原題:Spring, Summer, Fall, Winter, and Spring

“東洋の美”に、心潤す。

第4回東京フィルメックス2003特別招待作品::http://www.filmex.net/ 2004年アカデミー賞外国語映画賞部門韓国代表作 2004年大鐘賞最優秀作品賞受賞 2003年釜山国際映画祭正式出品作品 2003年ロカルノ国際映画祭<4部門受賞> 2003年サンセバスチャン国際映画祭観客賞受賞 2003年トロント国際映画祭正式出品作品

2003年/韓国・ドイツ/102分/カラー/ビスタ/1:1.85 配給: エスピーオー

2005年04月29日よりDVDリリース 2004年10月30日よりBunkamuraル・シネマにて公開

公開初日 2004/10/30

配給会社名 0116

解説


この世を生きる全ての人々に贈る、美しく感動的な人生の四季の物語。
“東洋の美”に心、潤す。

山間の奥深く、色鮮やかな東洋画のごとく美しい森と静寂に包まれた湖──湖上に漂う小さな寺に住む子供と老僧のふれあいから、物語は始まる…。壮大なる四季のうつろいとともに、心潤すメッセージが観る者の心にゆっくりと染み込んでゆく。
春、夏、秋、冬・・・人生の旅路を四季の変化に重ね合わせ、人生の<癒し><再生>へと導く珠玉の一作。波乱に富んだ人生をめぐる5つのエピソードは、人は何かを傷つけ、そして傷つき、その営みは決して途絶えることはないと語る。幼い頃──無意識に犯した小さな罪、思春期──欲望と執着を知り、成年期──裏切りに憤怒し、壮年期──罪も傷跡も全てを受け入れて心の安らぎへ至る。そして春──新しい生命は再び過ちを繰り返す。
“苦痛に満ちた傷も、人間のものである限り、美しい…”
監督の生に対する“優しい眼差し”・・・全ての人間に罪があり、痛みがあっても、いつか安らぎへと導かれる・・・。

全米、ヨーロッパで大ヒットを記録!
韓国最高の栄誉「大鐘賞」「青龍賞」最優秀作品賞を制覇!
 
韓国映画としては異例の世界的大ヒットを放った本作。全米ではソニークラシックス配給により2004年4月2日から当初6館でスタート、ニューヨークタイムズ、ヴァラエティ、シカゴ・トリビューン、ロサンゼルス・タイムズ、ヴィレッジ・ボイスなど主要な全米マスコミで掲載されたレビュー95%が絶賛、公開館は最大71館まで広がり、興行収入200万ドルを越すロングラン・ヒットとなった。またドイツでの50館公開を始め、イタリア、フランス、オランダなどヨーロッパ地域でも大きな反響を引き起こし、世界中の人々がこの“東洋の美”に魅了されている。

韓国映画界の“至宝” 天才作家キム・ギドク監督が極めた“東洋の美”と“救い”

1996年監督デビュー以来、人間の痛みと悲しみ、社会へ憎悪を独特の映像美と残酷性で描いてきた天才作家キム・ギドク。韓国では新作を発表するたびに暴力性、性的虐待など韓国マスコミから批判を浴び物議をかもす一方、熱狂的な支持者を育成、<異端のカリスマ>として絶えず注目を浴びてきた。
韓国映画界をリードしつつも、<映画界の問題児>として社会を沸かせていただキム・ギドクが監督9作目にて創り上げた世界は、これまでの挑発的な作品群とは一変した、耽美的で情感に溢れる<救いの映画>だった。

キム・ギドクは本作で、脚本・編集・監督そして冬の巻では、親子の運命に涙する壮年期の僧侶役を熱演し、弱冠43歳という若さで、監督9作目『春夏秋冬そして春』は韓国映画界最高の栄誉 “大鐘賞”および“青龍賞”の最優秀作品賞制覇を果たす。そして2004年ベルリン国際映画祭では監督10作目にあたる最新作『サマリア』で最優秀監督賞(銀熊賞)を受賞。キム・ギドクは本作で韓国のみならず世界が認める映画人としての地位を確立した。なお、本作の氷の仏像は、美術家出身の監督が自身の手で作ったものである。

