原題:The Village

その《地上の楽園》は、 奇妙な《掟》に縛られていた…。 ——何故?

2004年7月30日全米公開

2004年/アメリカ/カラー/108分/日本語字幕:松浦美奈 配給:ブエナビスタ・インターナショナル(ジャパン) 

2005年04月22日よりビデオリリース 2004年9月11日より日劇3他にてロードショー

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公開初日 2004/09/11

配給会社名 0069

解説



 1897年・ペンシルヴァニア州──その《ヴィレッジ村》は深い森に囲まれ、外の世界から完全に隔絶していた。60人ほどの住民たちは、巨大な家族のように互いに友愛の絆で結ばれ、喜びも悲しみも全て分かち合いながら生活している。それは、さながら地上の楽園のような共同体──だが、そのユートピアを守るために、村人たちは不可解な《おきて掟》を遵守することを義務付けられていた。

その森に入ってはならない。《彼ら》が待っている。
不吉な赤い色を、封印せよ。《彼ら》を呼び寄せる。
警告の鐘に、注意せよ。《彼ら》がやってくる…。
 
 「《掟》はなぜ作られたのか?」「《彼ら》とは何を意味するのか?」…その答えを知る者はいない。それにも関わらず、村人たちは「《掟》が破られた時、村に災いが起こる」と信じていた。それは何の根拠もない迷信に過ぎないのだろうか? それとも…?
 そして今、エデンの園のアダムとイブが“禁断の果実”を食べたように、一組の恋人たちが“禁断の森”に足を踏み入れようとしていた。その時、《掟》が封印したはずの忌まわしき扉が開かれ、この村に秘められた驚愕の《真実》が姿を現す…。

 「シックス・センス」でハリウッドの若きカリスマとなり、新作を発表する度に世界中にセンセーションを巻き起こしてきたスリラーの天才、M.ナイト・シャマラン監督。《一瞬たりとも見逃せない伏線の連続》《超自然現象へのこだわり》《予測不可能なクライマックス》──彼の作品に一貫して見られるこうした特徴は、比類なきシャマラン・ワールドを確立させた。それはまるで、途方もなく緻密な《ジグゾー・パズル》と、心臓がひっくり返るような《びっくり箱》を合わせたような映像体験。シャマラン以外の誰に、そんな芸当ができるだろうか?
 前作「サイン」から2年──シャマラン・ワールドの集大成ともいえる待望の新作スリラー「ヴィレッジ」は、《呪われた村》に秘められた禁断の真実を描く、戦慄の映像体験である。
 「映画公開日まで、そのストーリーは絶対に明かしてはならない」──シャマラン監督の強い要望により、「ヴィレッジ」の脚本は金庫に厳重に保管され、それを読むことができるのは、シャマラン本人が許可したスタジオのエグゼクティブとごく一握りの撮影関係者のみ。異様なまでの厳戒体制は、この脚本が持つ衝撃度の大きさを何よりも雄弁に物語っている。
 映画の舞台は、深い森によって外の世界から完全に孤立した、ある小さな村。そこは、村人全員が家族のようにふれあうことのできる理想の共同体だが、村人たちの生活は奇妙な《掟》によって縛られていた。一体、何故…? 
 全編にはりめぐらされた伏線という名の《罠》、姿を現すことなく影のように忍び寄る《見えざる恐怖》──“ヒッチコックの再来”と称されるシャマラン監督ならではの緊迫感に満ちた展開は、ひとつの謎がさらなる謎を呼び、破滅の予感を増幅させる。やがて浮かび上がる驚愕の真実。だがその真実も、型破りなまでに大胆な《クライマックス》によって、鮮やかに裏切られていく。サスペンス、ホラー、ミステリー、オカルトといった既成のジャンルを超越した迷宮のシャマラン・ワールドに、ありきたりの出口など存在しないのだ。
 この壮麗にして神秘的な交響曲を奏でるのが、ハリウッドを代表する超一流の俳優たちだ。自由を求める村の若者ルシアス役に、「サイン」で主演のメル・ギブソンの弟役を演じたホアキン・フェニックス。その恋人で盲目のヒロイン・アイヴィー役に、若手実力派の舞台女優でロン・ハワード監督の愛娘でもあるブライス・ダラス・ハワード。その父親で村の指導者エドワード役に、オスカー俳優のウィリアム・ハート。ルシアスの母親アリス役に、「エイリアン」シリーズのシガニー・ウィーバー。そして、ルシアスとアイヴィーの幼なじみのノア役には、「戦場のピアニスト」でオスカーを受賞したエイドリアン・ブロディ。これだけの錚々たる俳優が結集するのは、シャマランの輝かしいキャリアの上でも初めてのことである。
 豪華な俳優陣に加えて、本作品の重要なキャストと言えるのが《色》である。シャマランの作品では、これまでも特定の色がストーリーを伝える上での重要な役割を果たしてきた。その最も顕著な例が「シックス・センス」の《赤》。この作品の中で、赤は“死”を連想させるシーンで多用されており、観客は一見“死”とは関連のないシーンでも、そこに赤い色を発見することで、無意識の内に危険信号を感知する。シャマランのこの一種独特のフェア・プレイ精神は、「ヴィレッジ」でも遺憾なく発揮されている。この村では、《赤》は不吉な色、《黄》はその不吉なものから守ってくれる色と信じられている。それは、観客がシャマラン・ワールドの迷宮に立ち往生しないように与えてくれた、貴重なヒントとなっているのだ。

 かつてシャマランは、彼の作品の特徴ともいえる《超自然現象》に関し、「人々に試練を与え、自分が何のために生まれてきたかを悟らせ、愛する人に伝えるべきことを言わせるための手段」と語っている。幻惑的なトリックを駆使しながらも、彼がこれまで撮り続けてきたテーマは、実はとても本質的な人間ドラマであった。「『ヴィレッジ』で伝えたかったのは、古典的なラブ・ストーリーなんだ」と語るシャマラン。だが、その言葉さえも、彼の仕掛けた《罠》なのかもしれない。愛ほどにミステリアスな感情は、この世に存在しないのだから…。

ストーリー


1897年——ペンシルヴァニア州のある小さな村。この村は深い森によって完全に外の世界から隔絶され、村人たちは森に棲息する≪彼ら≫によって、その生活を脅かされていた。≪彼ら≫の聖域である森を冒さない限り、村人たちに危害は及ばない。だが、長年にわたる≪彼ら≫との和解は、ある日突然に葬り去られる。

一体、何故…?

スタッフ

監督/脚本/製作:M.ナイト・シャマラン
製作:スコット・ルーディン and サム・マーサー
撮影監督:ロジャー・ディーキンス
プロダクション・デザイン:トム・フォーデン
編集:クリストファー・テレフセン
衣装デザイン:アン・ロス
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード

キャスト

ルシアス・ハント:ホアキン・フェニックス
ノア・パーシー:エイドリアン・ブロディ
アリス・ハント:シガニー・ウィーバー
エドワード・ウォーカー:ウィリアム・ハート
アイビー・ウォーカー:ブライス・ダラス・ハワード
キティ・ウォーカー:ジュディ・グリアー
オーガスト・ニコルソン:ブレンダン・グリーソン
フィントン・コイン:マイケル・ピット
クラック夫人:チェリー・ジョーンズ

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