原題:Taegukgi

2004年2月5日韓国初公開

2004年/韓国/カラー/154分/ 配給:UIP映画

2008年07月10日よりDVDリリース 2004年11月05日よりビデオレンタル開始 2004年11月05日よりDVD発売開始 2004年6月26日より日比谷スカラ座1他にてロードショー

公開初日 2004/06/26

配給会社名 0081

解説



朝鮮戦争に休戦が宣言されてから50年目にあたる2003年に撮影を始め、9ヶ月にも及ぶ撮影期間を経て2004年に完成した『ブラザーフッド』。現代の若者にとってはひとごとかもしれない、また全ての人の記憶からの次第に薄れつつあるかもしれない最も悲劇的な戦争と呼ばれている、朝鮮戦争の物語が、いまスクリーンに甦る。

日本をはじめアジア各国で「シュリ:シンドローム」を巻き起こし、韓国映画の世界への新たな可能性を提示した、カン・ジェギュ監督待望の最新作『ブラザーフッド』。韓国では2月6日に公開され、初日から3日間で1777466人を動員し、オープニング新記録を樹立。本作は『プライベート・ライアン』を凌ぐ、臨場感あふれる戦闘シーンが連続する戦争映画でありながら、それと同時に、あまりにも激しく、そしてせつない兄弟の物語が描かれているという、”スペクタクル+泣き”のあるドラマが融合した、ヒューマン・スペクタクル・ドラマである。

2000年、韓国で興味深い1本のドキュメンタリーが放映された。朝鮮戦争の遺骨発掘に関する話だ。たった一通の戦死広報すら受け取ることができず、参戦した夫を50年のあいだ待ちつづけた妻。当時うら若き乙女だった彼女も、すでに白髪の老人になった。兵士の背に背負われて険しい坂を登り、夫の遺骨と50年ぶりの対面を果たした彼女は、夫の骨片を手に立ち尽くしむせび泣く。夫は何を思って戦い、死んでいったのか・・・。

これまで、民主主義か共産主義かというイデオロギーの次元、南北の対立と米ソ両陣営の代理戦争という政治の次元でのみ語られてきた朝鮮戦争。しかし、それだけでが全てではない。戦争という極限状態の下では、人間のあらゆる感情が凝縮されて表現される。愛する人への切ない思い、やりたいことを断念する哀しみ、守るべき人のために身を投げ出す勇気、そして生きたいという原初的な本能・・・・・・。何のために戦ったのか、どのように戦ったのかも知られないまま、500万人という人命が失われた朝鮮戦争。『ブラザーフッド』は戦争の真っ只中に立たざるを得なかった一組の兄弟に焦点を当てた、究極のヒューマンドラマであり、韓国映画史上最大の総制作費147億ウォンが投入され、ハリウッド映画を凌駕するスケール感で観る者を圧倒する。

観客の目を奪う大スペクタクルシーンを作品前半に配置し、観客の興味を完璧にひきつけたカン・ジェギュ監督の手並みは鮮やかだ。50年代の時代状況をリアルに再現するため、朝鮮戦争に関する1000点以上の文献資料、写真・いラスト、戦争ドキュメンタリー資料を調査。20人を超える専門家の諮問委員を設けて、徹底した時代考証がおこなわれた。撮影期間9ヶ月。全国18地域をオールロケーションし、参加スタッフは、150人を超える。しかし、朝鮮戦争という深刻な題材を選んだカン・ジェギュ監督がシナリオに一番求めたものは、それに負けない密度の高い人間ドラマだと、ダイナミックで目が離せないストーリー展開だ。戦争をゲームと同一視、その中にヒーローを誕生させるような、従来みられた戦争映画とは一線を画し、『ブラザーフッド』は朝鮮戦争という巨大な歴史を見事に描いた深みのあるドラマと、これまで韓国映画が試みることすら叶わなかった最高のスペクタクルシーンを併せ持つ作品となった。

