つらくても、死にはしない。

2003/日本/86分 配給:ベンテンエンタテインメント

2004年10月4日より渋谷シネラセットにてレイトショー

公開初日 2003/10/04

配給会社名 0277

解説



全国で相次ぐ若者の集団自殺、そこに秘められた、衝撃の真相とは!?
鶴見済の禁断のベストセラー「完全自殺マニュアル」(太田出版刊)をモチーフに、斬新な映像感覚とミステリアスな展開で、これまでにない“自殺ワールド”を浮き上がらせた衝撃のホラー・サスぺンス。自殺する人間の間で蔓延する謎のマニュアルDVDと、その周辺で蠢く奇妙な人間模様、謎を追う人々の交差を、日本映画注目の豪華キャストと、ユニークなCG、VFX、特殊メイクを駆使して描く。
監督は、“中央線で頻発する自殺”の謎に追ったインディーズ映画「レイズライン」で、2002年みちのく国際ミステリー映画祭角川オフシアター部門グランプリ、第5回インディーズムービー・フェスティバル準グランプリ、2002年TAMA NEW WAVE特別賞など、数々の受賞に輝いた新鋭、福谷修。みちのくでは「GO」の行定勲監督、人気ホラー作家岩井志麻子から賞賛された彼が、本作で商業映画監督デビューを飾った。16蔵で初めて撮った自主映画「DEEP GREEN」ですでに自殺をテーマにしている彼が、自らの集大成として取り組んだ渾身の一作だ。
主演は人気タレントの森下千里。「仮面ライダー龍騎」で脚光を浴び、今年は「パルコ 2003水着キャンペーン」に抜擢、「週間ヤングサンデー」「週刊プレイボーイ」「FRIDAY」など、数多の雑誌のグラビアや表紙を飾ると共に、「特命リサーチ20OX-Ⅱ」などのTV、CMでも活躍する彼女が、満を持して映画初主演。謎を秘めたヒロインを、鮮烈な存在感で熱演し、自殺名所「富士の樹海」ロケなど過酷な撮影も体を張ってこなしている。
その相手役を務める、もう一人の主演を演じるのは、「月光の囁き」の主演で一躍注目され、「ロックンロールミシン」などの映画、ドラマで活躍する若手演技派、水橋研二。複雑な役柄を自分の芝居として演じきると共に、ハリウッドテイストのホラー映画的な見せ場にも柔軟に対応し、その実力と魅力を余すところなく見せつけた。
そして、影の主人公というべき、「自殺マニュアルDVD」のミステリアスな案内人、リッキーを演じるのは、「火垂」で2001年ブエノスアイレス国際映画祭優秀主演女優賞を受賞し、「RODEO DRIVE」などの出演作で知られる中村優子。ビザールな恐怖演技と圧倒的な存在感で、新境地を開拓した。
また、「BORDER LINE」「油断大敵」「閉じる日」の前田綾花、「ALIVE」「VERSUS」「あずみ」の榊英雄、「呪怨2」「百獣戦隊ガオレンジャー」の堀江慶(友情出演)、「さくや 妖怪伝」「陰陽師 妖魔討伐姫シリーズ」の安藤希ら、今日の日本映画に欠かせない注目の若手俳優が豪華に共演している。
VFX・CGデザインは、気鋭の映像作家、坂本サク。短編アニメ「摩訶不思議」「フィッシャーマン」で、広島国際アニメーションフェスティバルに連続入選、「摩訶不思議」はロッテルダム国際映画祭に出品されるなど、内外で高い評価を得ている。また、ホラー・オムニバス「新耳袋」ではタイトルバックを手がけるなど、実写映画でも才能を発揮。今回の「自殺マニュアル」では、女子高生の飛び降りシーンや、クライマックスの“自殺者の地獄世界”のCGアニメ、さらに本作オリジナルの自殺マシーンのCGデザインなど、全編に渡って才能を奮っている。
スタッフは、「地雷を踏んだらサヨウナラ」、「八月のかりゆし」の撮影監督、岡雅一。ハリウッド映画で特殊メイク・造型を10年以上勤めた、広瀬諭ら、ベテランスタッフが多数参加。新人監督の現場をがっちりサポートしている。
また、音楽は、元Y.M.O細野晴臣率いるプロジェクト「F.O.E」で3枚のアルバムに参加を経て、大河長編アニメ「三国志」「黄龍〜イエロードラゴン」などサウンドトラックで知られる西村麻聡が手がけた。
エンディングテーマ曲は、癒しの歌姫「HIROKO」が、あのトワ・エ・モアの名曲「誰もいない海」をカバー、挿入歌「ろうそく」も唄う。
カメラは、「スター・ウォーズ エピソード2」で注目された、ソニー製HDデジタルカメラ、シネアルタを使用。世界に類を見ないホラー・ビジュアルの構築に大いに貢献した。