圧倒的な自然の美、韓国・国立公園に湖に浮かぶ寺刹
山水画をほうふつさせる神秘の舞台、ロケ地となった慶尚北道青松郡周王国定公園注山池は環境庁を半年以上かけて説得し、韓国の名勝、慶尚北道青松郡周王国定公園注山池に初めて映画のセットを建てることに成功。伝統芸術の匠たちと美術家によって寺を完成させた。撮影が終了し、映画のロケ地として一躍有名になり多くの人が訪れたが、自然保護のためにセットは撤去されたが、美しい自然はいまもそのままである。

国民的民謡歌手 キム・ヨンイムによる魂の絶唱!
そして、静謐な映像美とともに観客の魂を揺さぶるアリランの源流「旌善(チョンソン)アリラン」。歌い手は韓国を代表する国民的民謡歌手、金・ヨンイムである。重要無形文化財に指定される京畿民謡の歌手として、人間国宝に指示し、現在最もチケットが売れる国楽人である。

ストーリー



深い山間の湖に浮かぶ小さな庵。穏やかに年月を過ごす幼子と彼を見守る老僧が二人で暮らしている。無邪気な子供が成長し、少年から青年、中年そして壮年期へといたる波瀾に富んだ人生の旅程が、不思議な水上の庵の美しい季節の変化のなかに描かれる。

春… 業 : ふとした悪戯から殺生の業を背負ってしまう幼子
万物が息づく春。森のなかで小さな蛙と蛇、そして魚に小石を結びつけるいたずらにふけりながら、天真爛漫な笑い声をあげる好奇心旺盛な幼子。その姿を見守っていた老僧は童子が寝ている隙に背中に石を背負わせる。目覚めた子供が泣きながら石をはずしてくれと哀願するや、老僧は予言をする。「その一匹でも命がなかったら、一生その石が業となってお前を苦しめるだろう」と。

夏…欲望: 恋に目覚める少年が執着を知る。
子供が成長し17歳になったとき、同い年の少女が山寺に養生のためにやって来る。少年僧の胸に少女への熱い想いが湧き上がる。老僧もふたりの恋に気づく。少女が立ち去ったあと、ますますつのる恋の執着から逃れられない少年は山寺から出奔し…。

秋…憤怒 : 殺意を抱く男、苦しみの沼底へ.
寺を出奔してから十数年ぶりに、男は寺に帰って来る。自分を裏切った妻を殺した殺人犯として。周囲の紅葉のように真っ赤に燃えたぎる自分の怒りと苦しみに堪えきれず、男は仏像の前で死のうとする。そんな男を無慈悲に打ちすえる老僧。寺の床一面に経文を書いた老僧は、その一つ一つの文字を彫れと男に命じる。そうやって心を落着かせるのだと…。捜索に来た刑事に連れられ男が寺を去ると、みずからの死期を悟った老僧はひとりで自分の体に火を付けてこの世を去る。

冬…「虚無」:人生の空しさを感じる中年、こころの平安をもとめて。
中年になって刑務所を出所し、すっかり廃墟となった庵を再訪する男。老僧の遺骨を拾い、氷に仏像を彫り山寺の中で心身を鍛錬しつつ心を空っぽにして心の平安を得ようと日々を過ごす。顔をスカーフで覆った名も知らぬ女性が寺を訪れ、赤子を置いたまま立ち去る。男は体に石臼をくくりつけ、降りしきる雪の中、菩薩像を抱えて山を登る…。

そしてまた春…もうひとつの人生の四季が始まる。
年老いた男は、いつのまにか大きくなった幼子とふたりで山寺のなかで平和な日々を送っていた。幼子は、まるであの春の子供と同じように蛙と蛇の口に石を詰めていたずらをしながら、無邪気に笑っている。

スタッフ

監督:キム・ギドク
脚本:キム・ギドク
撮影監督:ペク・トンヒョン
製作:イ・スンジュ、カール・ガウムバルトナー

キャスト

老僧:オ・ヨンス
中年:キム・ギドク
青年:キム・ヨンミン
少年:ソ・ジェギョン
少女:ハ・ヨジン
子供:キム・ジョンホ
少女の母:キム・ジョンヨン

チ・デハン
チェ・ミン
パク・チア
ソン・ミニョン

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