『ブラザーフッド』が提供する話題の中でも、一番観客の期待感を膨らませるのは、豪華なキャスティングだ。『友へ/チング』(01)、ドラマ「イブのすべて」で日本でもおなじみのチャン・ドンゴン。日本では深田恭子と共演した日韓合同ドラマ「フレンズ」で人気が爆発し、『ガン&トークス』(01)に続き、映画俳優の地歩を固める第2作として『ブラザーフッド』を選んだウォンビン、『オー!スジョン』(00/未)『バンジ—ジャンプをする』(01/未)で、成熟した大人の女性からはつらつとした活発な女性までを演じ、どんな役柄も完璧にこなすと製作者の信頼も厚いイ・ウンジュ。そして「主演よりもなくてはならない助演」という評価を得ているチェ・ミンシク。韓国映画界が誇るスターと実力演技派の華麗な共演が実現した。 

ストーリー




ソウル鐘路(チョンノ)の路地裏。ジンテ(チャン・ドンゴン)は、父亡き後家族の生計を支え懸命に生きている。生活は苦しいが、愛するヨンシン(イ・ウンジュ)との結婚と、この世で最も大事に思っている弟ジンソク(ウォンビン)の大学進学のために生きる1日1日は幸福だった。
運命の日、6月25日。平和だったソウルの街は一瞬にしてサイレンの音と爆発音、人々の悲鳴が渦巻く修羅場に変わった。戦争が勃発したのだ。多くの人々とともにあわただしく避難の途につくジンテとヨンシンの家族。しかし、避難列車に乗るために辿り着いた駅で、ジンテとジンソクは軍人達により強制徴用され、軍用列車に乗せられる。
平穏な日常から、生死が行き交う戦場に放り込まれたジンテとジンソク。二人は訓練を受ける余裕すらなく、韓国軍最後の保塁である洛東江(ナクトンガン)防御線に実践投入される。38度線を越えた朝鮮人民軍は、ソウルを陥落させて怒涛の進撃を続け、韓国軍を朝鮮半島の南端に追い詰めていた。絶え間ない砲撃にされされ、塹壕の中を逃げ惑う韓国軍の兵士達。まさに地獄絵図だ。弟ジンソクと同じ小隊に配属されたジンテは、ジンソクの召集解除を求めて大隊長に会いに行く。大隊長との面談を通じて、弟を除隊させるために何をしなければならないかを悟ったジンテは、弟を救うために銃を取り英雄になることを決意する。ジンテの活躍もあって洛東江の防御線を守るのに成功した韓国軍は、国連軍の仁川上陸作戦が成功したという知らせを聞き、ついに北進を開始した。そんな中、ただ弟の製造を願うという理由だけでジンテはあえて危険な任務を遂行し続けるが、そんな兄を理解できないジンソク。二人の溝が徐々に深まっていくなか、ジンテが数々の任務を成し遂げ勲章を手にし、ジンソクを家に帰らせようとするが、ジンソクは拒否し、二人の仲は決定的になる。そんな険悪な状態の彼らの前に、思いもかけない運命の罠が待ち受けていた。

スタッフ

監督・企画:カン・ジェギュ
脚本:カン・ジェギュ、ハン・ジフン、キム・サンドン
撮影:ホン・ギョンピョ
プロダクション・デザイナー:シン・ボギョン
アートディレクター:イ・ミギョン、イ・デフン
武術指導:チョン・ドゥホン、キム・ミンス
編集:パク・コッチ、チョン・ジニ
照明:ユ・ヨンジョン
音楽:イ・ドンジュン

キャスト

チャン・ドンゴン
ウォン・ビン
イ・ウンジュ
チョ・ユニ
コン・ヒョンジン
イ・ヨンナン
チャン・ミノ
アン・ギルガン
パク・キルス
チョン・ジン
チェ・ミンシク
キム・スロ
チョン・ドゥホン
キム・ヘゴン
チョン・ホビン
パク・トンビン

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