ストーリー



S県、冬。自殺ネットで知り合った4人の若い男女が、空きアパートの一室で七輪の練炭を炊いて集団自殺をおこなった。翌日、警察が4つの遺体を運び出し、現場検証を始める中、刑事の西山(堀江慶)は、自殺者の一人が持っていた、一枚の黒いDVDを発見する…。
半年後。ローカルTV局の新米ディレクター、橘悠(水橋研二)とADの泉川利恵(森下千里)は、上司のプロデューサー、屋代啓太(榊英雄)の依頼で、頻発する集団自殺についての取材を始める。二人は、半年前、集団自殺があった空きアパートに潜入するが、そこで自殺に加わるはずだった高校生、熊谷ななみ(前田綾花)に出くわす。ななみが持っていたのも黒いDVDだった。自殺系サイトで“死ぬ権利”をうたう謎の女、リッキー(中村優子)から、本気で自殺を考えている者にだけ贈られてくるという。
ななみからDVDを借りた悠は、真夜中の社内で、DVDを再生する…。それは「自殺マニュアル」というタイトルで、リッキーを案内役に、「首吊り」や「飛び込み」「クスリ」など、様々な自殺の方法を映し出したものだった。このDVDを見た者が次々と自殺する…?
悠は慄然とするが、彼もまたそのDVDにのめり込んでいく。利恵はそんな悠を心配げに見守る…。
数日後、悠と利恵は、自殺霊専門の霊媒師、早瀬時久(戸田昌宏)を取材する。霊媒師は「自殺者の霊魂は、自殺霊となって、この世をさ迷う。厄介なのは他人に憑りついて、その人も自殺に導いてしまうこと」と諭し、実際に、自殺霊にとりつかれた女性、永沢美希(安藤希)の除霊に立ち会わせる。悠にはにわかには信じられない光景だったが、悠の顔を見た霊媒師は「あなたも気をつけなさい」と意味深げに忠告する。
取材を進める悠だったが、その矢先、集団自殺を担当した西山刑事が警察署内でピストル自殺する。死体の傍らにはやはり「自殺マニュアル」DVDが…。更に、ななみも「リッキーと話をした」という謎めいたメッセージを残して、ビルから飛び降り自殺をしてしまう。ななみを救うことができなかった悠は、焦燥と怒りを募らせ、自殺系ネットに大量のメッセージを書き込み、リッキーとのコンタクトを試みる。現実と幻想が交錯する中、やがて悠のパソコンに、リッキーから一通のメールが届く。確実に自殺する方法をみんなで話し合うという。悠と利恵は、リッキーに会うため、自殺志願者が集まるバーに潜入するが…!?
事件のカギを握るリッキーを追う悠と利恵。その周辺で起きる、恐るべき自殺の連鎖。謎が謎を呼ぶ中、彼らが辿りついた、驚くべき真実とは!?

スタッフ

監督・脚本:福谷修
撮影監督:岡雅一
VFX・CGデザイン:坂本サク
特殊メイク・造型:広瀬論
音楽:西村麻聡
製作:小田泰之
エグゼクティブプロデューサー:倉谷宣緒
プロデューサー:狩野善則、吉永篤史
メイキング制作:山岡大祐

キャスト

泉川理恵:森下千里
橘悠:水橋研二
リッキー:中村優子
屋代啓太:榊英雄
永沢美希:安藤希
西山刑事:堀江慶
熊谷ななみ:前田綾花
目黒真希
石川伸一郎
藤真美穂

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