原題:de'racine'

中原俊監督 最新作

第11回あおもり映画祭正式出品作品

2002年/日本/1時間35分35mm/ビスタサイズ 配給:ライズピクチャーズ、メディアボックス

2005年08月26日よりDVDリリース 2005年08月05日よりビデオリリース 2004年11月27日(土)よりシネマメディア−ジュにて公開

公開初日 2004/11/27

配給会社名 0531/0099

解説


「でらしね」=根無し草(仏語)を意味するこの映画は、ある両家の激しい生き様に翻弄されながらも、たくましく自立していく一人の女性の生き方に迫った力作です。
主演の奥田瑛二は映画監督(「少女」がパリ映画祭グランプリ)・プロの画家としても活躍し、本作の中では実際に撮影とリンクしながら劇中画を仕上げていき、ストイックで緊張感溢れるアーチストを好演しています。また、女性画商を演じる黒沢あすかは先頃、主演作『六月の蛇』(塚本晋也監督・2003年公開)が2002年度ベネチア国際映画祭で審査員特別賞を受賞した今話題の注日株です。本作では全裸モデルシーンにも果敢に挑戦。原生林に柔らかな肢体を絡みつけるというハードな芝居ながら決して不潔にならない不思議な魅力と、ピュアで清々しい演技は女性にも共感を得られるでしょう。

ストーリー



水木譲司はホームレスの画家である。
社会から見捨てられ、妻子に逃げられて路上生活者になったのである。毎日ダンボールの紙片を抱えて歩き回り、何枚かの絵を描いて帰ってくる。粗末な画材で描くものは「タバコの吸い殻」「電信柱」「酒瓶」「道端のゴミ」「ビル群」など地味な題材ばかりであった。ホームレス仲間のアカちゃんとキイちゃんが、譲司の絵を一枚五百円で売って三人で路上生活をしている。そんな彼らの前に、ハイヒールにスーツ姿の橘今日子と名乗る女性が現れ、譲司のダンボール絵を毎日一枚だけ買っていく。
ある日、譲司に向かって意外なことを言い出した。「あなたの絵が気に入ったの。お金を差し上げますから大作を書いて欲しい」。今日子は岡本画廊で働くバイヤーであった。彼女はオーナーの岡本光太郎から独立して自分の画廊を出す野望があったのだ。そのために自分で見いだした譲司の才能が必要だった。
しかし高慢な女の態度に譲司はにべもなくその申し出を断った。「俺はそんな気はないね…お帰り下さい」。残念がるアカちゃんとキイちゃんだが譲司は頑なに拒むばかりだった。そんな日々の中、酒に溺れる譲司の肉体は確実に蝕まれていった。譲司の肉体は重い病に冒されていたのだ…。

譲司が発作に襲われ病院に担ぎ込まれた夜、アカちゃんに呼ばれて駆けつけた今日子は、病院の支払いを済ませると大作を描くことを譲司に迫る。
自分の死期を悟った譲司は今日子が用意した山奥の山荘で絵を描き始めた。譲司に残された最後の選択だった。
しかし「自分の絵」はなかなか戻ってこない。自然に向かい合って描こうとしても自己の矮小さに負けてしまうのだった。酒に逃げる日々が続いたが、ついに自分のテーマを再発見することになる。
封印したはずの「女」を描く。
泊まり込んでいた今日子の部屋のドアを叩いて譲司は叫ぶ。
「…君の裸が描きたい…」
鬼気迫る譲司の熱意に今日子はゆっくりと頷く。
今日子の裸身をテーマに譲司は狂ったように描き始めた。

スタッフ

監督:中原俊
脚本:小林政広
音楽:大友良英
美術:稲垣尚夫
撮影:石井浩一 
照明:櫻井雅章
録音:志満順一
衣装:宮本まさ江
編集:深野俊英
助監督:吉村達矢
製作担当:土本貴生
効果:丹雄ニ
装飾:高階まるみ
制作主任:前村祐子
制作進行:村田亮、花岡佐知子
画:奥田瑛二
製作:ライズピクチャーズ、ルートピクチャーズ
制作プロダクション:ボノボ

キャスト

奥田瑛二
黒沢あすか
益岡徹
三谷昇
田鍋謙一郎
掛田誠
篠原さとし
宮沢美保
木下ほうか
木村明子
三坂知絵子
金子政
柳野幸成
斉藤岳
成瀬労

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