原題:El Alamein: The Line of Fire

勇者の証、勇者の奇蹟 広大な砂漠で展開する熱き戦い。 命を懸けた男たちの姿がそこにはあった。

2002年/イタリア/カラー/シネスコ/ドルビー/113分/ 配給:ギャガ・コミュニケーションズ、アニープラネット

2004年1月17日より銀座シネパトスにてロードショー

公開初日 2004/01/17

配給会社名 0025/0406

解説


イタリアの気鋭エンツォ・モンテレオーネが放つリアリズム戦争巨編

エジプト砂漠にあるエル・アラメインは、ドイツ軍とイギリス軍との間で行われた第2次世界大戦有数の戦闘地域だった。そこには同じようにイタリア軍も布陣していたのだが、装備が貧弱で補給もな<、兵員の補充もなかった。不運なことに、作戦本部から見殺しにされ、同盟国のドイツからもさげすまれていた。そんな中で絶望的な戦いが11日間続き、1万4000人が命を落とした。 イタリアアカデミー賞(ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞)三冠受賞 『炎の戦線 エル・アラメイン』はイタリア人監督エンツォ・モンテオレーネがイタリア軍小部隊の記緑と生存者の証言をもとに再現した兵士たちの悲痛な戦いの映画だ。兵士たちは炎天下の砂漠で、わずかな水と食糧しか与えられす、渇きと赤痢で苦しめられている。故郷を遠く離れた異郷の地で、祖国のためにと命じられて絶望的な戦いを続ける。兵力が勝るイギリス軍は戦車や航空機で猛烈に叩いてくる。たこつぼを掘って身を隠すイタリア軍兵士たちの姿は、ノモンハンや硫黄岳での日本兵の姿を連想させ、胸に迫るものがある。その壮烈な戦闘場面とりアルな描写はイタリアン・リアリズムの伝統を見事に復活させた。イタリアのアカデミー賞に相当するダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で5部門にノミネートされ、撮影賞、編集賞、録音賞を受賞した。脚本、監督のエンツォ・モンテレオーネは、アカデミー外国語映画賞『エーゲ海の天使』(91)、『アメリカから来た男』(91)、『愛よりも非情』(94)の脚本を書いている。監督としては『炎の戦線 エル・アラメイン』が3作目で、今後が大きく期待されている。製作のリカルド・ッツィはフランコ・ゼフィレッリ監督の『ムッソリーニとお茶を』(98)、『永遠のマリア・カラス』(02)がある。撮影はゼフィレッリ督の『トスカニーニ〜愛と情熱の日々〜』(88)などのダニエル・ナヌッツィ。 主人公セッラ役のパオロ・プリググリアは国立ドラマアカデミー出身の若手俳優。リッツ オ曹長のピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、フィオーレ中尉のエミリオ・ソルフリッツィはイタリアを代表する演枝派男優。 理想に燃える若者が体験した戦争地獄 砂漠の前線に学生志願兵のセッラが志願してくる。陣地からは不毛の砂漠が広がり、イギリス軍の追撃砲による攻撃が始まる。セッラを案内していた伍長が撃たれ、飛び徴った。セッラは「1回目の奇跡を使い果たした。あと奇跡は2回しか残っていない」とりッツオ曹長に言われる。狙撃兵の狙撃、地雷原横断などセッラに戦争の運命がのしかかり、ついにイギリス軍の猛攻にさらされるのだった…。

ストーリー


1942年10月、北アフリカ戦纏のイタリア軍歩兵陣地に1人の若者が着任した。学生志願兵のセッラだ。フィオーレ中尉は交代要員がたった1人と知って落胆を隠さない。セッラはパレルモ出身で前線で、兵士が必要と聞いて志願してきたのだ。中尉はセッラをリッツオ
曹長の分隊に配属する。中尉は伍長に案内するように命じる。いきなりイギリス軍の追撃砲による攻撃が起こり着弾、伍長は跡形もなく吹き飛んでいた。セッラは「奇跡だな」と言われた。彼が直面した最初の試練だった。
陣地からは見渡す限り荒廃した砂漠が広がり、鉄条網が張られている。向こうは地雷原で、イギリス軍が対峙している。イギリス軍は定期的に戦聞機を飛ばすほか迫撃砲で攻撃を加えてきた。
リッツオ曹長はセッラに3つの注意を与えた。ルール1は「頭を低<していろ」。ルール2は 「赤痢になっても報告するな」。全員が羅っているからだ。ルール3は「サソリに気をつけろ」。特に靴を履くときが危ない。水は1日250CCで顔を洗うときは砂を使う。 食糧も水も不足する中で進むことも退くこともできずに灼熱の太陽に焼かれる毎日が続く。イギリス軍の狙撃兵によって死傷者が出た。破壊された車の影から撃ってくる。担架で運ぼうとする衛生兵がやられた。迫撃砲が運ばれ車の残骸ごと吹き飛ばす。セッラも前線の過酷さが骨身にしみてくる。 イギリス軍の車が地雷で横転した。食べ物が拾えるかもしれない。セッラたちは地雷原を1歩1歩進むがセッラが地雷を踏んでしまった。曹長が慎重に謂べて足を上げるように言った。「対戦車用の地雷で300キロの重量に対応する。対人ならおだぶつだ。2度目の運を使い果たしたな」 曹長が言うには人生で3回奇跡が起きる。セッラは2回使い果たしたから残りはあと1回。あとは祈るしかないという。セッラが「みんなは?」と聞くと「とっくに使い切っている」と曹長。 2台のトラックが道に迷って陣地にやってきた。積荷は大量の靴磨き粉と馬1頭。アレクサンドリアでムッソリーニ統帥が行進するためのものだという。飢えた兵士たちは馬をたたき殺して食べようという。フィオーレ中尉は「われわれは砂と尿しか口にしていない。ピカピカの靴で馬と行進したければ、武器と食糧と水を送れといえ」と言い、ピストルで馬を撃とうとするが、馬の美しい目を見て銃をおろす。 水の補給を受けるためセッラたち4人が車で出かけた。水は油くさくて飲めたものではなかった。その帰途、40キロ先にある海を目指して方向転換。久しぶりに水浴びして子供のようにはしゃぐ4人だったが、砂浜が地雷原だと知らされて肝を冷やす。 満月の夜イギリス軍の総攻撃が始まった。迎え撃つ戦車もなく、飛行機も来ない。たこつぼにうずくまって銃を構えるセッラたちの周囲に砲弾が炸裂した。

スタッフ

監督・脚本:エンツォ・モンテレオーネ
製作:リカルド・トッツィ
撮影:ダニエル・ナヌッツィ
美術:エットーレ・グエリエッリ
衣装:ヴィンツェンツォ・マストラントニオ

キャスト

セッラ:パオロ・ブリググリア
リッツォ曹長:ピエル・フランチェスコ・ファヴィーノ
フィオーレ中尉:エミリオ・ソルフリッツィ
スパーニャ:ルチアーノ・スカルバ
デ・ヴィータ大尉:トマ・トラパッチ
将軍:シルヴィオ・オルランド
大佐:ロベルト・チトラン
メディチアン大尉:ジュゼッペ・ツェデルナ

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