2003年/日本/ 配給:東宝

2004年07月07日よりビデオレンタル開始 2004年07月07日よりDVD発売開始 2004年2月7日よりヴァージンシネマズ六本木ヒルズほか全国東宝洋画系にてロードショー

公開初日 2004/02/07

配給会社名 0001

解説

むごいほど、そなたは美しい。
世界の蜷川が描く究極のエロチシズム—それは狂気か純愛か。

●「恨めしいほどに、愛しい。」 〜 ≪伊右衛門≫と≪岩≫の激愛の物語
 心の底で激しく互いを求め合いながら、悲しい運命に引き裂かれていく「伊右衛門」と「岩」。二人をとりまく常軌を逸した情念の世界に生きる偏愛者たち。映画「嗤う伊右衛門」は、愛と憎、美と醜、正気と狂気がダイナミックに絡み合いながら「究極のエロチシズム」を描く愛と激情の物語である。

●日本映画史上最も美しい 「岩」 が生まれる
 岩の顔は醜くゆがんでいるが、その精神はどこまでも高貴である。しかしそんな「岩」もやがては、人間の深い業と業の織り成す狂気の奔流の中で「正気」を保ちきれなくなっていく。恐ろしい…が、美しい…「岩」。映画「嗤う伊右衛門」では、従来の「四谷怪談」の「岩」のイメージを根底から覆す神々しいまでに美しい「岩」が誕生する。

●蜷川VS京極 狂気とエロスに彩られた美のコラボレーション
 江戸時代の怪談文芸の継承者たることを自他ともに認める京極夏彦が、「岩」の怨念による惨劇を描いた古典的名作である「四谷怪談」を、斬新な視点と独自の文体で全く新しい究極の純愛物語に再創造した原作を、世界的演出家・蜷川幸雄がその持ちうる演出力の全てをかけて映画化する。2つの美学のコラボレーションが生み出す最上級の悲劇は、力強く美しい作品として観客の魂を激しく揺り動かすことだろう。

ストーリー

— 生涯一度の恋、それが悲劇のはじまりだった。 —

■伊右衛門〜笑うことを知らぬ男
 境野伊右衛門(唐沢寿明)は、切腹を命ぜられた父親の介錯をした後、浪人に身を落とした。しかし物静かな性格で、家の修繕等を黙々とこなすことを好むような男であったため、表面上はその境遇に嘆くことはなかった。すでに世を捨てたような覇気のない人物ではあったが、その生真面目さは周囲の人々には好感をもって迎え入れられていた。

■岩〜顔に傷を負いながら凛として生きる女
 民谷岩(小雪)は凛とした、誰かれと構うことなく正しさを失わない、町で評判の美しい女であった。ただ、その性格は、時として江戸の時代の女としては疎んじられるものでもあった。ある時、岩は悪い病を患い、片側の顔が崩れてしまう。しかし、まったく動じることなく、周りにいる人々は、今まで通りに誇りを失わずに凛としている岩をますます避けるようになる。

■束の間の幸福〜運命の愛
 伊右衛門は、御行乞食の又市(香川照之)に民谷家への婿入り話を持ちかけられ、岩と夫婦となる。当初、岩には伊右衛門の誠意が伝わらず家長らしくない言動を嫌悪する。伊右衛門も岩の苛立ちを避け岩の心底を汲み取れないでいた。しかし、互いの気持ちを理解しあった二人は次第に深く愛しあうようになっていく。

■奸計と別離
 かつて岩の顔が崩れる前に執拗に岩を求めていた筆頭与力・伊東喜兵衛(椎名桔平)は伊右衛門と岩の仲が睦まじいことが面白くなかった。伊右衛門と岩の絆は、その深い思いを逆手にとった喜兵衛の奸計によって引き裂かれていく。ただひたすら伊右衛門の幸福だけを願いつつ岩は自らの意思で民谷の家を出る。

■そして悲劇が〜物語は驚愕の終章へ。
 岩と別離した伊右衛門は喜兵衛にあてがわれたお梅という女と民谷家で暮らしていた。お梅は喜兵衛の愛人であり、喜兵衛は伊右衛門にお梅を押し付けた後も、五の日ごとに民谷の家に通いつめていた。自分が身を引くことが伊右衛門の幸せと信じて疑わなかった岩は伊右衛門の不幸を知り、怒りと悲しみで正気を保てなくなる。すべては運命と、世を捨て流されるままに生きてきた伊右衛門だったが、岩との愛だけは別だった。岩との愛を貫くべく、伊右衛門は一命を賭してある行動に出る…。

スタッフ

監督:蜷川幸雄

キャスト

民谷伊右衛門(岩の夫):唐沢寿明
民谷岩(伊右衛門の妻):小雪
又市(御行乞食):香川照之
直助(伊右衛門の隣人):池内博之
伊藤喜兵衛(筆頭与力):椎名桔平

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