原題:MAHLER

私は生きるために指揮し、作曲するために生きる。

カンヌ国際映画祭 1947年 フランス映画高等技術委員会賞

1974年/イギリス/115min DVD発売:フルメディア、バイオタイド/販売:ハピネットピクチャーズ

2003年11月27日DVD発売 1987年6月劇場公開作品

公開初日 1987/06

配給会社名 0258

解説

「やがて私の時代が来る」
自己の前衛性を予見していた世記末の巨人=グスタフ・マーラー。
かつてトーマス・マンはマーラーをモデルにして『べニスに死す』を書いたと言われている。
ルキノ・ビスコンティはこれの映画化の際に、原作では小説家である主人公を作曲衆に変え、全編をマーラーの曲で彩った。
音楽にすべてを捧げたマーラーの憂鬱と悲痛に満ちた激烈な人生は多くの才能を触発し続けて来た。
彼の生きざまに魅了された1人、不世出の天才映像作家=ケン・ラッセル。
彼の手によって壮大で芳醇なイメージをもって描き出されるマーラーの映像世界が実現した。
1974年に製作された本作品は、13年の時を越え1987年に日本で初公開され、折からのマーラーブームと相まって大ヒット。ミニシアター映画全盛の走りとなった。そしてさらに16年の歳月が流れ、デジタルリマスター版としてDVD化される。実に30年弱の年月を経て今だまったく色褪せない完成度と先見性に圧倒される。

ストーリー

1911年。
ニューヨークでの仕事を終えたグスタフ・マーラーは、ウイーン行きの列車の中にいた。
51歳の彼は、有名な指揮者で作曲家だった。
同行した妻アルマはまだ30代の女盛りで、夫への態度は醒め切っていた。
グスタフはこの旅行中に未完の交響曲第10番を仕上げようとてしていた。
脳内にフラッシュパックするイメージの断片…彼の脳裏に様々な過去が蘇ってきた。

彼ほ放浪者の女と、12人の子供を育てた母マリーの間に産まれた2番目の子供だった。
幼くしてピアノを学ばされていた彼はある日ニックという男に出会う。
ニックは彼に、自然との対話、そして作曲の心を教えた。
作曲家マーラーの、それが作曲に目覚めた瞬間だった。

列車の中のグスタフは、山中の湖に面した小屋で、作曲に没頭してた事を回想する。
湖畔での愛おしい妻と娘達との生活を満喫していた。
しかしその頃、軍人マックスからアルマ宛の恋文を見つけた彼は、深い嫉妬を抱いた。
グスタフはいつも、アルマが他の男のもとへ去るのでなないか、と怖れていたのだった…。

列車の中で思い出に浸っていたグスタフは、偶然にもマックスに出会い、驚く。
次の収でアルマと共に列車を降りると語るマックスを、グスタフは軽蔑をこめてつき放した。
網棚からスーツケースを持ちよげようとして倒れたグスタフの意識は、再び回想の中をさまよっていた。

スタッフ

製作:ロイ・ベアード
製作総指揮:デヴィッド・パットナム
撮影:ディック・ブッシュ
衣裳:シャーリー・ラッセル
美術:イアン・ホイットテーカー
音楽:グスタフ・マーラー
監督・脚本:ケン・ラッセル

キャスト

グスタフ・マーラー:ロバート・パウエル
妻 アルマ・マーラー:ジョージナ・ヘイル
父 ベルンハルト・マーラー:リー・モンタギュー
ローザ叔母さん:ミリアム・カーリン
母 マリー・マーラー:ロザリー・クラッチリー
コジマ・ワーグナー:アントーニア・エリス

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