きっと見つかる 幸せの鍵 日本映画界若手の旗手 行定勲監督、幻のデビュー作が遂に公開

1997年/日本/ビスタ/ドルビーSRD/114分/ 配給:松竹

2003年12月13日よりシネ・リーブル池袋にてレイトロードショー 2004年05月25日よりビデオリリース 2004年05月25日よりDVDリリース

(c)松竹/スープレックス

公開初日 2003/12/13

配給会社名 0003

解説



行定勲監督、幻のデビュー作が遂に公開

『GO』で一躍注目を浴びた行定勲監督の長編映画初監督作品『OPEN HOUSE』。1998年6月「みちのく国際ミステリー映画祭’98in盛岡」にて上映され、新人監督奨励賞を受賞。以来5年間の時を経て待望の劇場公開となる。随所に見られるリリカルな描写、繊細な感情表現や優しい光の見せ方などの手法は、後に数々の秀作を世に送り出す監督の原点ともいえる。

原作は芥川賞作家・辻仁成の「オープンハウス」(集英社・刊)。原作ではトモノリとミツワ、ユイコの2つの物語からなる。行定監督は、初監督ながらこの繊細な2つの物語を違和感なく1つの映画として仕上げている。3人それぞれがやるせない孤独や思うようにならない悩みを抱えながら都会で生きていく姿を描いている。また、ミュージシャンとしての辻は、本作にエンディングテーマを提供している。

出演に、三流モデル・ミツワ役で、本人自身もモデル出身で現在役者としても活躍中の椎名英姫。三池崇史監督『オーディション』(00)など映画出演にも積極的で、抜群なスタイルと相反するアンバランスな雰囲気でミツワ役を好演。ミツワの家に居候することになるトモノリ役に川岡大次郎、離婚に傷つきながらもどこかエキセントリックでユーモアを感じさせるユイコ役には南果歩。孤独や不安を抱え、それでも「今」を見つめて生きていく姿を3人の主要キャストがのびのびと演じている。共演には村田雄浩、加藤登紀子、小木茂光、津田寛治、光石研、塩見三省など個性派・実力派俳優たちが顔を揃えた。行定勲監督を支えるスタッフは、撮影に『スワロウテイル』(96)、『リリイ・シュシュのすべて』(01)の篠田昇、美術は『月とキャベツ』(96)、『PARTY7』(OO)の都築雄二、照明に『ココニイルコト』(01)の中村裕樹、編集に『Love Letter』(95)や『13階段』(03)、またプロデューサーとしても幅広く活躍する掛須秀一。今の日本映画界を支えている面々によって作り出されている。

ストーリー


都市の片隅で、3つと1/2の孤独な心が奏でるせつない不協和音

[ミツワとトモノリ]

売れないモデルのミツワ(椎名英姫)。回ってくる仕事は折込チラシのモデルばかりの日々。そんな仕事でもこなしていかなければならないことに行き場のない苛立ちを感じている。ある日、パーティーで掴みあいのケンカをするミツワ。泥酔して店から追い出されたミツワは、今日の泊まり場所を求めて電話をしていたトモノリ(川岡大次郎)と出会う。その夜、トモノリはミツワを介抱し、家まで送る。翌朝、目を覚ましたミツワは、トモノリの存在に驚く。「あんた誰?」トモノリを睨むミツワ。トモノリは動揺しながらも状況をミツワに説明する。ミツワは一人トイレにこもり、昨夜の記憶をたどる。そんな奇妙な出会いからミツワとトモノリの奇妙な共同生活が始まる。数日後、エンリケという哭くことを忘れた犬も2人の生活に加わることに。

[ユイコ]

離婚したばかりのユイコ(南果歩)。ストッキングの中にキャミソールを押し込んで着替えている。その姿はどこか気だるそうで、腕と足の間接にはサポーター。夜になると体中をかきむしるユイコ。医者からは「離婚による精神的なもの」と診断された。熱烈なアプローチで迫るミヤケ(村田雄浩)、別れた夫の恋人マキ(川越美和)は一方的にユイコの生活に侵入してくるが、ユイコの心は誰に対しても開かない。母のトキコ(加藤登紀子)はそんなユイコを心配している。思いを寄せる人に振り向いてもらえず、それでも必死に相手の心を求めている人々…

みんな、満たされない思いを抱えながらも毎日を淡々と暮らしている。
まるで寂しいことには慣れてしまっているかのように…。

そんな穏やかな日々の生活の中で、それぞれが何かを見つけようとしていた——。

スタッフ

原作:辻仁成「オープンハウス」集英社刊
監督:行定勲
製作:松竹/スープレックス
撮影:篠田昇
照明:中村裕樹
美術:都築雄ニ
ポストプロデューサー・編集:掛須秀一
制作:SUPLEXINC.

キャスト

椎名英姫
川岡大次郎
塩見三省
小木茂光
村田雄浩
光石研
利重剛
津田寛治
南果歩
加藤登紀子

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