣味のSP盤レコード収集にまつわるエピソードも何かをコレクションしている人には、嬉しくも耳が痛かったりする話ばかりで思わず笑ってしまうはず。
でもフツーの毎日もラクじゃない。ハービーは“ありのままの自分を愛して欲しい”と心から願っているのに頑固で不器用。そのうえ格好よくないと来たらモテるはずもない。ついついそんな不満をコミック原作に書き綴ることも…
コミックに記された、ありのままのハービー。そのちょっと変でヘタクソな優しさに溢れた姿は、きっとあなたを虜にする!
『アメリカン・スプレンダー』の主人公、ハービー・ピーカーは70年代から年に1冊のペースでコミック「アメリカン・スプレンダー」を出版し続けている、実在のコミック原作者。
彼のフツーの日常を描いたコミック「アメリカン・スプレンダー」は、絵の描けないハービーに代わって様々なアーティストが作画を担当している(創刊号の作画を担当したのは、今やオルタナティヴ・コミックのゴッドファーザー的存在として人気のロバート・クラム!)。本作で劇映画デビューを果たすシャリ・スプリンガー・バーマンとロバート・プルチーニの夫婦監督は、自分たちも“作画を担当したアーティストの一人”として、「アメリカン・スプレンダー」の映画版を作ろうと思い立った。
コミックそのままに映画にも、実在のハービー、ポール・ジアマッティが演じるハービー、イラストのハービー、ハービーが過去に出演した番組の映像などなど、何人ものハービーが登場している。その上、関連のないいくつかの短編をつなぎ合わせて、ひとつの物語を作るという困難を解決したのは“ハービーとコミック、そしてジョイスとのシンプルなラブストーリー”として描くということだった。
「実在するものも、そうでないものも信用してはいけない。すべてなんとなく本物であると同時に、すべてなんとなく本物でないようにしなければいけない」を合言葉に、技術的なアイデアに懲りすぎることなく、感情を揺さぶる何かが観客に伝わるように心がけ、バーマンとプルチーニは、ジョイスとハービーの夫婦の物語を優しいまなざしで切り取った。2組のクリエイター夫婦同士の信頼関係はスクリーンを通して伝わってくるようだ。
そうした確かな演出に多くの期待が寄せられ、本作は本年度の全米各賞レースの台風の目として数多くの賞を受賞。受賞こそ逃したがアカデミー賞やゴールデン・グローブ賞にもノミネートされ、全米だけにとどまらず全世界的な注目を集めることとなった。
性格派俳優のポール・ジアマッティは実際のハービーの外見や、トーク番組に出演したときの不機嫌な態度などを研究し、あまりにも自然な演技でハービー役を演じている。実在するハービーとコミックに登場するハービーを演じ分けただけではなく、映画の各シークエンスをスムーズに橋渡しした演技は高い評価を受け、ナショナル・ボード・オブ・レビューでの受賞をはじめ、多くの賞賛が寄せられた。
ハービーの妻ジョイスを演じたホープ・デイヴィスは、笑いをねらっていないのに面白い、という新しい魅力を発揮。ジョイスというキャラクターを深いレベルで理解していたからこその演技で、ゴールデン・グローブ賞助演女優賞にノミネートされるという快挙を成し遂げた。
ストーリー
1960年代。ハーヴィー・ピーカーはちょっと気難しい変わり者だが、クリーヴランドの病院事務員としての生活は平凡そのもの。ところが近所に住むコミック作家ロバート・クラムと知り合ったことをきっかけに、自らの日常を描いたコミック「アメリカン・スプレンダー」を出版し、大評判に!ついにはアメリカン・ブック・アワードを受賞する。その人気は留まる事を知らず、80年代には深夜番組のゲスト出演者となるも毒舌のためについに追放、その上、闘病の日々を余儀なくされる事になるのだが…。
スタッフ
監督・脚本:シャリ・スプリンガー・バーマン
ロバート・プルチーニ
製作:テッド・ホープ
撮影:テリー・ステイシー
編集:ロバート・プルチーニ
美術:テレーズ・デプレス
キャスト
ポール・ジアマッティ
ホープ・デイヴィス
ハーヴィー・ピーカー
ジュダ・フリードランダー
マディリン・スウィーテン
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