黒の怨
原題:Darkness Falls
2003年/アメリカ/スコープサイズ/SDDS・SRD・SR/85分/ 配給:ソニー・ピクチャーズエンターティンメント
2009年07月03日よりDVDリリース 2003年12月6日より新宿ジョイシネマ3、シネマメディアージュにてロードショー 2004年06月04日よりビデオリリース 2004年06月04日よりDVDリリース
公開初日 2003/12/06
配給会社名 0042
解説
小さな港町ダークネス・フォールズには<マチルダ・ディクソン>、別称“トゥース・フェアリー”(歯の妖精)の伝説が150年もの間、暗雲のように低く垂れ込めていた。
ある日、心優しい老女マチルダ・ディクソンは、2人の子供の誘拐殺人犯として無実の罪をきせられ、怒り狂った群集の手によって虐殺された。噂では、復讐の念に燃えるマチルダの魂は今でもこのダークネス・フォールズの中をさまよい、暗闇でその姿を見た者は必ずマチルダによって葬り去られる……。
今やハリウッドでは第2次ホラーブームがピークを迎えている。その第1次ホラーブームはオカルト映画のマスターピース『エクソシスト』で幕を開け、その後『悪魔のいけにえ』『オーメン』『13日の金曜日』『死霊のはらわた』『羊たちの沈黙』『エルム街の悪夢』へとバトンを繋ぎオカルト、サスペンス、スプラッターとホラーのカテゴリーは増殖をつづけ、多くのホラーヒーローも生み出してきた。
そして近年では日本発のホラー『リング』がハリウッドでリメイクされ全米で大ヒットしたのを皮切りに第2次ホラーブームがハリウッドで勃発!『仄暗い水の底から』『呪怨』と相次いでジャパニーズホラーのリメイクが予定されている。
そしてそのホラーブームの頂上決戦に殴り込みをかけ、全米初登場第1位を獲得したのがこの『黒の怨』だ。これまでのホラーシリーズやリメイクではない、全く新しいクリーチャーの登場で、全米の観客を恐怖のどん底に叩き落としたことは言うまでもない。
主演は新人のチェイニー・クレイで、精桿でワイルドな風貌を生かし、モンスターと化したトゥース・フェアリー“マチルダ”に敢然と闘いを挑む主人公カイルを体当たりで好演している。愛する弟マイケルを守り抜くヒロイン役ケイトリンを演じるのは人気TVドラマ『ビバリーヒルズ青春白書』や『バフィー〜恋する十字架〜』でお馴染みのエマ・コールフィールド。“マチルダ”の恐怖で睡眠障害に悩むケイトリンの弟マイケルをオーストラリアのTVドラマやCMで大活躍のリー・コーミーが演じ、そのあどけない演技が“マチルダ”との恐怖感を一層際立たせる。
また、少女時代のケイトリンには『ゴースト・シップ』で印象的なゴースト少女ケイティ役で強烈な印象を残したエミリー・ブロウニングが演じている。
他に弁護士のラリー役にオーストラリアのベテラン俳優グラント・パイロ、勇敢な警察官マットに『退屈なオリーブたち』のサリバン・ステイプルトンが脇を固めドラマに一層の緊迫感をもたらしている。
監督のジョナサン・リーベスマンは本作が長編デビュー作となる若き新人だが、ディテールにこだわりアイデアに富んだ緻密な演出タッチはスティーブン・スピルバーグやジェームズ・キャメロン以来の才能と言われている。
そんな若きリーベスマンを強力サポートするのが、今やクリーチャー界のカリスマと呼ばれ過去4度のアカデミー賞に輝くスタン・ウィンストン。今回特殊効果と“トゥース・フェアリー”のクリーチャー・デザインを担当し、『エイリアン2』のエイリアン・クイーン以来女性的なモチーフをベースに驚愕のトゥース・フェアリー“マチルダ”を創造した。まるで『ジョーズ』のように突然現れては人間を襲い、闇の中で荒れ狂うマチルダの形相は見る者に強烈なインパクトを与えずにはおかない。本作の成功はこのモンスターキャラクター“マチルダ”のパーフェクトなまでの完成度にあるといっても過言ではない。
原作はアメリカンコミック界の寵児ジョー・ハリスで、彼のショート・ホラー・ムービー『Tooth Fairy』をべースに、本作では自ら脚色と製作を担当し、恐怖を盛り上げている。また共同脚色・製作に『48時間PART2/帰って来たふたり』『ユニバーサル・ソルジャー/ザ・リターン』の脚本家ジョン・ファサーノと、ジョン・トラボルタとサミュエル・L・ジャクソンが主演した傑作スリラー『閉ざされた森』の脚本家ジェームズ・ヴァンダービルトが参加し、細部に渡り綿密なるシナリオプロットを組み合わせ、巧みなストーリー展開で観客をスクリーンに釘付けにする。
製作総指揮には『クリーチャー・フィーチャーズ・シリーズ』のルー・アーコフと『N.Y.式ハッピー・セラピー』のデレク・ドーチー。
音楽に『ハンテッド』のブライアン・タイラーがあたり、ジェームズ・ホーナーを彷彿とさせるダイナミックでサスペンスフルなスコアを提供している。
撮影は『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』のダン・ラウストセンがあたりスピード感溢れる映像を構築。編集には『ノイズ』『D-TOX』のティモシー・アルヴァーソン&スティーブ・ミルコヴィッチが共同編集にあたっている。
美術監督には『ダークシティ』のジョージ・リドルがあたり、ラストの壮絶な闘いの場となる印象的な灯台のセットをまるごと作り上げた。
ストーリー
小さな灯台が印象的な美しい港町ダークネス・フォールズ。
しかし、この町には恐ろしい伝説があった。最後の乳歯が抜けた夜—“トゥース・フェアリー”と呼ばれるマチルダ・ディクソンが、寝静まった子供を訪ね乳歯を取りにやってくる……しかし彼女の顔を見た者は誰であろうと容赦せずに命を奪われる……。
ところがある晩、カイル少年は偶然にその姿を見てしまい、突然マチルダに襲われる。しかし彼女が極度に光を嫌っている事を知り、明かりの灯る浴室へと逃げ込み助かるが、カイルの母は暗闇の中で無惨にもマチルダに殺されてしまう。翌朝、ガールフレンドのケイトリンや友達のラリーが見守る中、警察はカイルを母親殺しと断定、カイルを施設へと送致した……。
<12年後>
大人になったケイトリン(エマ・コールフィールド)には幼い弟マイケル(リー・コーミー)がいた。マイケルは夜驚症にかかり、極度の睡眠障害を持っていた。ケイトリンは愛する弟の病を克服するためには同じ症状を患ったカイル(チェイニー・クレイ)のカが必要だった。ようやくカイルを探し出したケイトリンは弟のマイケルの症状を話し協力してくれるよう懇願した。
そしてカイルは12年ぶりに忌まわしい過去を持つダークネス・フォールズヘと帰ってきた。カイルは病院で、マイケルもあのおぞましいマチルダを見てしまった事を知り愕然とした。
病院で幼なじみのラリー(グラント・パイロ)と再会し誘われるままにバーへ向ったカイルだったが、バーに居合わせたカイルの過去を知るレイ(アンガス・マーレイ・リンカーン・サンプソン)が、母親を殺した異常者だとカイルをなじり森の中で大乱闘となってしまう、そしてその時カイルは見た…あの忌まわしい磁器の仮面を付けたマチルダを…その時レイもその姿を見てしまう。カイルは慌ててその森から逃げ出したが、マチルダの姿を見てしまったレイは彼女に襲われ殺されてしまう。
警察官のマット(サリバン・ステイプルトン)はレイ殺しの犯人としてカイルを逮捕した。またしても無実の罪で捕まったカイルだったがラリーの尽力で警察から保釈される。
そのラリーが森の中でマチルダの姿を見てしまい、断末魔の叫びを上げながら引き裂かれた。嵐の到来が近いのか雷鳴と稲妻が、突然ダークネス・フォールズを襲い、停電が起こり始めた。警察署、病院、灯台、次々と町全体が漆黒の闇に染まった。それはあたかもマチルダの怨念のようにダークネス・フォールズを覆っていった。
そして全てが闇に支配された時、荒れ狂ったようにマチルダが闇の中から忍びより、その姿を見た者を次々と襲っていった、今や光の存在だけがマチルダの魔の手から逃れる方法だった……。意を決したカイルたちは最も大きな光源を作り出す灯台へと向った、そこへ積年の怨を晴らすべくモンスターと化したマチルダが襲いかかった……。
スタッフ
監督:ジョナサン・リーベスマン
原作:ジョー・ハリス
脚色:ジョン・ファサーノ、ジェームズ・ヴァンダービルト・ジョー・ハリス
製作総指揮:デレク・ドーチー、ルー・アーコフ
製作:ジョン・ヘゲマン、ジョン・ファサーノ、ウィリアム・シェラック、ジェイソン・シューマン
音楽:ブライアン・タイラー
撮影監督:ダン・ラウストセン
編集:ティモシー・アルヴァーソン、スティーブ・ミルコヴィッチ A.C.E.
美術監督:ジョージ・リドル
クリーチャー・デザイン制作:スタン・ウィンストン・スタジオ
タイトル・デザイナー:カイル・クーパー
キャスト
カイル・ウォルシュ:チェイニー・クレイ
ケイトリン・グリーン:エマ・コールフィールド
マイケル・グリーン:リー・コーミー
ラリー・フィッシュマン:グラント・パイロ
マット・ヘンリー:サリバン・ステイプルトン
Dr.ピーター・マーフィ:スティーヴ・モウザキス
Dr.トラヴィス:ピーター・カーティン
トーマス・ヘンリー署長:ジョン・スタントン
アレックス:ジェニー・ラベル
レイ・ウィンチェスター:アンガス・マーレイ・リンカーン・サンプソン
少年時代のカイル:ジョシュア・アンダーソン
少女時代のケイトリン:エミリー・ブロウニング
カイルの母マーガレット:レベッカ・マッコーリー
少年時代のラリー:ダニエル・ダペリス
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